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一枝の春 [煎茶文化塾「易社」]

仲春に咲く花、白梅。雨水の頃には紅梅が香る。梅は香りを楽しむ。

一方、桜は匂う。色映えを楽しむ花である。


昨夜の稽古では梅がテーマ。梅は中国の花、江南地域が原産地とされている。その地で詠われた詩がいまの世にも継がれている。


その詩は「一枝の春」。

                  

折花逢驛使 ひと枝折って 駅使に託す

寄與隴頭人 隴山(ロウザン)のふもとのあなたへ

江南無所有 江南に良きもの無し

聊贈一枝春 ただあるは「一枝の春」、いま贈らん。


作者は、江南地域に住む陸凱(リクガイ)という人。この詩だけで名が残っている人のようだ。北方にいる友人のもとに、何か贈り物をしたいが、何もない。そこで思いついたのが梅の花を折って、この詩とともに贈った。

それを「一枝の春」と表現した、といまに伝えられている。


そんな話を聞き、春の陽射しを心待ちにしながら煎茶を楽しませてもらった。


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