壽量院に伝わる精進料理は、まさに日本のおもてなしの料理。文化想造塾<壽量> [文化想造塾<壽量/]
昨日の日曜日はあいにく朝から雨になった。
参議院選挙の投票は後回しに、ライブインテリジェンスアカデミーの「文化想造塾<壽量>-精進料理を愉しむ-」講座を行った。
姫路の書写山ロープウエー乗り場に11時30分に集合、雨に濡れる書写山に上がった。雨のせいか人出は少ない。ロープウエーを降り圓教寺大講堂までの道程で、最初の塔頭が今回の訪問する「壽量院」である。
前にも日記で紹介したが、この壽量院は圓教寺の迎賓館の役割を果たすお寺である。ご存知の方も多いと思うが、圓教寺はあのハリウッド映画ライトサムライのロケ地になったところ。
壽量院は国重要文化財の一つで、当時全国から集まる高僧や公家の宿にもなり、おもてなしをする場所として栄えたお寺である。その役割としてその当時の接客用の精進料理がいまに伝わったといわれている。
精進料理といえば一汁一菜。というイメージがある。僧の日頃の食事を精進料理と思い込んでいた。一方、写真にあるようなこのような料理も当然ながら精進料理である。正確には精進本膳料理というらしい。
今回、愉しませていただいた精進料理はまさにおもてなしのもの。第一膳、第二膳、第三膳が目の前に並んだ。膳に入りきれないお品もその都度運ばれてきた。食前酒の梅酒を入れると全部で19品。
それはそれは見栄えも味も見事である。書写塗の赤い膳や器が勢ぞろい。大事なお客様には赤い器が使われる、という。その器に旬の野菜類が色とりどりに添えられている。
一品ずつの説明はまたの機会にして、この壽量院に伝わる、500年前に書かれたといわれている古文書で伝承されている精進料理を堪能させていただいた。手間にかけられた作り手の思いが見事に表現されている。
これぞ、おもてなし料理の最高傑作。霞かかる山々、雨に濡れる木々を眺めながらいただく食事は俗の世界を忘れさせてくれる。
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