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尾道映画祭の「未来」は、尾道を愛する人たちのエネルギーでつくられる [尾道映画祭]

今回初めて「尾道映画祭」に参加し、上映された一部の作品を鑑賞。今年は10作品が上映され、「作家と尾道、そして未来」というテーマで開催された。尾道を愛する、多くの映画ファンに支えられた映画祭という印象だった。


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映画祭最後の上映、故大林宣彦監督作品「ふたり」のあとのフィナーレ

18日のオープニングセレモニーのあと、「空母いぶき」が上映映画の先陣をきった。小学館「ビックコミック」に連載中の漫画を映画化した大作である。原作者であるかわぐちかいじさんが終了後、ゲストで登壇された。同氏は尾道(向島)出身の日本を代表する漫画家のひとりであり、多くのヒット作を世に出しているクリエーターである。
そのかわぐち氏の、パンフレットの表紙のコメントに、「尾道のまちは、2次元ではなく3次元のまち」と書いている。3次元は立体的な世界ともいい、自分の生活を客観視できる空間だ、と表現している。この言葉を読んだとき、まさに! と。漫画の世界観ならではの言葉のように感じた。さらに、立体的な3次元の空間を持ったまち、尾道で育った経験は大きく自分の感性に影響を受けているという。
残念ながら時間の都合で、同氏の “生きざま” を生の言葉で聞くことはできなかった。


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しまなみ交流館での午後からの上映は、「さがす」。この作品は初めて見るので楽しみだった。
片山慎三監督の商業映画デビュー作である。大阪出身の片山監督が大阪・西成界隈をロケ地に選び、商業性を意識しながらも社会性の強いテーマに取り組んだ作品。どういう展開になるのかな? と思わせながら、また最後で、これ、どういうこと? と考えさせられる結末になっていた。
シリアスな作品でありながらコミカルなシーンもふんだんに表現されていた。片山監督が主演に選んだ俳優が佐藤二郎さん。映画・テレビドラマ・演劇・バラエティ番組、さらには映画監督に至るまで、幅広い活躍を続ける佐藤さんが、監督からの熱望に応えたようだ。底知れない凄みと可笑しみを表現する演技はまさに佐藤さんの真骨頂、それを見せてもらった。


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映画終了後のトークショーに、主演を務めた佐藤さんが登壇。初めての尾道ということもありどことなく嬉しそうに振舞っていた。トークショーが始まるまでの舞台準備にピアノをスタッフに交じり押して現れた。このあたりの顔だしも佐藤さんのバラエティ性豊かな現れかも。ちょっと可笑しみのファンサービスだったように推察した。
トークショーは、佐藤さんからの要望で、お客さんからの質問に答える形式で展開された。

進行役の方と冗談を交えながら、お客さんの質問をうける。はじめはこれでトークショーになるのかと不安だったが、ふたをあけたらびっくり。事前の筋書きと思わせる質問内容に驚いた。映画のワンシーンのことや、細かなそのシーンの状況を見ての感想を語りながら質問する。10人以上のファンからの質問に真摯に応える佐藤さんの人間性や役者魂が感じられ、参加されたお客さんは満足されたように見えた。


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今回のように、映画祭という名がつくと、多くの映画人の生の声が聞ける。映画の見どころ、撮影の裏話、監督さんの映画への想いなどで映画の楽しさが何倍にも膨れ上がる。また、来年の尾道映画祭が楽しみになってくる。

リポート&写真/ 渡邉雄二・尾道映画祭実行委員会

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尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/

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