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こんな専門学校は、京都祇園ならでは [伝統文化]

京都・花見小路を歩くといつも見に留まるのが「八坂女紅場学園(やさかにょこうばがくえん)」の掲示板。ある飲食店の玄関先に掲出されているが、通るたびについつい見てしまう。とくに学園や学校に関係しているわけでもないのに。
その掲示板は学園が経営する祇園女子技芸学校の今月の稽古日のお知らせである。関係者以外にはまったく不要な掲示板だけど、なぜか目に付くように花見小路通り沿いに誰にも見えるように掲出されている。


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           祇園女子技芸学校祇園甲部歌舞練場内にある


この祇園女子技芸学校は、京都市東山区祇園町南側の祇園甲部歌舞練場の中に併設されている教育機関である。いま風にいうなら芸・舞妓さんのための専門学校のようなもの。同校の必須科目は舞(井上流)・鳴物・茶道・三味線。そして能楽・長唄・一中節・常磐津・清元・地歌・浄瑠璃・小唄・笛・華道・書道・絵画など、座敷芸事には欠かせないもの身につけるため多岐にわたる。生徒は祇園の芸・舞妓さんの全員で、年齢は15歳から80過ぎまでと幅広い。


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     花見小路通りに掲げられている祇園女子技芸学校の稽古スケジュールボード


花見小路の表通りの掲示板には、科目、教授名の札が掛けられ、日程は白墨で書かれている。掲げられている理由は、芸・舞妓さんへのお知らせというのもあるだろうが、想像の域であるが芸・舞妓さんにしっかりと科目ごとに芸事を教えている、というアピールなのだろう。
掲示板の中で、目が留まるのが「教授」の方々の名前。舞踊科のトップには人間国宝の井上八千代さんの稽古日程がある。それも一番多いスケジュールになっている。
また、能楽科では片山九郎右衛門さんもスケジュールが書かれてある。そして各科目も超一流の指導陣が名を連ねる。こんな方々が先生というのは、やはり祇園ならではの格式なのだろう、また京都花街としてのプライドなのかもしれない。


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時代が変わっても、京都祇園の風土は変わらない。むかしの慣習がしっかりといまに伝えられている。その祇園の厳しい世界に挑戦する若い娘さんたちも増えてきているという。女性の「なりたい職業」、「憧れの職業」に一歩ずつ近づいているような気がする。祇園花街の世界が、見通し風通しがよくなってきたからなのだろうか。


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                稽古に通う舞妓さん


リポート&写真/ 渡邉雄二

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