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雑穀は、日本食文化の原点 【伝統料理を楽しむⅦ」 [日本の食文化]

昨年から続いている「伝統料理を楽しむ」料理講習会は、参加していただいている方たちに好評を得ている。
今回で5回目、限られた人数で行っているので参加者もほぼ同じ顔ぶれ。和やかな雰囲気に包まれながらみんな笑顔で楽しめているのがサイコ~。

昨年の10月から魚のさばき方を中心にした料理実習がスタート。1回目は「さんま」を食材に、2回目は「しゃけ」と続き、3回目は保存食づくりに挑戦、オイルサーディン、アンチョビをつくった。
今年に入り、1月が「なにわの伝統野菜の講座」。実習なしで先生の講義と、講義を受けながら試食する講習会を行った。

そして先週、「雑穀」を食材にした講習だった。いままでの雑穀のイメージが覆させられるほどの内容であった。雑穀は、昔から主食のお米(白米)にあわせるだけの食材としてしか認識がなかった。この時代の健康ブームで「雑穀」がよく紹介されている。その健康食として大いに人気が高まっている。

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講習のスタートは、赤米、黒米、あわ、ひえ、きび、大麦、そばの実、たかきび、アマランサスなどを試食しながらそれぞれの特徴や使い方などを習った。
そのあと、先生が実際に雑穀を使ったレシピに基づき調理。レシピや調理方法を聞きながら一つ一つを試食。こんなにも雑穀がバラエティにとんだ料理に使えるのか、と思うほど。しかも栄養価が高い。料理ファンの間では人気がでるはず。

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手間を惜しまず暮らしを楽しむのには最高の食材である。大切にしたい日本の、暮らしの知恵や工夫を料理を通して学んだような気がする。
これぞ、日本の食文化である。大切にしたい、日本の財産である。

メニューとして

■赤米寿司(左端)

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■ハンバーグ

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■椎茸のおこわ詰め

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■雑穀炒め物

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■ポテトサラダ

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■雑穀サラダ

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■雑穀サラダ(ワイルドライス)

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この記事は、2009年2月「心と体のなごみブログ」に掲載したものをリライトし転載

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薬膳は万人受けする料理ではない。体質や季節に合わせ健康を食でサポートする [日本の食文化]

薬膳料理をひと言で語るのは筆舌に尽くしがたい。
筆者が知る限り、また補足できる情報を加味して言うならば、薬膳とは中医学理論(中国伝統医学)にもとづいて考案された、食材と中薬(生薬)と組合せた料理。栄養、効果、色、香り、味、形など、すべてのバランスが揃った食養生の方法ということになろう。
食養生とは、病気の予防と治療、健康保持、体質改善などを目的としており、その人の体質や体調に応じて栄養を考え調整することである。

薬膳料理は「この料理が効果的」といった万人受けするものという考え方ではなく、季節や食べる人の体調に合わせて作られる。冷え症が気になる人に体の熱を逃がす効果のある薬膳料理を組み合わせると、保温に必要な熱まで奪ってしまう可能性があるので体質に合っているとは言えない。同じ料理でも体質によって合う・合わないがあり、それを見極めて料理を作ることが大切だといわれている。


また季節に合わせた旬の食材を使うことで、気候に合った食材のパワーを体内に取り入れられるとも大事。そして冬の時期の旬の食材には体の中から温まる効果があるものが多く、春にかけてはさまざまな刺激から体を守ってくれる免疫力の高まる食材や苦みのある食材が多くなる。体質や季節に合わせて料理を行うことも、健康を食でサポートする「薬膳料理」の考え方である。

薬膳のトップ写真.jpg

薬膳は食べておいしさを楽しむだけの料理ではない。エネルギーを摂取するための食事とまた少し違いう。冷えや食欲不振など、その人がもつ体質自体を改善へ導くための食事が薬膳料理ということである。薬膳は生薬を使わなくても、体質に合った身近な食材を使うことで症状の緩和を目指すことができる。

日頃、料理するたびにこんなことを考えると、楽しい料理も好きな料理もそうでなくなってしまう恐れがある。やはり、日頃の生活のなかで作りやすいものでなければ続かない。
それで、今回暮らしの中で作れる薬膳料理の講習会を行った。
講師は、滋賀県大津市の「薬膳館」の館長さんである横田佳子さん。横田先生はもちろん
お料理の専門家であるが、 薬膳には欠かせない生薬の先生でもあり、 中国健康法の専門家である。

薬膳料理1.jpg

まず、五行説の話から始まり、上記記載の薬膳についての話を聞き、自然と食物のかかわりの大事さを改めて認識し、料理実習に入った。

メニューは下記のとおり
■黒い肉まん
材料は、白菜・黒きくらげ・干しエビ・干し椎茸・白ねぎ・豚ミンチ・生ピーナツ・葛根(かっこん)・小麦粉・ベーキングパウダー・黒粒胡麻・黒すり胡麻・水

薬膳料理2.jpg

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■黒米とたいそう(なつめ)のお粥
材料は、白米・黒米・黒餅粟・なつめ・黒砂糖

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■芹菜と銀耳のサラダ                              
材料は、芹菜・林檎・銀耳(きくらげ)・白ねぎ・塩・酢・サラダ油
の3種類です。

この季節は身体に良いとされる「黒」の料理ということである。
薬膳料理は体質に合わせて、使用する食材・調理方法を選ぶ。たとえば手足の冷えが気になっている人には、体を温める効果が優れている生姜。そして胃腸を温める効果のあるレンコン、鮭、大根などを組み合わせるのも良いとされている。
体調にあわせ、どんな食物が効果的なのかをまず知っておくことが肝心のようである。機会があれば是非勉強されることをお勧めする。

※この記事は、2005年11月の「心と体のなごみブログ」に掲載した内容をリライトし転載


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