SSブログ
奈良の古刹めぐり ブログトップ

法隆寺「五重塔」の初層に涅槃の姿 【奈良の古刹をめぐる-法隆寺Ⅷ「五重塔」-】 [奈良の古刹めぐり]

IMG_4661.jpg



図鑑の写真をみて、そして実物をみる。さらにまた図鑑をながめる。
残念ながら実物は思うようにみることはできない。国宝クラスの文化財は一般公開しているとしても厳重な対策が講じられている。実物をじっくりみるなら国立博物館等で行われている寺院の冠展か国宝展で、ということなろう。

法隆寺の金堂内陣もそうであるが、五重塔も四方向から初層をのぞき込むことはできるが、目の前が金網で覆われ内陣がはっきりみえない。詳細は図鑑に頼るしかない。

五重塔は600年代の飛鳥時代に創建され、総高が34m弱で西院伽藍の金堂に並び法隆寺のシンボルである。初層の四面には塑土で須弥山や須弥壇を造り、塑土で造られた仏像を配している。いわゆる仏浄土や仏伝の一場面をあらわす塑壁(土で造られている空間)である。中国の六朝時代の名残なのであろう。

五重塔の四方のなかで、我々でもわかる場面としては北面の塑壁である。釈迦の死にのぞんで弟子たちが嘆き悲しむ涅槃像土(写真)が多数並んでいる。四つの場面は釈迦が説く大乗仏教を具体的に表した代表的な四場面といわれている。
五重塔の完成を機に、法隆寺ゆかりの聖徳太子を日本の釈迦として崇める太子信仰の具現化の前兆だった。

実際に観て理解するのは容易ではないが、図鑑による写真や解説でほんの少し仏教への興味が膨らむ。仏教を通し日本の歴史を学んでいるようだ。



IMG_5156.jpg

北面の塑壁 (涅槃塑像)



リポート&写真/ 渡邉雄二
写真(北面)/ 名宝日本の美術「法隆寺」(小学館)より
参考書籍/ 名宝日本の美術「法隆寺」(小学館)

#法隆寺 #五重塔 #飛鳥時代 #四方入口 #北面は涅槃塑像 #仏教を通し日本の歴史を学ぶ #聖徳太子 #奈良の古刹をめぐる

#尾道 #尾道観光 #尾道千光寺 #尾道観光大使 #仏画曼荼羅アート #佛日寺 #福泉寺 #渡邉雄二 #ライブインテリジェンスアカデミー

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

存在感を示す法隆寺の霹靂木 【奈良の古刹めぐりー法隆寺VIIー】 [奈良の古刹めぐり]

晩夏から初秋にかけ雷がよく発生する。天からの雷鳴と電光がはしる。電光が地上を突き刺す瞬間をたまに見ることがある。落雷の瞬間である。

落雷が木に落ちるといのはよく聞く。木が裂け抉れている映像をみる。むかしから落雷があった木を「霹靂木(へきれきぼく)」というらしい。この霹靂木から「晴天の霹靂」という言葉が生まれたのかも、定かではないが。
天からの光によって破壊された木にもかかわらず「霊木」といわれ神が宿る木の代名詞になった。

法隆寺を訪れた際に、中門の東側で長い時を経たと思われる巨木をがある。根元から幹が抉れている。いくつかの木が重なり捻れあい巨木に成長した跡が観てとれる。それでもまだ生き続けている。

「この木は樹齢500年くらいだと思うよ。観ての通り、中が抉られているでしょ、これは雷が落ちた跡」と、庭園を管理している人が繁々と眺める私に説明してくださった。

いまでは法隆寺の霹靂木として存在感を示し見守り続けている。


IMG_5112.JPG



IMG_5110.JPG



IMG_5111.JPG



リポート&写真/ 渡邉雄二

#奈良 #法隆寺 #古刹めぐり #老木 #楠木 #樹齢5百年 #霹靂木 #落雷 #霊木 #存在感を示す

#尾道 #尾道文化紀行 #尾道観光大使 #仏画曼荼羅アート #渡邉雄二 #ライブインテリジェンスアカデミー

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

白鳳文化の仏像造形が色濃く残る金堂内陣 【奈良の古刹めぐり―法隆寺Ⅵ-】 [奈良の古刹めぐり]

IMG_4537.jpg

金堂内陣 釈迦三尊像(中央/国宝)・薬師如来坐像 (右/国宝)・阿弥陀如来像(左/重文) すべて銅像



日本で最初に「世界文化遺産」に指定されたが法隆寺。ご存じ、法隆寺は聖徳太子が建立した斑鳩寺(いかるがでら)が、その前身であるとされている。西院伽藍の金堂と五重塔は、一直線に並ぶ堂塔配置ではなく東西に並ぶ伽藍形式で、その北側に大講堂が配置されている。すべてが国宝に指定されている堂塔である。

金堂の内陣には、須弥壇中央の中ノ間に「釈迦三尊像」が安置されている。釈迦如来像は座上に裳裾をひろげ結跏趺坐(けっかふざ/両足を組み合わせ、両腿の上に乗せる)、与願・施無畏(よがんせむい/手の形)の印を結んでいる。その左右の脇侍を配した一光三尊形式として現存する。東ノ間には「薬師如来像」、西ノ間には「阿弥陀如来像」がそれぞれ本尊として祀られている。
須弥壇の四方には内陣を守護するかのごとく木彫の四天王像(持国天立像・多聞天立像・広目天立像・増長天立像)が配されている。そして、釈迦三尊像の左右には、同じく木彫の毘沙門天立像と吉祥天立像が立っている。
内陣に安置されているこれらの仏像は阿弥陀如来坐像を除いて国宝に指定されている。

東ノ間の薬師如来坐像は、釈迦如来坐像と同じように与願・施無畏印を結び結跏趺坐し釈迦如来坐像とよく似ている。通常の薬師如来坐像とは少々異なるが中ノ間の釈迦像との違いといえば、頭部の螺髪がないくらい。本像は、古くは日光菩薩、月光菩薩の脇侍二体があったと伝えられているが、現在は脇侍の存在はない。
西ノ間の阿弥陀如来坐像は鎌倉時代に造立されたもので、新たに金堂に加わり三本像を形成した。

金堂に入って三本像の揃い組や四天王像や壁画を肉眼で見ようとしたが、薄暗いのと金網が張り巡らされ思うように観ることはできなかった。もちろん写真撮影も禁止である以上、金堂内陣の映像を刻むことはできなかった。
しかしながら、興味をもつ者には有難いことに図鑑がある。法隆寺金堂壁画と名宝日本の美術の両冊を眺めながら金堂内陣をじっくり拝見させてもらった。写真は、図書館で借りた図鑑で著作権制限期間が過ぎた書籍ということでコピーさせていただき掲載した。ご堪能あれ!


IMG_4987.jpg

中ノ間 釈迦三尊像(国宝) 左端が吉祥天立像 右側が毘沙門天立像(共に国宝)



IMG_4991.jpg

東ノ間 薬師如来坐像(国宝)



IMG_4995.jpg

西ノ間 阿弥陀如来坐像 (重文)



IMG_4994.jpg

四天王像の一つ増長天立像(国宝)



IMG_4990.jpg

四天王像の一つ持国天立像 (国宝)




リポート/ 渡邉雄二
写真素材/ 名宝日本の美術 第1巻「法隆寺」(発行:小学館 著者:大西修也)より
    
#法隆寺 #法隆寺探訪 #金堂 #斑鳩寺 #聖徳太子建立 #釈迦三尊像 #薬師如来坐像 #阿弥陀如来坐像 #四天王像 #金堂立体曼荼羅

#尾道 #尾道観光 #尾道千光寺 #尾道文化紀行 #尾道観光大使 #仏画曼荼羅アート #佛日寺 #福泉寺 #渡邉雄二 #心と体のなごみブログ #ライブインテリジェンスアカデミー

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

法隆寺はモノトーンが似合う [奈良の古刹めぐり]

法隆寺はモノトーンが似合う。

色を省けば時代や時も音も薄らぐ。


IMG_4616.jpg



IMG_4807.jpg



IMG_4639.jpg



IMG_4719.jpg



IMG_4688.jpg



#法隆寺
#モノトーンの法隆寺
#白と黒
#時も音も薄らぐ
#古都の風景

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

名刹の几帳に風雅なおもむき 【奈良の古刹めぐり―法隆寺Ⅴ-】 [奈良の古刹めぐり]

法隆寺中門の暖簾.JPG

                 中門の几帳 (四天王紋)


名刹の門でもよく見かける「のれん」。その寺院独自の紋様が描かれたものが多く正式には「几帳(きちょう)」という。

法隆寺では、まず南大門や中門に掛けられてあった。西院伽藍の金堂、五重塔、大講堂にもあった。目に留まった几帳に描かれた紋様は2種類だった。数種類あると聞くが、いつも掛けてあるのが日本最古の紋といわれている「四天王紋」。そしてもう一種が「鳳凰紋」だった。
四天王紋は、金堂に安置されている四天王像の一つ多聞天の光背の紋様がモチーフになっている。法隆寺のメインの紋様のようである。蓮華(ハス)の花が開いた形をしている。

なかなか目立たない存在であるが、その寺院の歴史や風雅を楽しめるかもしれない。


IMG_4603.jpg


IMG_4614.jpg

                    南大門 (四天王紋)


IMG_4670.jpg

                     鳳凰紋

IMG_4784.jpg

                   東門 (四天王紋)


IMG_4671.jpg
            五重塔 (四天王紋)


リポート&写真/ 渡邉雄二

#法隆寺 #古刹めぐり #のれん #几帳 #風雅に趣 #四天王紋 #鳳凰紋 #多聞天の光背 #蓮華

#尾道 #尾道観光 #尾道千光寺 #尾道文化紀行 #尾道観光大使 #仏画曼荼羅アート #佛日寺 #福泉寺 #渡邉雄二 #心と体のなごみブログ #ライブインテリジェンスアカデミー

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

最古の金剛力士像が睨みをきかす 【奈良の古刹めぐり―法隆寺Ⅳ「仁王像」-】 [奈良の古刹めぐり]

IMG_4616.jpg

南大門をくぐったところから中門を臨む



南大門をくぐると道の両側は土壁で囲まれているかのように広い参道が百メートルほど続く。その先に微かに見えるのが中門と五重塔。その中門の左右に配されているのが二体の金剛力士像。向かって左が黒色の吽形像、右が朱色の阿形像である。
この二体の金剛力士像は和銅4年 (711年)に、五重塔の内部に安置されている塑造(そぞう/粘土で作るもの)と共に作られた像で、共に3.8mほどの高さがある大型の塑造像である。

千数百年という年月、風雨にさらされ損傷は激しく何度か補修され、吽形の下半身は木造になっている。現在は、色がかなり落ちているが、阿形は赤く、吽形は黒く塗られていたようだ。金剛力士の立体的な像ではこの二体が最古のものである。
いずれも腰が外側に強く引いて上体をかがめ、さらに頭部を前に傾けた姿勢で中門に近づく者を睨み下ろしている。


IMG_4640.jpg

南大門両側に配される吽形像(左)と阿形像(右)



IMG_4641.jpg


IMG_4642.jpg


IMG_4643.jpg

阿形像



IMG_4645.jpg


IMG_4647.jpg


IMG_4649.jpg

吽形像



リポート&写真/ 渡邉雄二
参照文献/ 名宝日本の美術「法隆寺」

#飛鳥時代 #法隆寺 #南大門 #中門 #仁王像 #金剛力士像 #朱の吽形像 #黒の阿形像 #日本最古の仁王像 #塑像

#尾道 #尾道観光 #尾道千光寺 #尾道文化紀行 #尾道観光大使 #仏画曼荼羅アート #佛日寺 #福泉寺 #渡邉雄二 #心と体のなごみブログ #ライブインテリジェンスアカデミー


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

西院伽藍で夢幻の世界に佇む 【奈良の古刹めぐり―法隆寺Ⅲ】 [奈良の古刹めぐり]

久しぶりの法隆寺である。JR大阪駅から40分ほどで法隆寺駅に着いた。駅からバスに乗り7、8分で南大門前に。

南大門をくぐると遠くに五重塔が見える。中門の左側に大きな銘石があり、そこには「日本最初の世界文化遺産『法隆寺』」と彫られてあった。
「名宝日本の美術『法隆寺』」の大版書籍でなんども眺めた西院伽藍。実際に西院伽藍に立ち五重塔と金堂を望見したとき、千数百年もこうして残っている姿に圧倒され夢幻の世界にただ茫然と佇んでいた。
伽藍には金堂と五重塔が並び、その奥に大講堂、左に経蔵、右に鐘楼がある。周りは連子窓の回廊が囲んでいる。見るからに堅牢そのものである。

図鑑の写真のようにはいかないが、拙いスマホで撮った金堂と五重塔をご覧あれ


IMG_4602.jpg

南大門



IMG_4809.jpg

中門



IMG_4734.jpg

金堂と五重塔



リポート&写真/ 渡邉雄二

#法隆寺 #生駒郡斑鳩町 #南大門 #中門 #五重塔 #金堂 #大講堂 #日本最初の世界文化遺産 #夢幻の世界

#尾道 #尾道観光 #尾道千光寺 #尾道文化紀行 #尾道観光大使 #仏画曼荼羅アート #佛日寺 #福泉寺 #渡邉雄二 #心と体のなごみブログ #ライブインテリジェンスアカデミー

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

たどり着いた先が白鳳文化を築いた仏像や絵画 【奈良の古刹めぐり―法隆寺Ⅱ-】 [奈良の古刹めぐり]

【法隆寺Ⅰ】でも紹介したが、何気なく広げた名宝日本の美術「法隆寺」の見開き頁に、西院伽藍の金堂内の須弥壇の中央に「釈迦三尊像」、向かって右に「薬師如来坐像」、左に「阿弥陀如来坐像」、そして須弥壇の四方に天部四天王像が安置されていた。

今までに見た仏像と形姿や顔の造形が少し異なっていた。飛鳥時代の後期から奈良時代かけて渡来人や遣唐使などが伝えたアジアの仏像の造形が色濃く表れていた。仏教の影響を強く受けた白鳳文化を形成した。その代表的な仏像が薬師寺の「薬師三尊像」や法隆寺の「阿弥陀三尊像」など、また絵画でいえば法隆寺の「金堂壁画」である。

ご存じ法隆寺は、7世紀の初めに、聖徳太子が創建した寺院で、「金堂」や「五重塔」は、現存する世界最古の木造建築として有名。金堂の外陣の壁には、12面にわたって釈迦や阿弥陀がいる浄土の世界が描かれている。まさに仏画曼荼羅の世界が広がっている。

図書館から借りた大型図版の書籍に掲載されている仏像写真を見ながら心が躍った。いままでに見てきた仏像との違いが私でも解かるものだった。珍しさに加え、左右相称で体全体が細見に造られている。この時代の仏像は金銅製造ということもあり飛鳥時代から奈良時代に継がれてきた特徴のひとつで木像にない気品が現れている。

本物を鑑賞する前に大型図版の写真を見ては解説文を繰り返し読んでいる。まさに夏休みの読書感想文の宿題の様相を呈している。仏像を通して歴史をひも解いているかのようである。



IMG_4580.jpg

法隆寺金堂壁画(岩波書店)&名宝日本の美術「法隆寺」(小学館)



#法隆寺 #書籍でみる法隆寺 #名宝日本の美術 #小学館 #法隆寺金堂 #岩波新書 #白鳳文化 #白鳳美術

#尾道 #尾道観光 #尾道千光寺 #尾道文化紀行 #尾道観光大使 #仏画曼荼羅アート #佛日寺 #福泉寺 #渡邉雄二 #心と体のなごみブログ #ライブインテリジェンスアカデミー

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

まだ見ぬ「金堂内陣」を図鑑で愉しむ 【奈良の古刹めぐり―法隆寺1】 [奈良の古刹めぐり]

図書館で名宝日本の美術 第1巻「法隆寺」を開き、目を通していると五重塔と金堂がある「西院伽藍」の巻三つ折頁の写真が目に入った。写真見ながらこの光景をみた記憶はある。しかしながらいつだったかは全く記憶がない。

五重塔と並ぶ金堂の写真は圧巻。金堂内陣の壁画や本尊の釈迦三尊像、薬師如来、阿弥陀如来、そして四方を囲むように四天王像などの写真が、巻三つ折の西院伽藍の裏頁に載せられてあった。
これらの写真から京都の寺院などとは少々異なる仏像のように見える。如来像がすべて銅製のものなのでそう見えるのかもしれないが、飛鳥時代、奈良時代を彷彿させる仏像や壁画のようである。

この名宝図鑑に刺激され、奈良の古刹を巡って見たくなった。
「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」。子規が巡った古都もこれからの季節にぴったりかも。


IMG_4535.jpg




リポート/ 渡邉雄二
写真素材/ 名宝日本の美術 第1巻「法隆寺」(発行:小学館 著者:大西修也)より
     ※著作権制限期間が過ぎた書籍なので写真をコピー

#法隆寺 #奈良 #金堂 #五重塔 #西院伽藍 #金堂内陣 #釈迦三尊像 #薬師如来像 #阿弥陀如来像 #四天王像

#尾道 #尾道観光 #尾道千光寺 #尾道文化紀行 #尾道観光大使 #仏画曼荼羅アート #佛日寺 #福泉寺 #渡邉雄二 #心と体のなごみブログ #ライブインテリジェンスアカデミー

尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー
奈良の古刹めぐり ブログトップ