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間違いが故事に。「漱石枕流(そうせきちんりゅう)」 【一茶庵 稽古追想】 [文人趣味 煎茶シリーズ]

お軸(写真)に、このような詩が書かれていた。

幾日霜風木葉乾,湖山深處水雲寬
閒情每向無人得,落日孤亭枕石寒

風や霜がおり木の葉は乾き、
深い山、湖に雲が広がる。
この広いところに人の気配はない、
日が暮れひっそりとした小屋で石の枕が寒々しい。

この詩から想像すると、旅人が野宿に立ち寄ったのか、あるいは誰か寂しく隠棲しているか。どちらにしてもその情景が浮かんでくる。

漱石枕流1.jpeg

中国の故事に、「漱石枕流(そうせきちんりゅう)」という熟語がある。この意味は、自分の失敗を認めず、屁理屈を並べ言い逃れをすること。負け惜しみの強いこと。という意味である。
この言葉は、三国志に登場する西晋の政治家である孫楚が間違って、「枕石漱流」というべきことを「漱石枕流」と言い、間違えを認めず屁理屈を並べて言い逃れたことから、この「漱石枕流」がそのまま故事として使われるようになった。

ご存知、夏目漱石は、この故事を引用し、雅号とした。漱石自身も、名前につけるくらいこの故事が気にいっていたことになる。つまり、漱石自身も頑固で屁理屈が好きな人だったのかと想像してしまう。

煎茶の淹れ方の基本である、水から茶葉を煮る「煮茶法 」、湯から茶葉を煮る「烹茶法」、そしてその中間の「中煮法」がある。
それぞれの淹れ方で、秋月の輝きと美しさを想い浮かべながら夜長を楽しんだ。

漱石枕流2.jpeg

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「自娯」の心が、煎茶を絶妙にする。 [文人趣味 煎茶シリーズ]

数年前に、一茶庵宗家の佃一輝宗匠からいただいた「おいしいお茶 9つの秘伝(佃一輝 著書)」を読み返す機会があった。著書の冒頭トビラに下記のようなことが書かれていた。

お茶のうまさは、 葉と湯と間から生まれる。

おいしいお茶をいれるには、茶葉を選び、水とその温度をうかがい、
何よりも、間が大切である。これに良き器が加われば、完璧となる。
「煎茶三絶」ともいうべき、極意と
自分で愉しみ、自分を楽しむ「自娯(じご)」の心が、煎茶を絶妙にする。

稽古のときに、宗匠がよくいわれる言葉である。
改めて、心に沁みる。
[文人趣味 煎茶シリーズ1]

大阪 船場周辺の「東横堀川水辺再生協議会(通称/e-よこ会)」の逍遥イベントが行われています。
その一つのイベントとして「一茶庵 易社」も参加し、2回目の煎茶講座を下記のとおり行いますので、お気軽に参加ください。
新茶を楽しめる講座です。
まだまだお席がありますので、ぜひ一緒に楽しんでみませんか。

■日時/  6月6日日(共に火曜日) 午後7時~9時
■場所/  一茶庵(大阪市中央区大手通1-1-1)
■お問い合わせ・予約/一茶庵易社事務局 渡邉まで(090-3658-7804) ipc@wa2.so-net.ne.jp
■費用/  3,500円

佃一輝.jpg

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