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「米法山水」で、湿潤を表現する。 【一茶庵 稽古追想】 [文化想造塾<易社/煎茶>]

煎茶稽古に掛けてあったお軸の山水画は、墨の濃いさが強調されたものだった。
いつも通り、宗匠が「この画をみて、季節はいつごろ? 天候は?」という問いかけから始まった。ただ「うぅ〜」という唸り声だけが漏れてくる。お軸の上部白場には薄く横模様が入っている。この模様で雨が表現されている。
そして、渓谷の樹木につける葉が墨で強調されていることは、葉が開いている様子を表わしている。そうすると、雨が終わりに近づき夏が到来する季節ということになる。
そこまで読み切れれば、山水画の醍醐味がわかるのだが・・・。

米法山水2.jpg

米法山水3.jpg

山水画を描く文人たちは、雨を描かなくても湿潤を表現する技法を使う。それが「米法山水(べいほうさんすい)」というものである。門外漢の私には知る由もない。宗匠の解説によると、中国,北宋の文人画家 米芾 (べいふつ) ,米友仁父子が創始した山水画法。筆線を隠し,筆を横に倒して点をいくつも重ねて樹木,岩山を表現する画法で,湿潤な江南の山水の趣を表現するのに使われている、とのこと。

米法山水1.jpg

3枚の山水画(写真)ともに、樹木や山を、筆を横にして描いているのが分かる。この技法を見ただけで天候がわかるということになる。絵描きになるわけでもないが、煎茶をより楽しく、そして理解していく上で豆教養として大切なことなのかも。

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