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あだち幸氏の、慈悲深い「不動明王三部作」が奉納される [あだち幸]

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手書き友禅染の独特の技法で仏画を描く、友禅画家のあだち幸さん(岡山県井原市)が先月の28日、広島県廿日市市宮島町の真言宗御室(おむろ)派大聖院に、「不動明王三部作」のひとつである、黄金の輝きを放つ不動明王を奉納した。

2019年10月には、不動明王三部作の「不動明王-Ⅱ」が修験道門跡の京都聖護院に奉納され、昨年の6月に「不動明王-Ⅰ」は世界遺産の京都・仁和寺に奉納されたことは紹介したが、それに続いて今回、「不動明王-Ⅲ」が宮島の大聖院(広島)への奉納が果たされた。


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あだち幸さんがこれらの大作不動明王を描くきっかけになったのは、2011年のあの東日本大震災。大震災による大災害や、それによる福島第一原発事故の悲惨な状況に心を痛め、“怒り”と“鎮魂”の強い思いを込め描き始めた。三部作ともご覧のとおり、何かに向かって踏み込んでいくような迫力がある。


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京都聖護院に奉納された不動明王-Ⅱ(高さ2.18m×幅2.25m)は、炎の中に包まれる不動明王の勇ましい顔に、頭の群青が澄み渡る青空のようにも透き通る海の色にも見えてくる。


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仁和寺に奉納された不動明王-Ⅰ(横4.8m×縦2.7m)の屏風画で、炎に包まれる不動明王がもつ剣と太陽が青で表現されている。大屏風の中から不動明王が、多くの痛みや苦しみを救ってくれるかのような慈悲の姿に見える。


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そして、不動明王-Ⅲ(横1.35m×縦2.7m)は軸装されている。群青の中に黄金の不動明王が浮き上がっている。勇ましい顔ではあるが、多くの喜びを享受することができる慈悲深い不動明王のように見えてくる。

不動明王の三部作の最後を飾った「不動明王-Ⅲ」の奉納式が5月28日に大聖院で行われ、吉田座主(仁和寺宗務総長)よりあだち幸さんに感謝状が贈られた。同作品は引き続き常設されている。これらの三部作は各寺院で一般公開されているので、ご高覧ください。

リポート/ 渡邉雄二 写真/ あだち幸仏画工房

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