SSブログ
仏像と仏師 ブログトップ

いまの生活スタイルにあわせ 【土御門仏所Ⅱ】 [仏像と仏師]

仏師、三浦耀山氏の工房を訪ねた際に、壁にこのような可愛らしい仏像彫刻作品が飾られていた。飾り物としてのものかと思いきや、壁に沿って下には、お輪にりん棒とお線香皿が台上に置かれていた。すべてを取っ払った仏壇ということのようだ。台上に写真を飾れば、毎日お参りができる。

仏像としては、家に伝わる信仰宗派の本尊、亡き人の信仰本尊、好きだった仏像などを飾れば毎日の祈りの対象になる。
今ではいろんな生活スタイルがあるのと同じで、こういう形もあってもおかしくない。


三浦2.jpg


リポート&写真/ 渡邉雄二

尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

三浦耀山、仏師への一歩 【土御門仏所 Ⅰ】 [仏像と仏師]

三浦5.jpg


土御門仏所(つちみかどぶっしょ)の代表である三浦耀山(みうらようざん)さん。前回紹介してから少し時間が経つが、改めて写真を通し仏師としての姿を紹介したいと思う。すべてを一度に紹介するのは少々無理があるので何回かに分けて記載していく。その第一弾が、「耀山、仏師への一歩」と題して紹介する。

仏師は特殊な職業のジャンルになるのだろうか。彫刻の中でも仏像を彫る専門家であり、新しい仏像を造ることはもとより、仏像を修復することも大きな仕事である。やはり一般職とはかなり違う、特殊な仕事ということになる。
手に技術を身につけたいという若い人の職人願望が増えている(数年前の大学就職アンケート調査)。その中でも将来、仏師になりたいという若い人の中で女性の増加が目立つ。芸術系大学や伝統工芸・工科大学等で仏像彫刻を学ぶ学生が増えていることから、将来「仏師」を職業にしたいと希望者が増加しても不思議ではない。現実に、随所で女性仏師の活躍を知ることが多くなった。

ただ、これらの職種は典型的な技術優先の分野で、プロフェッショナルとして生きていくためには莫大の時間が要する。いまの時代でいう即戦力という言葉は当てはまらない。必要な能力は時間をかけ努力を惜しまず技術を磨き高めるしかない。匠の技術を身につけるためには、昔からよく10年はかかるといわれている。その時間と環境や状況などに耐えられるかどうかが大きなカギになってくる。

今回、紹介する三浦耀山さんが学生時代に学んだのは、仏像制作の世界とは真逆ともいえる政治経済の分野。それも長きにわたり日本国内の私立大学文系学部における最難関に位置づけられている早稲田大学の政治経済学部を卒業。偏見に満ちた表現になるかもしれないが、なぜ、仏師の道へと進んだのかを聞きたくなる。
そのキッカケになったのは、ある一冊の本だったという。その一冊が「見仏記 (みうらじゅん氏といとうこうせつ氏共著)」だったそうである。大学卒業しサラリーマンになったが、仏像の魅力に傾倒する自分をみて、自分の道はこれしかないということで、25歳の年に一念発起し仏師の世界へ飛び込んだ。滋賀県大津市の大仏師 渡邊勢山師のもとに弟子入りした。内弟子期間を含め13年間にわたり仏師の修行を積み、2012年に独立。京都の古い町家を工房に改装し仏所を開いた。


三浦10.jpg

見仏記.jpg
2017年には「新TV見仏記」という番組で
みうらじゅん氏といとうせいこうせつ氏が工房を訪ねる。三浦耀山氏FBより転載


古くから仏師は、仏所の名称に工房がある通名や地名を使っていたことから、耀山さんは自分の工房が上京区土御門町という地名なので、それにあやかり「土御門仏所」という名前に。京都ならではの格式のある仏所名に気が引き締まる思いだった、と開所当時を振り返った。

十数年前に、私が渡邊勢山師の工房を訪れた際に、何人かおられたお弟子さんの一人として活躍されていた。それが最初の出会いだった。つづく


リポート&写真/ 渡邊雄二・三浦耀山氏のFBより転載

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー
仏像と仏師 ブログトップ