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淡路島生まれの町娘、最高の縁組が成立 [伝統芸能]

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一昨日、内定していた嫁ぎ先と、送り出す側の初対面が実現。即戦力になるかどうか分からないが、新しいステージでの活躍を期待する縁組となった。

短大の先生でこどもヨーガの実践研究をされている伊藤華野さんが、ある方からいただいた淡路島生まれの「町娘」の人形の頭(かしら)の持ち主で、以前に、「この娘(こ)の嫁ぎ先を探している」と相談があった。それなら、ということで、私の知人で関西を中心に活躍されている乙女文楽の人形遣いの吉田光華さんを紹介した。伊藤さんも「最高のご縁ですね」と喜ばれ素晴らしい縁組につながった。
町娘と初対面した吉田さんは「美しい顔をしていますね。この娘に着物を着せてあげたらさらに耀いて見えます」とお褒めの言葉をもらった。デビューがあるなら仲人としてぜひとも鑑賞させていただきたいものである。


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      左が寄贈者の伊藤華野さん、右が遣い手の吉田光華さん


乙女文楽を簡単に説明すると、
一人遣い用に工夫された人形を身にまとい芝居を行う。生の身体の動きを、そのまま直接、人形の動きに置き換え動かす。人形の頭と遣い手の頭(あたま)とに左右一本ずつの細紐で連結させ、遣い手が首をふり、頭を動かすことで人形の頭を操作する。手は人形の着物の袂の後ろから遣い手が手を入れ、人形の手を持ち、足は遣い手の膝頭の下に結びつける。
遣い手の身体への固定の仕方は、大阪では遣い手の二の腕の上部に人形をつけた腕金と呼ぶ碗曲した棒金具をひっかける腕金式が使われている。
乙女文楽の一人遣いは、人形と遣い手の動きがより一体化された形なので、女性ならではの感性が生かされ、しなやかな動きを創り出しているのが特徴、それが乙女文楽の美しさである。


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リポート&写真/ 渡邉雄二

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「社会人落語日本一決定戦」が10、11日の両日に池田で開催  特別興行「桂文枝・笑福亭鶴瓶のふたり会」も [伝統芸能]

今年の5月に大阪府池田市の佛日寺で落語会を開催した。高座に上がった落語家さんはすべてアマチュアの方たち。アマチュアの落語家さんの落語を生で聴くのは、その時が初めてだった。新鮮で初々しいのかと思っていたが、ところがどっこい、である。登壇していただいた3名の落語家さんは、プロをもしのぐ力量にビックリ。その3名は、池田市で毎年開催されている「社会人落語日本一決定戦」で日本一になった落語家さんやファイナリスト10名に入った経験をもつ方たちだった。


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池田市では、毎年「社会人落語日本一決定戦」が開催されている。今年は12月10日、11日の両日に予選会と決勝戦が行われる。まさに、アマチュア落語家のR1グランプリである。今年は、全国から295人の応募があり、事前審査が行われ通過した150名が当日に池田に集結し熱戦を繰り広げる。今年も予選会は市内の6カ所に分かれて行われ、翌日の11日の決勝戦(池田市民文化会館・アゼリアホール)に10名が進み、今年の社会人落語の日本一が決定する。

応募総数295通から選ばれた150人は、20代から80代のアマチュア落語家さんたちである。最高齢は大阪府の主婦で86歳の猪名川亭ゑふでさん。予選会に登壇される方々の職業をみると、公務員、教員、会社員、アナウンサー、農業従事者、ジャズシンガー、すし職人、鍼灸師、カメラマンなどなどさまざま。当日、池田は全国からの落語好きの「夢舞台」として盛り上がるだろう。


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10日の予選会は、どの会場も出入り自由で入場無料。会場10時30分、開演11時。興味がある方は、ぜひご来場ください。きっと おもしろおまっせ!

会場案内(予選会10日)
・池田市役所7階大会議場
・中央公民館
・駅前南会館
・市民活動交流センター
・西光寺
・落語みゅーじあむ

決勝戦11日(開場10時30分 開演11時)
・池田市民文化会館アゼリアホール
※決勝戦観戦には事前の指定席整理券が必要
※詳しいことは、落語みゅーじあむ 072-753-4440まで


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特別興行「桂文枝 & 笑福亭鶴瓶のふたり会」(開場16時 開演16時30分)
・池田市民文化会館アゼリアホール
※チケット料金 前売4,500円 当日5,000円 全席指定 前売り券完売の場合は、当日券はないそうです


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リポート&写真/ 渡邉雄二 パンフレット/ 池田市の同決定戦の公式パンフレット

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最初は、「祇園甲部歌舞会」の舞妓さんの華やかな舞姿 【八坂神社新嘗祭Ⅲ】 [伝統芸能]

11月23日に執り行われた八坂神社新嘗祭は午前の儀式や井上八千代氏の倭人奉納のあと、午後からは、祇園花街の4歌舞会の奉納舞踊があった。

まず、午後2時より舞殿に上がったのは「祇園甲部歌舞会」の舞妓さん。東山名所と紅葉売を披ろう。裾引きの舞妓さんならではの艶やかなで華やかな舞姿に観る人たちを虜にしていた。


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リポート&写真/ 渡邉雄二

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「壬生狂言」は仏の教えを無言劇で伝える  [伝統芸能]

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先日、京都・壬生寺に行ってきた。春の特別公開にあわせ「壬生狂言」が行われていた。
平成19年に、知人である友禅作家のあだち幸さんが本堂の障壁画と襖絵を奉納され、それを観に行って以来、この時期には壬生寺によく参拝させていただく。

この壬生寺は、お地蔵さんの寺院として有名である。我われには、やはり「新選組」のゆかりのあるお寺として印象が深い。そして、もう一つは「壬生狂言」。毎年、この時期と秋の2回開催されている。

このGWに本堂の「延命地蔵尊」参拝と、あだち幸さんの襖絵を拝見しそれに併せ狂言を鑑賞させていただいた。しかし、堪能できる知識を持ち合わせてないので、その舞台の雰囲気や演者の姿かたち、そして動きを観て楽しむ程度でしかない。鑑賞するたびに、次回はしっかり知識を蓄えてと思うのだけどなかなか実現していない。

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本堂


それで、「壬生狂言」というのはそもそもどんなものなのか理解が出来てないので、資料をもとに少し書いてみると、700年前の鎌倉時代に壬生寺を興隆した円覚上人が創始されたもののようだ。上人が「大念佛会(だいねんぶつえ)」という法会のときに、群衆を前にして最もわかりやすい方法で仏の教えを説こうと身ぶり手ぶりのパントマイム(無言劇)に仕組んだ持斎融通(じさいゆうづう)念佛というものが壬生狂言の始まりと伝えられている。
一般の能狂言とは異なるのが、かね・太鼓・笛の囃子に合わせ、すべての演者が仮面をつけ、一切「せりふ」を用いず無言で演じられる。娯楽的な演目の中にも勧善懲悪(かんぜんちょうあく)、因果応報の理を教える宗教劇としての性格をもっている。

昭和51年に国の重要無形民俗文化財として、京都府下では第一番に指定を受けている。また、狂言を演ずる大念佛堂(狂言堂)は、安政3年(1856)の再建で、綱わたりの芸をする「獣台(けものだい)」や鬼などが飛び込んで消える「飛び込み」などの装置を持つ、他に類例を見ない特異な建造物として、 昭和55年に国の重要文化財として指定されている。

13時開演ということで大念佛堂の観覧席に坐り第一演目を待った。その演目が「炮烙割(ほうらくわり)」。節分の際に素焼きの炮烙(茶道で灰を入れるお皿のようなもの)に家内安全を祈願するために名前などを書いて奉納。その炮烙を狂言で割ることで奉納者は厄除開運が得られる、というものである。それぞれの演目を公開する序曲のような演目がこの「炮烙割」である。割っている瞬間をニュースなどで紹介されている。

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炮烙割

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炮烙割で割れたお皿

そして二番目が「土蜘蛛」だった。これも壬生狂言の代表的な演目のひとつ。土蜘蛛が撒く糸の華やかさがこの演目の醍醐味である。
(いずれも数年前の映像(you tube)ではあるが紹介しているのでご参照してください。)
https://www.youtube.com/watch?v=R2CWxlR1OnA
https://www.youtube.com/watch?v=LzrQjeRh-Tc

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土蜘蛛


その後、本堂を拝覧した。中央に本尊「延命地蔵菩薩」が立ち、脇侍として右に掌善童子像、左に掌悪童子像があった。本堂を囲む障壁画や襖絵があだち幸さんの作品である。

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延命地蔵菩薩と、あだち幸氏の襖絵


リポート&写真/ 渡邉雄二 本堂内は印刷物を複写し掲載(あだち幸氏許諾)

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毎年、池田で「社会人落語日本一決定戦」を開催。落語で元気になる町 [伝統芸能]

年に一度、社会人落語日本一決定戦が大阪 池田市で開催されている。2019年は新型コロナ騒動で中止だったが、第13回目となる昨年は、12月11日、12日に予選会と決勝戦が行われた。
北海道から沖縄、そして海外からも計256通、年齢は20代から80代の幅広い年代層から応募が寄せられた。その中から事前審査を通過した154名が前日、市内6会場に分かれ予選会に臨み、10名が決勝戦への切符を勝ち取った。その翌日、最終決戦で第十三代目名人の座をかけた熱線が繰り広げられた。

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決勝戦は審査委員長に上方落語協会会長で大会の統括責任者である桂文枝氏をはじめ、審査委員には桂小文枝氏、イラストレーターの成瀬國晴氏、よせっぴ編集者の日高美恵氏の4人の厳しい審査が行われ、その結果、みごと名人の座を獲得したのが麹屋と太郎氏(東京)。準優勝が金木亭犀斗氏(福岡)、3位に天神亭珠緒氏(兵庫)が入った。

この社会人落語日本一決定戦は、平成21年、池田市制70周年事業として誕生した。社会人らしい落語をテーマに多種多様な職業の、幅広い年齢の老若男女が池田に集い熱演を繰り広げる、池田市あげてのイベントになっている。
池田市は、落語と縁の深い町として知られている。上方の古典落語の演目に「池田の猪買い」「池田の牛ほめ」「鬼の面」など落語の舞台にもなっている。筆者が好きだった故桂枝雀さんの落語にもよくこの3演目が登場していた。
また、初代・二代目桂春團治の碑が市内の寺に建立されていることや、桂文枝氏が池田市在住ということなどの所縁で落語と池田市が繋がり日本初の「池田落語みゅーじあむ」が平成19年にオープン。池田市は上方落語資料展示館として、上方落語のDVDやCD、図書などが展示され “落語のまち、笑いのまち、元気なまち” を目指している。

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リポート&写真/ 渡邉雄二 写真は昨年のパンフレットを複写掲載
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稀な落語家「笑福亭鶴瓶」の、人を魅了する力 [伝統芸能]

一昨日、久しぶりに大阪梅田の紀伊国屋に行った。入口を入り目に留まったのが落語家 笑福亭銀瓶さんのポスター。見ると「師弟」という書籍のPR。ご存じの方も多いと思うが、笑福亭銀瓶さんの師匠といえば、あの「笑福亭鶴瓶」さん。ポスターの前には少しながら平積みされていたので、ペラペラと捲ってみた。 “笑福亭鶴瓶からもらった言葉”、という副題がついていた。鶴瓶さんあっての銀瓶さん、そして他のお弟子さんも、そうである。それだけ鶴瓶さんの存在感が大きすぎる。師匠を越えての一人前というレッテルが張られている。銀瓶さんはその先陣を切って、師匠を踏み台に必死に頑張っている。師匠を越える日もそう遠くないような気もするが、さて。

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その笑福亭鶴瓶さんの落語を14年前に大阪松竹座で聴いたことがある。その時が、後にも先にも一回きり。その時の感想を書いた記事があるので、引っ張り出して転載した。

昨夜は大阪・松竹座に「鶴瓶のらくだ」を聞きに行ってきた。いや観に行ってきた、と言ったほうがいいかも知れない。                      
笑いぱなしの2時間半。観衆をひきつけ、笑いの渦に巻き込む才知はやはり並外れている。彼の話から想像するに生まれつきの天性のような気がする。天才の粋である。子供時代、高校時代、落語家の道を志し弟子入りした頃の話しを聞いているとまさにそう思う。

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ご存知の通り、鶴瓶さんは落語家。六代目・笑福亭松鶴さんに弟子入りして35年に、と言っていた。弟子入りして一度も稽古をしてもらったことがない、と笑いながら嘆いていた。                                 
その代わりテレビではタレントとして大活躍。誰もが知る全国の人気者。その彼が本格的に落語を始めたのが5年前から、と言って笑いをとった。
そのときから今回のような企画落語会「鶴瓶のらくだ」を練っていたという。福岡の嘉穂劇場を皮切りに8ヵ所21公演を見事やってのけた。東京は歌舞伎座で、最終公演は彼の生まれ育った大阪の地の「松竹座」を選んだ。落語会、また落語独演会などで歌舞伎座や松竹座で公演できるのは彼くらいだろう。
それもすべての公演が超満員になるほどの大盛況ぶりであった。

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その最終公演の初日を観た。納得の演出が施されている。さすがテレビという媒体で鍛え抜かれた技と企画力に感心。落語会ではあり得ない価格8500円に文句言う人は誰一人としていないだろう、と思うほど見事なものだった。テレビの延長線上にある演出だけど、テレビでは出せない “生” 舞台を披ろう。存分に人間「鶴瓶」を見せてくれた。

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時代劇は、刀に次ぐ「草鞋」が重要。小道具を重んじる巨匠 中島貞夫監督 [伝統芸能]

最近、漫画やアニメーション、ゲームなど新しい時代の時代劇が映画化され、若い人たちにも人気を博している。時代劇の復活として、年齢を問わず時代劇ファンは嬉しい。しかしながら、昭和に馴染んだ世代の者(私)には、いまの時代劇には少々馴染めないのも事実。
馴染めない一番の理由は、やはり「時代背景」にある。いまの時代劇は、時代背景はさほど重要ではない。見せる観点が違うからだ。やはり、時代感覚の違いだろう。いまの製作観点は、時代劇文化を生かしつつも、いまの「テクノロジー」をフルに活用したエンタテイメント性が何よりも重要なファクターである。

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我々の世代では、時代劇を観ることが嬉しくてたまらなかった記憶がある。そんな昭和世代が、ドキドキして時代劇を観る機会がほとんどなくなった。
そんな中、ドキドキする場面に立ち会うことがあった。その年の「京都国際映画祭」のヒヤリングで、時代劇の巨匠である「中島貞夫監督」の話を聞く機会があった。お会いするのは当然初めてである。時代劇、やくざ映画ファンとして中島作品観賞は欠かせない、という時代を過ごした。その巨匠が20年ぶりにメガホンをとるという。それに関してはまたの機会に紹介するとして、監督の熱い時代劇噺を聞かせていただいた。

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中島監督が時代劇をつくるとき、とくに気にすることが「小道具」だという。時代劇では小道具の代表が「刀」であるのは言うまでもない。刀の製作には監督の目が光る。そしてもう一つが「草鞋(わらじ)」。これにはびっくり。
草鞋は、その時代の履物で、侍や武士にとっては、いまの時代で言うならアスリートのシューズのようにモノ。旅に出る、闘いで走り回る場合の動きの時もすべて草鞋である。
時代劇等で使用する場合、当時の草鞋をできるだけ忠実に再現する必要があり、しかも動きの激しい立ち回りでは昔のままでは当然履物として機能しない。そこに小道具をつくる人たちの知恵と工夫がある。いいモノができれば、これが、時代劇をつくるものにとっての喜びにつながり、隠れた資産になっていくようだ。だから、小道具ながら草鞋への製作には特に注力するという。たかが草鞋 されど草鞋である。
見えないところへのこだわりがモノづくりの「価値」をさらに高めていくように、一流の監督の “一流たる所以” なのだろう。

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※この記事は2017年7月「心と体のなごみブログ」に掲載したものを加筆し転載
※リポート & 写真 / 渡邉雄二 トップ写真 / 中島貞夫監督作品画像を借用 ('19年20年ぶりのメガホンで、高良健吾主演の「多十郎殉愛記」)

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笑いまっせ! 桂あやめの「女三人組シリーズ」 [伝統芸能シリーズ追想]  [伝統芸能]

来年で、五代目桂文枝に入門して40年になる「桂あやめ」さん。上方落語協会の女性落語家として劇場やメディア等の第一線で活躍されている。もうかなり前になるが、学校公演で、女性ばかりの上方の伝統芸能に携わる演者の方たちの一人として登壇いただいたことがある。それを機会に、あやめさんの落語会に伺うようになった。

そのスタートが、10年近く前になるが、神戸朝日ホールで行われた独演会「あやめ開口三十周年~神戸モダン~」だった。とにかく "笑った、笑った"。久しぶりに笑わせてもらったことを記憶している。その時のことを綴った記事を少し加筆しまとめてみた。

あやめさんは、五代目桂文枝(当時は小文枝)に入門して30年。当時は、女性の落語家は珍しく華やかにデビューしたものの、落語のネタは男が語るように作られている。その筋道や所作も女性が演じるには少々無理があるとして考え付いたのが現代版落語(創作落語)の道である。

創作落語ネタ一筋に歩んできたあやめさんの開口三十周年独演会に、同じ兵庫県出身の兄弟子、桂文珍さんがゲストで登場。また開口一番として、若手期待のホープで、灘中灘高そして京都大学法学部卒業の異色の落語家、桂福丸さんがつとめた。

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あやめさんの最初の演題は「京阪神日常事変~神戸スペシャル」という内容のものだった。会場は笑いと拍手の渦。腹を抱えて笑った。
25年前作ったネタで、若い女性3人組のトーク噺。大阪女子、京都女子、そして神戸女子の3人が同じ関西人なのにこんなにも気質がちがうかというのをツッコミあうネタである。今回は、神戸女子目線で面白おかしくリメイクしたものを披ろう。
二番目の演目は、「あやめ版 平家物語」。平家を支えた女性3人が現代に生まれ変わって、その頃のことを思い出しながら面白おかしく喋りまくるネタで、これまた大爆笑。

ともに、あやめさんならでは創作落語である。男の世界で長年生き抜いてきた、その力は鍛錬以外なにものでもない。そして “桂あやめオリジナリティ” を完成させたことが40年という歴史をつくってきた。これからさらに円熟味を魅せてくれるだろうと思う。落語ファンとしては、陰ながら応援していきたいと思っている。

※この記事は2012年10月の「心と体のなごみブログ」に掲載し、それに加筆し転載。

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乙女文楽を文楽と比較し、見えてくるもの [伝統芸能]

前回に続き、乙女文楽をもう少し掘り下げて紹介しようと思っているが、そのためにはまず、人形浄瑠璃文楽との根本的な違いを少し説明させていただく。

ご存知、無形文化遺産の「人形浄瑠璃文楽」は、乙女文楽と異なるのが人形遣い演じ手の数。乙女文楽は一人遣いに対し、文楽は三人遣いで人形を操る。さらに、乙女文楽の人形遣いはその名のとおり女性、そして文楽は男性である。この二つが根本的に異なる。
文楽は、写真にあるように首(かしら)と右手を操作する主遣い(おもづかい)と左手を操る左遣い、そして足を操作する足遣いの三人構成で一体の人形を操作する。

乙女文楽は元々文楽から生まれたもので、文楽をより親しみやすくするために、昭和の初期に大阪で誕生。当時は、少女たちが楽しんでいた人形芝居で、現在は、見ての通り女性が一人で操作する伝統芸能として受け継がれている。

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乙女文楽は、一人遣い用に工夫された人形を身にまとい芝居を行う。生の身体の動きを、そのまま直接に人形の動きに置き換え動かす。人形の身体と遣い手の頭とに左右一本ずつの細紐で連結させ、遣い手が首をふり頭を動かすことで人形の頭を操作する。手は人形の着物の袂の後ろから遣い手が手を突っ込んで、人形の手を持ち、足は遣い手の膝頭の下に結びつけている。
遣い手の身体への固定の仕方は、大阪では遣い手の二の腕の上部に人形をつけた腕金と呼ぶ碗曲した棒金具をひっかける腕金式が使われている。

演目、演出、音楽は「文楽」と基本的には変わらない。しかし、操る技術面では、三人で操る文楽の繊細な動きに劣らぬ技術水準が求められ、遣い手が代々、切磋琢磨しながら現代に継承されてきた。
乙女文楽の一人遣いは、人形と遣い手の動きがより一体化された形なので、女性ならではの感性が生かされ、しなやかな動きを創り出しているのが特徴で、それが乙女文楽の美しさである。

改めて、乙女文楽の数々の演目をゆるりと鑑賞させていただきたくなる。

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遣い手の魂が人形に伝わる。【吉田光華 <乙女文楽Ⅰ>】 [伝統芸能]

先日、何十年ぶりに吉田光華さんの「乙女文楽」を鑑賞した。
久しぶりに巧妙な人形遣いを見て感動。
改めて乙女文楽の美しさを観た想いである。

乙女文楽は、女性が一人で人形を操るので、
人形と遣い手の動きが一体化される。
それにより、女性のしなやかで細やかな動きがそのまま人形に伝わる。
女性ならではの美の表現が人形から伝わってくる。

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