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初冬に想う。雁が音の渋さが染みる 【一茶庵稽古追想】 [文化想造塾<易社/煎茶>]

白鷺5.jpg

湯冷ましを雁が音(茶葉)にかからないようにゆっくりと注ぐ。1煎目のまろやかさが、2煎目には渋さが増し少し引き締まる。そして3煎目はキレが抜けていく。

昨夜の稽古のお題は、李白の「白鷺鷥(はくろじ)」。漢詩や墨絵に登場する白鷺は「男」を比喩する。それも美しい男性の代名詞である。今回のこの漢詩は、李白が友人の男性の悲哀を詠んだものとされている。

白鷺1.jpg

白鷺拳一足  
‏月明秋水寒 ‏
‏人驚遠飛去  ‏
‏直向使君灘
  ‏
[現代訳]
片足で立つ白い鷺
‏月は明るく 秋の川の流れは冷たい
‏人影に驚き 白鷺は遠くへ飛び去り
‏まっすぐに 使君灘へ向かっていく

そしてもう一句

白鷺下秋水  
孤飛如墜霜  
心閑且未去  
独立沙洲旁  

[現代訳]
白鷺が秋の水におりてくる。
1羽で飛ぶさまは、霜がおちてくるみたい。
心をしずめてしばらく立ち去らない。
ひとりで砂の中洲のそばに立っている。

白鷺3.jpg

冬到来に、男の悲哀を感じさせられる。そして、雁が音の渋さが心に染みる。

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