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福禄の神を迎え入れて、平和な一年に  【一茶庵稽古追想】 [文化想造塾<易社/煎茶>]

節分祭 八坂神社2019.jpg


今日は「節分」。冬と春の分かれる節目の日である。
「寒さあけて春に入る日」といいたいが、寒中に震える日々に加えコロナウィルス(オミクロン株)が猛威ばく進中である。

以前、煎茶稽古で「節分」が題目として取り上げられたことがあった。
そのときに掛けてあったお軸は、鬼が逃げ出していく姿のものだった。そして横のボードには唐の詩人姚合(ようごう)が詠んだ「晦日送窮(みそかそうきゅう)」が書かれていた。

節分+.jpg


中国ではその昔、大晦日や正月晦日に「送窮」とか「送窮鬼」という家の中の貧乏神を送り出し、福禄の神を迎えて一年の幸福と安寧を祈る行事があったようだ。
古い時代の話ではあるが、大阪の金持ちの家でも「貧乏神送り」といって毎月晦日に焼き味噌を二つ作って家中をもってまわって、家にある災厄を焼き味噌につけ川に流す風習があったという。
いまの節分の「鬼は外 福は内」の原型のような風習なのかもしれない。

晦日送窮

年年到此日   毎年この日になれば
瀝酒拜街中   酒をそそいで、街中で拝んでいる
萬戸千門看   どこの家でも
無人不送窮   貧乏神を送り出さない人は無い

送窮窮不去   貧乏神を送り出しても、貧乏神は去ってくれない
相泥欲何爲   私になじんでしまって、どうしようとするのだ
今日官家宅   私もお役人になったのだから、
淹留又幾何   この家に居座っていられるのも、もうちょっとだ

古人皆恨別   昔の人は皆んな別れを恨んだが
此別恨消魂   この別れにはがっかりしない
只是空相送   でもこれは空しく送り出すだけ
年年不出門   毎年お前はこの門から出て行かないのだから

中国神話伝説大事典より引用

令和四年の春の始まりである。穏やかな春の訪れにとともに福禄の神を迎え、平和な一年になることを祈って。

長田神社節分祭転用.jpg

リポート&写真/ 渡邉雄二・ネット画像より 場所/ 文人会一茶庵 Reported & Photos by Yuji Watanabe
※トップの写真は2018年に八坂神社で撮影したもの               
※下段の写真は、数年前の神戸長田神社で撮影されたものをネットより転載
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