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リンゴが赤身をおびてきた~ [雑感]

地元の図書館をちょこちょこ利用させていただく。
その図書館へは自転車でいく。
その道中は歩道と自転車道が色分けされ非常に走りやすい遊歩道になっている。
その遊歩道沿いの一角にある木々に一カ月前ほどから青い実がついていた。
もしかして、リンゴ ? と思わしき小さい実が気になっていた。
昨日に通りかかった時に、いくつかの実が、すこし赤身をおび、間違いなくリンゴだ、と。
スマホで撮りながら、なんでここにリンゴの木が植えられているのだろう。
一般道路沿いに果樹が? と想像したが、これ、という理由が思い浮かばなかった。

その写真が以下のとおりである。

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京の涼やかなおもてなし 袋中菴の「幻の花写真集-夏シリーズ」 [袋中菴「幻の花」]

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31日、京都八坂神社で、鳥居に大茅輪を設け、参拝者はこれをくぐって厄気を祓い、また「蘇民将来来之子孫也」の護符を授かる「疫神社夏越祭」の行事をもって今年の祇園祭は幕を下ろす。3年ぶりに復活した山鉾巡行で夏の京の街は盛り上がった。
京のまつりにかぎらず、これからは盂蘭盆会(うらぼんえ)が各地で行われる。
京都・袋中菴の「幻の花写真集より」で紹介した挿花は今回で最後になる。何回かに分けて、秋の花からスタートし、今回の夏の花々で締めくくる。その最後に登場するのが、盛夏を彩る涼しげな花々と、その設え。楽しんでいただければ幸である。

まず、最初の一瓶は「囃し花」。すだれの前に飾られた祇園祭の山鉾の横に、レースガラスコンポートに虎の尾、葉蘭、そしてブルーファンタジーが暑気祓いを兼ね祭りの原点である神仏への供養に、と飾られた。
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「円相の花」。夕方、円窓に吊ってある花が揺れている。外は涼やかな山からの風が吹いているのだろう。円窓に照らされ蔓桔梗(つるききょう)が仏像に見えてくる。
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夏の盛りに、森羅万象のすべてに宛てた、夏に生かされている自身を流し帯に見立てた文のようにも見える。「心尽くし花」。
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夏の涼感を味わうのは花そのモノを生けるだけでなく、花器やちょっとしたモノを使い、より涼しげに見せるのもステキ。「露の花」と称し、ガラス皿にのせた花の上にガーゼ、それに冷たい水をかけてみると妙な涼しさが楽しめる。
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「来駕の花」として、庭先の日陰に置いた桶に入れた花が来訪した人を迎える。迎える人の心涼やかなおもてなしいである。五月梅と楓に、桶が見事に組み合わさり涼感をそそる。
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「祇園まつり」。祇園祭に欠かせぬ神や御霊に捧げる花、檜扇(ひおうぎ)。中蕪立華瓶と檜扇、撫子の組み合わせが絶妙な形状をなし涼やかさをかもし出している。
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平成九年に世界文化社から発刊された、袋中菴 山階御流 六世家元である賀幡圓定師が「袋中菴 幻の花」の写真集のために、京の四季折々の季節や行事にあわせ生けられた。花々をとおし命あるモノすべてに向け深き祈りを捧げられた。すべての写真は紹介できなかったが、一部を切り取り披ろうさせていただいた。
猛暑が続く折、また新型コロナウィルス感染拡大のさなか、私の師である圓定師の力を借りて乗り越えたいと思いで綴ってみた。お時間があればご一読いただければ嬉しいかぎりである。

渡邉雄二 拝

リポート&写真/ 渡邉雄二 写真/ 袋中菴 幻の花の写真集を複写転載 文/ 圓定師の写真集解説文を参照

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北山墨華亭の回廊の展示に王義之の「平安何如奉橘三帖」 [地域発展]

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兵庫県西宮市は1987年中国紹興市と友好都市提携を結んでいる。紹興市は、ご存じ日本でも “紹興酒” として良く知られている酒(黄酒)の名産地。一方、銘酒処・西宮は灘五郷の一つとして知られることから両市の共通する産業を有することで友好提携が結ばれた。

その紹興市は、書道で著名な王義之のゆうかりの庭園「蘭亭」がある。王義之が「蘭亭集序」を書いたところとしても有名な場所。その蘭亭内にある「墨華亭」をイメージし、西宮市が提携を記念し北山緑化植物園内に「北山墨華亭」そして「小蘭亭」及び「曲水庭園」を建造した。
北山墨華亭は、書道展などの文化的事業などの施設として使用している。また、墨華亭の前には、王義之が筆を洗ったと伝えられている「墨池」を模して造られた蓮池がある。コロナ前の年までは、毎年5月には西宮蘭亭会により「曲水の宴」が開かれていた。

王羲之は「書聖」「二王」と呼ばれ、楷書・行書・草書の各書体を完成させて芸術としての書の地位を確立した人として日本でも知られている。北山墨華亭の回廊のウィンド内には、王義之が書いたとされる「平安何如奉橘三帖」の手紙のレプリカが展示されている。書道については門外漢なので詳しくはわからないが、資料によると行書兼草書の「平安帖」と行書の「何如帖」「奉橘帖」の3通の手紙のようである。

北山緑化植物園の片隅にある蓮池と北山墨華亭が自然の中にマッチしている。若いカップルが回廊から蓮を眺めながら楽しそうに話していた。その光景も蓮と同じように美しく見えた。


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      王義之が書いたとされる「平安何如奉橘三帖」の手紙(レプリカ)

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                回廊の展示ケース

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小蘭亭前の曲水で「第27回 西宮蘭亭 曲水の宴」が開催(ツーリズム西宮楽らく探検隊ブログより)


リポート&写真/ 渡邉雄二・ツーリズム西宮楽らく探検隊ブログより 資料/ 西宮市北山植物園HPを参照

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千光寺の、数々の巨岩や石仏像に惹かれ [尾道・文化紀行]

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尾道の千光寺は大宝山の中腹にある、弘法大師の開基の寺院で山岳信仰の篤い寺院。本堂は、標高140mの大宝山の山肌に本堂が建ち珍しい舞台づくり。その本堂に収められている本尊は秘仏の千手観世音菩薩である。

本堂へ進む参道には山肌に多くの巨岩が露出している。昔から岩や石を祈りの対象に多くの参拝者が列を連ねたという。また、多くの参拝者を楽しませたのが千光寺からの尾道水道や瀬戸内海の島々の眺望。その美しさは誰もが認めるところである。
そのためか、尾道の風光を愛でた文人墨客の入山も多い。参道には作品が刻まれた天然の岩が目に留まる。また、本堂周辺には多くの石仏像が安置されている。信仰の篤さがうかがえる。

眼に留まった巨岩や石仏像を写真で紹介する。この千光寺は目を楽しませてくれるいろんな景色に出会えるところである。


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           干支の石仏像や石の地蔵さんが至るところに

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                   梵字岩

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        岩ののまに 古きほとけのすみたまふ 千光寺山かすみたりけり

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           音に名高い千光寺の鐘は一里聞こえて二里ひびく

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                   千光寺の鐘楼

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リポート&写真/ 渡邉雄二 Reported & Photos by Yuji Watanabe

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花の声を聞くのも、また楽しからずや  [雑感]

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先日の雨の日に大阪府池田市の佛日寺におじゃました折に、境内に蓮や睡蓮、タイタンビカス、そしてソテツの花が咲いていた。
雨だったのでタイタンビカスは残念ながら、咲いた花が垂れ下がり萎んでいた。この姿も美しいが、切ない。それを見て、和尚が晴れの日に撮ったタイタンビカスの写真を送ってくれた。雨の日とは違い生き生きとしている。
そして、蘇鉄に珍しく大きな花が咲いていた。実のように見えるが、これが花。10年に一回程度しか咲かない花で、開花は希少のようである。それを見ることができたのはラッキー。


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花は土から生まれ、土に帰りまた花を咲かせる。人は亡くなれば土に帰る。人の命が大事なように、花の命もまた尊い。花をじっと見ていると、楽しい。花もまた私を見ている。時として花と視線があうことだってある。そんな時に、話しかけてみる。声を出すときもあれば、心で囁くときもある。そして花の声を聞く。

リポート&写真/ 渡邉雄二・佛日寺和尚

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懸装品や錺金具に数々の生き物が飾られている 【祇園祭】 [祇園祭]

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     大船鉾の軸先に飾られる竜頭が大丸京都店のウインドーにディスプレー


祇園祭の前祭の山鉾巡行が17日に行われ、後祭に引き継がれた。その後祭の山鉾建てが18日から行われ、本日21日から23日までが宵山。そして24日はクライマックスの山鉾巡行。11基が御池通から河原町通を南下し四条通を巡行し、また、傘鉾や馬長稚児、児武者などは四条通を巡行し八坂神社へ。
24日は還幸祭として3基の神輿が四条御旅所を出発し八坂神社に還幸し、神霊を本社に戻す。そして31日に八坂神社で疫神社夏越祭が行われ、鳥居に大茅輪を設け、参拝者は茅輪をくぐり、厄を祓い護符を授かる。この夏越祭を最後に1カ月の行事が終了し祇園祭の幕が下ろされる。

三年ぶりの山鉾巡行ということで、大丸京都店では、京都新聞の協力のもと、祇園祭をより
知っていただこうと懸装品や錺金具などに施された動物をパネル展示で紹介。その写真(パネルを複写)を紹介する。
動く美術館と称される山鉾を飾る「懸装品」は祇園祭の見どころひとつである。京都の絵師が下絵を手掛けた懸装品や、海外から伝来した織物など数多くの装飾品を飾り、それぞれの山鉾が競うかのように飾りたてる。

その中には、たくさんの生き物が存在し、その数130種類以上といわれている。めでたさを象徴する鳳凰や龍といった空想上の珍獣たちが飾られている。それらは山鉾ならではの豪華絢爛の装飾に一役を担っている。それを楽しむのも祇園祭である。


大丸京都店に展示されていたものを改めて紹介する。
■ 蝙蝠 木賊山
木賊山の欄縁金具には黒漆仕上げの蝙蝠。金の雲の中を舞い幸福を呼ぶ縁起物とされている
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■ 鶴 放下鉾
屋根の下の欄縁金具には鶴が飾られ、めでたい縁起物として飾られている
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■ 蟷螂 蟷螂山
からくり仕掛けの蟷螂は愛嬌たっぷりに飾られている
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■ 虎 保昌山
円山応挙の下絵で虎が2匹刺繍されている
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■ 飛龍 太子山
飛龍の錺金具は迫力がある
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■ 鶏 函谷鉾
関所・函谷関で斉の君子孟嘗君が家来に鶏の鳴声をさせ開門させ難を逃れた故事にまつわり鶏を刺繍に。
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■ 兎 月鉾
屋根の下の欄縁金具には神聖なものの象徴として兎が飾られている
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■ 鷹 鷹山
200年近くぶりに巡行復帰。懸装品は新調し鉾の名前にちなんで鷹が刺繍された
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■ 鳳凰 長刀鉾
鳳凰は空想上の生き物で縁起物として数多く使用されている
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■ 麒麟 山伏山
鳳凰と同様に、空想上の生き物として多く刺繍に使用されている
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リポート&写真/ 渡邉雄二 写真/ 大丸京都店で展示されてあるパネル展示を撮影  資料/ 京都新聞祇園祭特集 

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雨の日に、心晴れやか 【仏画曼陀羅アート】 [仏画曼荼羅アート教室]

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            布袋尊像の前で蓮が一輪咲く


昨日は、雨・雨・雨・・・。
地域によっては、線状降水帯が発生しバケツをひっくり返したような雨のところもあったようだ。何事もなかったことを祈る。

そんな昨日、大阪も雨に見舞われたが、仏画曼陀羅アート佛日寺教室へ行ってきた。どの教室も現在は「七福神」の課題に取り組んでいるが、同教室では、前々回の般若心経と大日如来立像を組み合わせた作品を一筆一筆、心を込め制作された方の作品ができあがった。外は雨だが晴れやかな気持ちにさせてもらった。

境内には雨の中、石の布袋尊像の前で雨にぬれた蓮が一輪咲いていた。美しい光景に心がなごむ。


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               雨にしおれる蓮の花びら

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              雨にぬれる睡蓮もまた美しい

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             般若心経と大日如来立像を組み合わせ

リポート&写真/ 渡邉雄二 作品は佛日寺教室の方が制作

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千光寺の、彩り 【尾道風景-千光寺Ⅰ】 [尾道・文化紀行]

千光寺から見た風景に魅せられ、
尾道を訪ねたときは必ず参拝させていただく。

ロープウェイで往復するときもあるが、
歩いて登り、歩いて降りるときもある。

景色の違いを楽しむために、その時の想いで。


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             千光寺から臨む尾道水道と市街地

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              鐘楼が街々に響く

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             本堂横の玉の岩とロープウェイ


リポート&写真/ 渡邉雄二 Reported & Photos by Yuji Watanabe

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若冲の旭日鳳凰図をもとに製作された「長刀鉾」見送りが初お目見え [祇園祭]

明日17日が3年ぶりに行われる祇園祭の前祭のメインイベントである山鉾巡行。その山鉾の先頭を立つのが「長刀鉾」。午前9時に四条烏丸を出発。最初の見どころは四条通と麩屋町の交差点に張られたしめ縄を稚児が切る「しめ縄切り」。
そのあと四条通を東へ進み、四条河原町の交差点で第二の見どころが山鉾の迫力のある豪快なターンである。そして河原町通を北へ進み、再び御池の交差点でターンをする。この場面が山鉾巡行の最大のクライマックスで多くの人の目が釘付けになる。


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伊藤若冲の「旭日鳳凰図」の原図をもとに製作された見送り


このたび、巡行の先頭を行く長刀鉾の背面の飾りものである見送りが新調され、今回の山鉾の最大の見どころの一つになっている。この懸装品が、2016年に長刀鉾保存会設立五十周年を迎え、またその年が同時に、江戸時代の絵師、伊藤若冲誕生三百年にあたり、伊藤若冲の「旭日鳳凰図(宮内庁三の丸正蔵館蔵)」の原図をもとに見送りが製作されることになった。

縦約3.5メートル、横約1.8メートルのつづれ織りで、朝日が昇る中、雌雄の鳳凰が力強く羽ばたくさまが絹糸や金糸を使って描かれている。美術工芸織物を手がける川島織物セルコンが約3年かけて製作し、若冲の筆遣いや微妙な色彩を再現した。
その見送りが巡行の際にお披露目される。筆者が取材した日はまだ懸けられてなく、明日の本番に控えている。

奇想の画家として人気が高い伊藤若冲(1716-1800)は京都、錦市場の青物問屋『升源』の長男として生まれたが、商売には興味がなく絵を描くために家督を弟に譲り、早々と隠居を決め絵に専念。しかし隠居後も町政に関わりをもち、錦高倉市場の開発には尽力したようである。
京の町衆の祭である祇園祭、若冲は京の町衆の画家である。意外なことに今回初めて相互に接点をもった。若冲の絵が山鉾に使われたのは長刀鉾が初めて、この組み合わせが今年の祇園祭で実現した。
 
この記念すべき見送は、絵が決まってから織下絵の制作、配色、試作などを経て、完成までに3年間かかった。細かな図柄部分はベテランの織手が二人がかりで一か月に8cmほど。使用した色数は800色以上。裏目を上にして織るため、小さな鏡で図柄の織り上がりを確認しながらの作業。日本文化を後世に伝え継ぐ技術の緻密さには驚かされる。
気高い鳳凰の姿は長刀鉾の宝として、未来に言い伝えられることであろう。


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若冲の見送り以外の懸装品は室町~江戸時代に当時の町衆がペルシャや中国などから輸入した逸品織物を使用

リポート&写真/ 渡邉雄二 最初の写真は、長刀鉾保存会HPのものを転載。文章の一部は保存会HPやウィキペディアを参照

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「菊水鉾」の4面の幕、狩野岑信の七福神絵巻原画を川島織物が製作 [伝統文化]

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前回紹介した「白楽天山」に続いて、祇園祭Ⅱでは「菊水鉾」を紹介する。この菊水鉾は5年前に鉾再建60周年ということで、懸装品の前掛け、後掛け、胴掛けを一新することになり4年がかりで完成し4面すべてが揃いお披露目となった。
その懸装品の新しい絵柄として登場したのが「七福神」。この七福神と菊水鉾との結びつきは、菊水鉾を有する地域は現在、「菊水鉾町」という地名だが、古くは「夷三郎町」といい、町に夷社があったことから七福神を使うことになったようだ。

これに因んで、江戸前期に御用絵師として活躍していた狩野岑信(かのうみねのぶ)が描いた「七福神絵巻」(板橋区立美術館蔵)の原画をもとに4枚の幕に七福神が表現されることに。

取材の際に前掛け、後掛け、胴掛けを見て、それぞれの神様を確認したが、ゑびす神が見当たらない。七つの神様が揃ってその地域や菊水鉾が守られ末永く繁栄していくものである。それなのに肝心の「ゑびす様」がいないのに気づき、保存会の長老に尋ねると、長老は「ほら、あそこに」と前掛けの上の方を指で示した。「どこに?」と聞き返すと長老は、半ばあきらめ口調で「わからんやろーなぁ!」と。
こんなやり取りがあったあと、見てのとおり、前掛けは小槌を振る大黒天だけのように見えるが、実は、左上の舟と烏帽子、釣った鯛が魚かごから見えている。あの鯛がゑびす様だとはなかなか想像しにくい。
このように、持ち物などで、その人物を想起させる表現方法「留守文様」という。この手法をつかった、なんとユニークな前掛けとなっていた。


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留守文様で表現されているゑびす様

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左上の鯛がゑびす様


左面の胴掛けは、寿老人と福禄寿が描かれ、近くで見ると絵画そのままに濃淡や筆遣いなどが再現されている。右胴掛けには毘沙門天と弁財天。そして後掛けの見送りは布袋尊である。4枚に共通して、これらの七福神を囲む枠は、菊をあしらったデザインを施し、漁業の神様であるゑびす神を表す波文とあわせ菊水の意味を込めている。


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左面の胴掛けには寿老人と福禄寿

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右面には毘沙門天と弁財天

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後掛けは布袋尊


これら4面は約500色の色糸が染め出しされ、綴織技法で4年の歳月をかけて製作された逸品である。保存会や板橋区立美術館、そして実際に製作した京都の織物メーカー、川島織物の最高のテクノロジーが融合しできたもの。未来に向けてさらに伝統が築かれ、後世に受け継がれていくのを目のあたりにした。


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天井には龍

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車輪には菊の御紋

山鉾巡行を見る機会があれば、ぜひ菊水鉾にもご注目ください!


リポート&写真/ 渡邉雄二 前掛けの写真の一部は川島織物セルコン「KAWASHIMA stories」より

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