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漢詩は、想像の世界へ誘う。 [煎茶文化塾「易社」]

お軸には「苗稼盡干農田」と書かれている。

北宋時代の政治家で知識人として知られていた王陽脩(おうようしゅう)の漢詩の一節である。


昨夜の稽古は久しぶりに正座だった。順番にお点前をするわけだが、正座が苦手な小生は脂汗が額に浮かぶ。

なんで今夜は正座なんだろう、と巡らしてもわからない。老湯で淹れるお茶は味が薄い、しかもキレがない。しかし、物足らなさが情感にふれる。


この詩は、田植えを済ませ農地は稲で青々としている、と訳した。この情景は一面に広がる 田圃である。となると、われわれのいる場所も田圃の畦の広場。作業の合間の一服でお茶を飲んでいる、ということになる。


この詩の意味は穏やかな情景が浮かぶが、漢詩というのはいろんな意味に解釈ができる。

"盡(尽)"は尽くすと読むが尽きるという意味もある。意味としては真逆になる。

王陽脩は詠む側の意味に反し、政治家として皇帝に国の尽き果てた状況を切々としたためた上申書だったのである。


散々たる国情を老湯に例え煎茶の奥深さを楽しませてもらった。


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