SSブログ

「壬生狂言」も歴史の事象の証。 [伝統芸能]

昨日、京都・壬生寺に行ってきた。いま本堂公開にあわせ「壬生狂言」が行われていた。
平成19年に、知人である友禅作家のあだち幸さんが本堂の障壁画と襖絵を奉納された際に観る機会があった。そして8年ぶりに再び壬生寺訪問が実現した。

壬生狂言を鑑賞するのは、たしか40年前になろうか。残念ながらそのときの観た内容や演目も記憶に残っていない。いまも狂言についての知識などないにも関わらず久しぶりということもあって楽しみにした。

「壬生狂言」というのはそもそもどんなものなのかも理解が出来てないので、資料をもとに少し書いてみると、700年前の鎌倉時代に壬生寺を興隆した円覚上人が創始された。上人が「大念佛会(だいねんぶつえ)」という法会のときに群衆を前にして最もわかりやすい方法で仏の教えを説こうと身ぶり手ぶりのパントマイム(無言劇)に仕組んだ持斎融通(じさいゆうづう)念佛を考えついた。これが壬生狂言の始まりと伝えられている。しかし、一般の能狂言とは異なり、かね・太鼓・笛の囃子に合わせ、すべての演者が仮面をつけ、一切「せりふ」を用いず無言で演じられる。娯楽的な演目の中にも勧善懲悪、因果応報の理を教える宗教劇としての性格をもっている。
近年は民俗文化財としての評価が高まり、昭和51年に国の重要無形民俗文化財として、京都府下では第一番に指定を受けた。また、狂言を演ずる大念佛堂(狂言堂)は、安政3年(1856)の再建ですが、綱わたりの芸をする「獣台(けものだい)」や鬼などが飛び込んで消える「飛び込み」などの装置を持つ、他に類例を見ない特異な建造物として、 昭和55年に国の重要文化財として指定されている。

といったことが資料にあった。1時30分開演ということで大念佛堂の観覧席に坐り第一演目を待った。その演目が「炮烙割(ほうらくわり)」。節分の際に素焼きの炮烙(茶道で灰を入れるお皿のようなもの)に家内安全を祈願するために名前などを書いて奉納。その炮烙を狂言で割ることで奉納者は厄除開運が得られる、というものである。それぞれの演目を公開する序曲のような演目がこの「炮烙割」である。割っている瞬間をよくニュースなどで見たことがある。
そして二番目が「土蜘蛛」だった。これも壬生狂言ではで代表的な演目のひとつ。土蜘蛛が撒く糸の華やかさがこの演目の醍醐味である。
(いずれも映像(you tube)で紹介しているのでご参照してください。)
https://www.youtube.com/watch?v=R2CWxlR1OnA
https://www.youtube.com/watch?v=LzrQjeRh-Tc

その後、本堂を拝覧した。中央に本尊「延命地蔵菩薩」が立ち、脇侍として右に掌善童子像、左に掌悪童子像があった。本堂を囲む障壁画や襖絵があだち幸さんの作品である。

ここ壬生寺にも歴史の証としていまの世に、次の世に伝えられる貴重なものをが豊富だった。

壬生1.JPG
壬生3.JPG
あだち.jpg
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0