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能装束一枚一枚が大きな存在として身に重なる。【能楽 装束】 Each Noh costume is a big presence. [伝統芸能]

日本の伝統文化・芸能を「YouTube」で紹介する事業がスタートした。
国内はもちろんだが、海外にも「日本の伝統(Nipon no Dento)」を動画で発信していく企画である。その第一弾が「能楽」。日本の最古の演劇といわれる伝統芸能「能」を、観世流シテ方 林本大氏のご協力で撮影取材をしている。

先日の取材テーマが「装束(しょうぞく)」。今回、筆者が装束を実際に着させていただき、視聴者にわかりやすく理解していただくための実演だった。
装束は女武者「巴(ともえ)御前」のものである。巴御前は、木曽義仲の愛妾で、女の身ゆえ義仲の最期を共にできなかったという恨みに、衣装(甲冑)を着て長刀をたずさえ、義仲との思い出を語るシーンの装束である。

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その装束を舞台の上で着せていただいたわけである。本来なら着付け方は2名で行うのだが、今回は林本氏お一人でしていただいた。
写真を見ていただいてのとおり、能装束のなかで、巴御前のように女性の役柄に用いる装束は、とくに繊細で美しい。代表的なものには、金糸・銀糸・色糸をふんだんに使い立体的な模様を織り出す「唐織」や、刺繍と金銀の箔を摺ることで模様を出す「縫箔」である。
装束をつけていくごとに身が締められていく。大きな存在のものを一つひとつ身に付けていくことで、すべての思いや気迫が積み重なっていく。プロの演者の方たちは、その瞬間から役柄の人物になっていくのが、なんとなくではあるが感じることができた実演だった。

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