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“耀山にして この仏像あり” シリーズ 1 [文化想造塾<仏像/勢山>]

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仏師 三浦耀山さん。この方との出会いは20年近く前になろうか。
比良山麓にある仏所「勢山社」の代表であり大仏師・渡邊勢山師の内弟子として13年間にわたり仏師としての修行をされてきた。それから勢山社で何度かお目にかかっている。

その三浦さんと、2週間前にお会いする機会があった。十数年ぶりの再会だった。それまでは、随所で仏師としての活躍がメディアとかネットを通して伝わっていた。独立され自分の仏所を京都に構え仏像製作や修復の仕事で活躍されている。

「土御門仏所(つちみかどぶっしょ)」という屋号で開所され10年が経つ。工房を訪ね、むかし話などに華が咲いた。

詳しくは随時紹介していく予定。 “ 耀山にして この仏像あり ” という印象だった。


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             仏像教室の生徒さんたちの作品

リポート&写真/ 渡邉雄二

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尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/

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「縁(えにし)の仏像」が、慰霊仏として後世に伝える。 [文化想造塾<仏像/勢山>]

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昨夜、帰宅して新聞を読んでいると、「被災の寺へ ご本尊再び」という見出が目に入った。写真を見ると、ノミをもっている方の顔に見覚えがあり、本文を読むと、親しくさせていただいている大仏師、渡邊勢山師のお弟子さんだった。

記事によると、東日本大震災の津波で本堂などが失われた岩手県大槌町の寺に仏像を奉納する取り組みを埼玉県の彫刻家と、渡邊さんのお弟子さん、三浦耀山さんが進めている、という内容のもの。

彫刻家の加藤魏山さんが、昨年の7月、「縁(えにし)」と名づけた活動を始め、多くの方に呼びかけて賛同者が集まりスタートした。

仏師の三浦さんのご両親の実家が、宮城県の東松島と石巻市で津波に流されれ、何人もの親戚が亡くなった。犠牲者の慰霊のためにも、被災した寺に仏像を納めようと思い立った。

奉納されるのは「釈迦如来坐像」(高さ1.6メートル)。加藤さんと三浦さんがそれぞれ交代で彫り進めている。3年後の完成を目指している、と記事で紹介されていた。

「縁の仏像」は、大槌町の江岸寺で犠牲者の慰霊仏として、後世に伝える仏様として大きな役割を果たす。


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誰でも彫れる「くらしの中の仏さま」ワークショップ開催。文化想造塾<仏像> [文化想造塾<仏像/勢山>]

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JR近江舞子駅から車で10分ほど走ったところに、比良山系の釈迦岳の山麓に「勢山社」としいう工房がある。渡邊勢山仏師の仕事場である。

昨日、勢山社でお地蔵さまを彫る体験会に参加してきた。誰にでも彫れる「くらしの中の仏さま」というものタイトルで行われた。前からやってみたかったワークショップである。先生は、この勢山社の代表であり、大仏師の渡邊勢山師である。

作業開始にあたり、まず工房の2階で現在制作中の一丈六尺(高さ4m近い)阿弥陀如来坐像の制作工程を見学、そして900年ほど前に作られた仏像の修復について、さらに、仏像に使用される木についての情報を聞かせてもらった。

そして、今回の本題である手のひらサイズの仏さまを彫る作業を開始。手のひらにのるほどの小さな角材(檜)に鉛筆で仏様の輪郭が書かれていて、それに沿って削っていく。

削って、削って仏さまを彫っていく。角を取り、お顔、お身体のふくらみを付けていく。この作業の難しさを痛感しながら、先生の教えのもと約3時間くらいかかってやっと荒削り(写真)のところまで辿りついた。今回のワークショップの作業はここまでである。

仕上げは、持ち帰っての作業になる。いまは手垢が着いているので、これからは手袋を付けて丁寧に仕上げていくのだが、さてさて出来上がるものか不安である。

現状は、お顔の輪郭が浮かび上がっている程度であるが、手のひらに置いてお顔を眺めているだけでも、気持ちが穏やかになっていく。不思議である。

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大仏師の指導で、お地蔵さんづくりにチャレンジ!! [文化想造塾<仏像/勢山>]

先日からご案内しているお地蔵さんの彫刻体験と工房見学、渡邉勢山師のお話などのセミナーイベントが、今月25日(日)に迫ってきた。

今回は、ミクシィやブログ等で紹介したので、関東、中部、九州など遠方からもご参加いただくことになっている。当初は、参加していただけるのかと心配していたが、ありがたいことに声を掛けていただいた。

工房は、びわ湖畔、比良山の麓という自然に囲まれたところにあるので、心も体もリフレッシュしていただけると思っている。

参加してみたいという方がおられたら、ぜひ、声を掛けてください。
内容は下記の通りです。

文化想造塾【仏像彫刻】
仏像彫刻のワークショップです。滋賀県大津市・近江舞子にある「勢山社」の工房で行います。この勢山社の代表で、日本の最高峰の仏師として活動されて渡邊勢山氏の指導で手のひらサイズの仏様(地蔵さん)を彫る講座です。彫った仏様(先生が仕上げ)は、お持ち帰りいただき、自身の御守本尊にしていただく彫刻体験会です。貴重な仏像彫刻体験会ですので、ぜひ、ご参加ください。

■タイトル/大仏師の指導で自身の仏様を彫ろう ! 
■日時(集合)/9月25日(日) 午後12時 JR湖西線「近江舞子」駅に集合
■内容/仏像に使用する木の解説
    現在顕造中の数々の仏像(一丈六尺サイズも)や、また修復中の仏像の見学、解説。
    大仏師の指導で、自身の仏様を彫る。(手のひらサイズの地蔵様)
    工房のテラスにて、琵琶湖を一望しながら昼食(お弁当)を食べ      る。
■講師/渡邊勢山師 (大仏師 勢山社代表)
1974年、大佛師 松久朋琳・宗琳の内弟子となる。京都佛像彫刻研究所入所。1985年に独立し、京都伏見区醍醐に「勢山社 佛像造顕所」を設立。総高12尺五大明王像を手始めに創作活動に入る。1988年に、鎌倉 光明寺別院、総高9尺の 阿弥陀如来坐像他、五尊像の制作。浄土宗 大本山光明寺より「大佛師」号拝受する。1992年に近江舞子に第二工房を建設し、33尺、10メートル級の大作が常時制作可能となる。その後、各お寺から「大仏師」の称号を受ける。
http://www.butuzo.com/busshi/index_h.html

■参加料/20,000円(講習会・仏像彫刻体験・仏様持ち帰り・教科書(今年発刊)・お弁当お茶など含む)
■人数/5名以上
もし、最低人数5名が集まらない場合は、次回に延期されます。ご了承ください。締め切りは9月17日(土)といたします。18日以降に、ご予約いただいている方たちにはお知らせ いたします。

仏像彫刻の紹介ブログ
http://nagomian.blog.so-net.ne.jp/2011-07-19 (写真)
http://nagomian.blog.so-net.ne.jp/2010-03-17 (京都・建仁寺での講習会)


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可愛らしいお地蔵さんを彫る講座。<文化想造塾/仏像彫刻> [文化想造塾<仏像/勢山>]

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9月25日に滋賀・近江舞子にある勢山社工房で仏さんを彫る講座をする。仏さんを彫る、といっても初心者向けなので、手のひらにのるくらいの小さな可愛らしいお地蔵さんである。

工程は、まず小さな檜の角材に下絵を書く。正面、側面に鉛筆で下書きする。
そして「木取り」といって、彫刻刃で不要な部分を削りとっていく作業。「荒彫り」に入る前に、削りとって消えた下絵を再度書き入れていく。
そして「荒彫り」。下絵に沿って削っていく。丸みを出しながら各部位の不要な部分を削りとる。ある程度、お地蔵さんの形が見え始めたら、細部にわたって丁寧に彫刻刃で仕上げていく。

作業工程を文字で書いたら、この程度ですんでしまう。石膏で造られている見本があるので、思うよりはスムースに彫れるような気がする。

今回は、初めから最後までの工程をすべてしていたら時間が足らないので、荒削りまでしてあるものを、「小作り」し仕上げていく。3時間くらいの作業で、パンフの表紙にあるくらいのお地蔵さん(希望)に仕上がると思う。

詳しくは下記でアドレスで検索してください。
http://nagomian.blog.so-net.ne.jp/2011-08-06
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仏像に姿を変える木には、仏様が宿る。<文化想造塾/仏像彫刻>シリーズⅡ [文化想造塾<仏像/勢山>]

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仏像の命は、「木」。千年も生き続ける仏像を造るのには木の生命力をに頼るしかない。そんなことを仏師・渡邊勢山師から聞いたことがある。

木の中で仏像に適している木は、有用樹木の種類が600くらいある中で10種類もないと言われている。

仏像に姿を変える木の条件は、まず第一に未来永劫の命ある素材であること。それには強靭であること、恒久性、耐久性に優れていること。そして虫になどに対して強いということ。さらに木の持つ品位や美観といった要素もなくてはならないものらしい。

それらの条件をクリアする木としてあげられるのが、「白檀」、「桂」、「桐」、「楠」、「欅」、そして「檜」などである。その中でもやはり「檜」は最高峰の木である。檜の中でも仏像として使える檜は、また極々一部になるという。

樹齢300年から500年もので、仏像用に育てられた木を使う。それを伐採してから5年は海水につけて水中乾燥させる。そして製材して陸上乾燥する。伐採して10年くらい寝かし、始めて使える木になるわけである。長い長い年月を経て強靭な耐久性ある用材に仕上げていく。これが仏像造りの基礎となる。

よく言われることに木には神様が宿る、と。特別に育てられた木が、「御霊木」、「御神木」といわれ、伊勢神宮などに使われている。仏像も同じことである。仏様が宿る木を育てていくのである。

勢山師が言われたことに「例えば樹齢350年の檜を使用するなら、乾燥に10年、製作に2年、あわせて362年の製作期間がかかったと思うようにしています。神様が350年、私が2年の役割分担です。神様が受けもつ時間が圧倒的に長いので尊重せざる得ないのです。尊重せずに、人間の力を誇示すると割れたり、曲がったりと罰があたるのです」と。

重くて深い言葉である。山にも海にも、どこにも神様はいるという。特に山の神様は木の中に宿って精霊木として我われと一緒に生き、護り続けていることになる。その中でも社寺仏閣は精霊木がどこよりも多く使われている。さらにその象徴になる仏像には神様(仏様)が宿る、といわれている。

だから、仏像を彫る、という表現よりは木の中から仏様を探す、という表現が正しい、と勢山師はいう。確かに、形にこだわると本質が見えなくなるのと同じかも知れない。


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佛像を通して、想像する千年の時空。シリーズⅠ<文化想造塾/仏像彫刻> [文化想造塾<仏像/勢山>]

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文化想造塾では、9月25日の日曜日、滋賀・比良山系の釈迦岳の麓にある勢山社近江舞子工房で、大仏師 渡邊勢山師プロデュースの"時空の旅「御佛(地蔵)を彫る」"を開講。

3年前、奈良の當麻寺で「仏画講座」を開講! と書かれていた情報誌を見て興味をもち参加したのが、仏像に関心をもつきっかけとなった。そのとき仏画を指導しておられたのが、大仏師の渡邊勢山師だった。

仏画講座が終わったあと、ご縁があり話をする機会に恵まれた。小生の興味の塊が解き放たれるかのような突込みが、勢山師のお喋り好きに火がつけた。その中で、刻みこまれた言葉がある。

「今までの千年を振り返り、これからの千年を考えてー」という言葉。その言葉は、仏師の深い言霊に聞こえた。そのとき勢山師は、當麻寺中之坊の重要文化財の仏像の修復を兼ねての来山であったためか話題が広がった。

千年前に顕造された仏像を修復し、これからさらに千年の世を見届ける佛様を復元する役割をもつ仏師の言葉が、いまも小生の心に響き続けている。過去から未来への橋渡しをしている仏師は、その時空を佛像を通して考えている。

2千年の時空は、想像しようにも想像できるわけでもない。時を経て、時代とともに生き続けてきたものに触れたり、そして見たりすることで、ほんの少し歴史をかいま見る程度である。さらに未来が想像できるわけでもないが、我われは子孫に継いで、よき未来を期待するしかない。もし、生まれ変われるものなら、そのときを楽しみにしている。

冒頭に佛像を彫るとあるが、彫ったこともない我々が佛像(佛様)を彫る、というのはあまりにもおこがましい気がしてならない。小さな木片から、それぞれの佛様を見つけ出す作業をさせていただく体験・見学会なのである。

■関心のある方は、http://nagomian.blog.so-net.ne.jp/2011-08-06
リンクしてみてください。

■お問い合わせ/TEL 090-3658-7804 ipc@wa2.so-net.ne.jp

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勢山社を訪ねてー。 [文化想造塾<仏像/勢山>]

昨日、滋賀県・比良山釈迦岳の麓にある大仏師・渡邊勢山氏の工房「勢山社」を訪ねた。
現在、造顕中の仏像から、修復しているものまで、見せていただいた。今回は、まず見て楽しんでいただこうと写真を掲載しました。(無断転載は禁じています)

造顕中の丈六佛(一丈六尺)「阿弥陀如来坐像」
荒削が終わり、これから形・位置などの微妙な調整をし仕上げに入るところ。、そして漆を塗り、金箔を張る。
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無理言って、筆者が仏師風(?)に如来様に寄り添ってみた。
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見てください、如来様の横姿。なんと肩からのラインが艶やかで色っぽいこと。
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如来様の背中にしがみつきたい。この背中の安心感。この背中にゾクゾク!
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昨年に納佛された一丈八尺の千手観音像の原型
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渡邊勢山氏・渡邊載方氏・お弟子さんの作品(原型含)
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1000年近く前に彫られた仏像の修復。(正面の後面)
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仏像に使われる木材の種類。(白檀・桐・桂・楠・欅・檜) 300年から500年かけて仏像用に育てる。
仏像造りには木選びが何よりも大事と言われている。渡邊勢山氏は山に入り木を自らが選び切り出す。
勢山さんがよく言われる。「祈りとともに歩んだ 千年前の仏像 千年の未来を託す 新生の仏像」がある。
「千年もつ仏像を造るには、やはり木が命です」と。
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いま、修復している仏像の中から出てきた「寛永通宝」と「釘」。
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工房の4階は、琵琶湖を一望するギャラリー
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