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エントランスが美術館を象徴 【大阪〈藤田美術館〉シリーズ-Ⅱ-】 [日本の文化芸術]

明治初期から大阪で土木建築事業や鉱山業などで財を成した藤田傳三郎氏の網島御殿の蔵がのちに美術館へ。日本の文化芸術をこよなく愛した傳三郎氏は日本の美術品が海外に流出するのを惜しみ数々の美術品(国宝指定されたもの含む)を収集してきた。

1954年に藤田美術館が開館され、2017年に新しい美術館の建設に向け閉鎖。60数年の長い美術館ストーリーを築いてきた。そして昨年の4月1日に新しい美術館として生まれ変わり誕生した。
5年前に政府からこれからの美術館のあり方について「リーディング・ミュージアム(先進美術館)」構想が発信された。その構想をベースにして建造されたのが藤田美術館といっても過言ではない。この構想の中身については門外漢には分かりにくいが、美術館ファンからすれば間違いなく一歩先を進むこれからの美術館の姿を提案している。私のような旧態のシステムに慣れ親しんでいるオールドファンには少々ドギマギすることも。


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写真を見ればよく分かるが、とにかくエントランスが広い。美術館とは思えないこのスペースには驚かされる。入口を入ると正面に漆黒の鉄製のトビラが見える。藤田家の蔵のトビラをリユースしたものを展示室への入口に。チケットを購入する窓口が見当たらない。案内所のようなところもいっさいない。
フロアーの右にオープンキッチンを思わせるカウンターコーナーがあり、数人の女性が何やら忙しく動いている。まるでオシャレなカフェのようだ。左に目を向けると、奥には座敷のようなものが設置されている。広いホールにはいくつか椅子とテーブルが設置され休憩できるようになっている。

このエントランスだけを見ても美術館という既成概念がなくなっている。展示室の入口だろうと思われる黒いトビラの方へ行くと、黒の制服をきたスタッフが近寄ってくる。展示室に入られますか? という挨拶からするとエントランススペースだけで過ごす人たちもいるということだ。入場は可能な限りキャッシュレスで行っている。カード類での決済でキャッシュレス美術館をめざしているようだ。それも立ち話のスタイルでカードを差し出し、簡単に決済される。そのあと、スタッフにより大きなトビラが開かれ展示室の中へ。暗ら!

鑑賞し終えたあと、再びエントランスへ戻るとスタッフに声かけられた。 “いかがでしたか? と。その会話のついでに、あのオープンキッチンのようなところはなんですか? と質問してみた。抹茶をたて皆さんにお出ししています、という。ワンコイン(500円)で抹茶と団子のセットがいただける。若い女性スタッフが作家ものの茶碗でお茶を点てる。美術館で美術品鑑賞以外にもこのようなおもてなしが受けられる。それだけを目的にくる若いカップルも多いという。


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また、エントランスの奥の座敷では舞や能のイベントなども行っているという。日本文化をこよなく愛した藤田傳三郎氏の思いがこんなところにも反映されている。日本の文化を先進的な環境やシステムで楽しませる、まさにリーディング・ミュージアムの魁になっている。


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リポート&写真/ 渡邉雄二 写真/ 藤田美術館のネット画像より転載

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尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/

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