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停雲思親友也。友を想う! [煎茶文化塾「易社」]

残念ながら、今週の稽古は伺えなかった。

稽古に行く前にいつもながら頭を巡らすことがある。それは、どんなお軸がかけられているのだろうか。またどんなお茶が楽しめるのだろうか、と。


今週は、稽古仲間から写真を送ってもらった。お茶は、氷水で淹れる玉露。玉露は喉を下るほどの量はない。口の中にキレのある玉露独特の味が広がる。夏の夜に、ひとりで想いにふけるのには堪らない。


その想いに合わせたかのような、このお軸。

中国 東寧の山々の景色が描かれている。山裾の川で釣り糸を垂れ釣りに興じる姿が見てとれる。

そこで、想いを起すのが、陶淵明の「停雲」の詩である。


停雲思親友也 

樽湛新醪園列初栄 

願言不従歎息弥襟


という一節がある。

雲たちこめて懐かしき友を思う 樽には新酒が満ち庭の花は咲きそめている 君と会い語ろうと思うが叶わない、ため息で胸がいっぱいだ…

という訳になる。


停雲靄靄 時雨濛濛 八表同昏 平陸成江 有酒有酒 閒飲東窓 願言懐人 舟車靡従


たちこむる雲は靄靄(あいあい) 春の雨は濛濛(もうもう) 八方すべて暗く 平地は川となって水があふれる 酒がある、酒があるではないか 東の窓にもたれてゆったりと杯を傾ける 友と旧交を温めたいと願っても (この雨は)舟も車も止まってしまっているだろう


これらの詩が今週の稽古の題目だったようだ。遠くの友がどうしているだろう、と思いを馳せるが、この雨では会いにいくのもままならない。その心情を詠んでいる。

この度の日本各地にもたらした豪雨を連想させる。

爽やかな冷たい玉露が、苦く渋い味に一変してしまいそう。


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