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至貴の聖地「伊弉諾神宮」を訪ねて。 [淡海シリーズ序章] [アスライト]

古事記や日本書紀には、淡路島 多賀にある「伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)」は、国生みに始まるすべての神功を果たされた伊弉諾大神が、御子神(みこがみ)なる天照大御神(あまてらすおおみかみ)に国家統治の大業を委譲され、最初にお生みになられた淡路島の多賀の地に「幽宮(かくりのみや、終焉の御住居)」を構えて余生を過ごされた。その御住居跡が御陵になり至貴の聖地として、最古の神社がこの「伊弉諾神宮」の起源と記されてある。

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この幽宮は、大鳥居から参道を進むと神池に反り石の神橋が架かり、檜皮葺の重厚な神門をくぐるとその奥に拝殿があり本殿がある。本殿には、皇室の御祖神たる天照大御神のご両親、伊弉諾尊と伊弉冉尊(いざなみのみこと)の両神が祀られている。

本殿は弊殿と屋根が連結されている、日本の神社建築様式の一つである「三間社流造(さんげんしゃながれづくり)」である。 拝殿は、東アジアの伝統的な屋根形式の「銅板葺入母屋造(どうばんあしいりもやづくり)」である。いずれにしても神門、拝殿、本殿の随所に日本の国章である菊花紋が施されている。皇室の御祖神の流れを汲んでいる神宮の一つになる。

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日本の神社は伝説や謂れの宝庫といってもいいだろう。想像を絶する不思議な世界へと誘われる。なぜ、この位置(場所)に建てられたか、また日本やその地域の誕生の起源なるものが神社と深く関わってくる。いずれにしても、とくにこの伊弉諾神宮は、神社、神宮の中でも至貴の聖地として尊ばれている。一度訪ねてみたかった神宮である。境内に立つとなんとなく空気が違うような気がした。たまにこのような場所を訪ねるのもいいものである。

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次回は、淡路島・多賀の伊弉諾神宮から、淡海(琵琶湖がある滋賀県)の多賀大社を紹介する。

※三間社流造/正面の柱が4本、柱間の間口が3間あるもの。平安時代前期の建立に見られる建築様式。

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すべてが手作業、職人技の粋。<おろし金製造・合田商店>  [アスライト]

大阪市住之江区にある合田商店が製造する「銅手打ちおろし金」を取材させていただいた。
取材は2回目であるが、今回は株式会社アスライトのYou Tube チャンネル用の動画撮影である。「これぞ! 職人技シリーズ」の第一弾として紹介させていただく。
その内容は、下記のアドレスから見ていただけるが、その前に少しだけ内容を紹介する。

合田商店は住宅地の一角で、自宅の一階が工場(鍛冶屋)になっている。ここで合田八郎さん(67歳)がひとりで “おろし金” と “玉子焼き機” を製造している。今回は、おろし金にスポットをあてた。
おろし金の製造は5つの工程から成り立っている。すべての工程が手作業であり、熟練された職人技が必要とされる。まず「地抜き」から始まり、「錫(すず)引き」、「研磨」、そして次がおろし金の命である「目立て」という作業。最後に「成形」を施し完成である。

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出来上がりまでの工程で、熟練作業の一つである「錫引き」は、100%に近い純錫を熱した銅板の上に乗せて溶かし全面に広げていく。その難しさは見ただけでもわかる。引いたあとは、気泡がたたないように丁寧に成らしていく。そして目立てをする前に、錫引きした部分を研磨する。
研磨がすむと、その錫引きしたところに目立てをする位置決めの線を引いていく。そして目立て作業に入る。

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台に置いたおろし金に、目立て用の釘のような小さな彫刻刃の頭を金槌で小刻みに叩いていく。叩いた反動で彫刻刃を持つ手が自然に移動する。そしてまた叩く。この繰り返しで目立てができおろし金の刃になる。均等割りで間隔が詰まった刃が浮き上がっていく。まさしく職人芸である。
おろし金は周知のとおり両面に刃が浮き上がり、荒目と細目がある。関西は表になる方が細目、裏が荒目。一方関東は、関西の逆になっている。こんな道具にまで違いがあるようだ。はっきりしたことはわからないが食文化の違いからそうなっているようだ。

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さらに驚かされたのが修理である。日本全国のプロの料理人から送られてくるようだ。たかがおろし金、されど・・・の領域を超えた逸品ということになる。見ると持つところにすべて刻印が押されてあった。何十年も使われている風格が滲み出ている。

さて、YouTubeは、下記のアドレスから視聴ください。
https://www.youtube.com/watch?v=-8AbsEpHcao

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「たねや」の壮大なユートピア計画が進む [アスライト]

20年前くらいから、日本の企業が企業理念等によく使っていた「自然と共生」というキーワードをよく耳にしていた。時代や社会の流れの中でこうった言葉が重宝されてきた。
しかしながら、各企業が本質的に自然と共生をめざして企業形成をしてきたかといえば首を傾げたくなる。いわば言葉だけが一人歩きしてきたような気がする。

そんな中で着実に「自然と共生」をめざし達成しようとする企業がある。
それは「株式会社たねや」という和菓子の製造小売業の会社だ。ご存知の人も多いと思うが、”和菓子のたねや”ある。食するものを扱う企業は、原材料が自然の恵みのモノを主としている。自然からの恩恵を享受している。自然の恵が何よりも貴重なモノになっているのは言うまでもない。

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その「たねや」の本社を訪ねた。本社は滋賀県近江八幡市の湖畔に近い山に囲まれた自然の中にある。見て(写真)のとおり、日本とは思えない建物、風景が広がる。ユニークな本社社屋を含む建造物、そして田んぼや畑という環境の中に一大 “たねやワールド”が形成されていた。

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その名称が「ラ コリーナ近江八幡」という。そのコンセプトが、資料によれば、「自然を愛し、自然に学び、人々が集う繋がりの場。これからの人と自然、共に生きる“いのち”の在り方を見つめいくステージ」ということである。ラ コリーナ近江八幡から世界へと発信していく壮大なユートピア計画が進行している。
そのユートピア計画の推進実行人は、もちろん株式会社たねや代表取締役の山本昌仁社長。いままでにない、これからの時代の新しい近江商人の生きざまやプライドをかけての一大プロジェクトのようだ。

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そのステージ形成は、山本社長のコンセプトをもとに、東大名誉教授で建築史家の藤森照信氏が独特のデザインの建築物や環境で成り立っている。

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このラ コリーナ近江八幡には、写真にある本社管理棟以外にショップやカフェ棟がある。その中は、広々とした吹き抜け空間の1階に和・洋菓子の売場。和菓子売場では、たねやの全商品を取り揃えるほか、職人がお客様の目の前でお菓子をつくる「できたて工房」が併設されている。
洋菓子売場は、クラブハリエ最大のバームクーヘン専門店になっている。また、2階のカフェでは自然を感じる開放的な空間で、焼きたてバームクーヘンを存分に味わえるなど「たねやワールド」が展開されている。

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ここが、想像を絶する会社兼店舗のランドスケープである。これほどまでに徹した自然との共生を実現している企業は、聞いたことがない。
近江から世界へ、をスローガンに、これからの時代に対応した企業戦略が近江から発信されようとしている。歴史を刻む中で、未来に向け「たねやユートピア」の幕開けであるかのようだ。

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