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“国生み神話”の舞台である「おのころ島神社」。 [歴史遺産]

「国生み神話」で語られる淡路島。古事記・日本書記でもその神話の舞台が淡路島と記されている。その発祥の地が、以前紹介した淡路市にある「伊弉諾神宮」ではあるが、古事記・日本書記によると、伊弉諾命・伊弉冉命の国生みの神話の聖地と伝えられる丘がある。その丘が「おのころ島」とよばれ崇敬されている。その一角にあるのが「自凝島神社(おのころ島神社)」である。
神代の昔、国土創世の時、二神は天の浮橋にお立ちになり、天の沼矛(あめのぬぼこ/槍や薙刀の前身である長柄武器)を持って海原をかき回し、その矛先より滴る潮が “おのずと凝り固まって島” となったのが自凝島である、という神話が伝わっている。
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ご縁があって、先日参拝する機会を得た。時間があまりなかったのでじっくり散策はできなかったものの、存在感のある大鳥居を潜り、正殿に拝礼させていただいた。
大鳥居のすぐ脇に大きな松の木がある。なかなかお目にかかることのない松である。まず目に留まったのが大きな松ぼっくり。そして松葉。看板には「三鈷の松」と表記されていた。聞いたことも見たこともない松である。調べてみると、法具の三鈷杵の先が三つに分かれている。その形にちなんで「三鈷の松」と名付けられた、とのことのようである。
三鈷松とは松の葉が三葉ある。日本では珍しい樹種らしい。松の葉は、通常二葉か五葉である。日本のクロマツ、アカマツは二葉で、五葉松は字のごとく五葉である。では、この三鈷松の三葉は大王松と呼ばれる種類なのだろう。

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いま淡路島は注目を集めている。都心から移住者も増えつつある。山、海、そして瀬戸内の過ごしやすい気候風土が大きな魅力となっている。それに15年前にすべての地域で市制がひかれ行政環境も整ってきた。官民による新しい施設が随所に展開され、日本でも有数な創造の地(島)として生まれ変わろうとしている。そんな中に、国生みの神話をもつ島としての存在感がさらに大きくなっていくような思いを改めて感じた。

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