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雪村、悟りを開いた「釈迦」を描く 【藤田美術館シリーズ-Ⅲ-】 [日本の文化芸術]

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カードで決済を済ませたあと、スタッフから各作品の解説がスマホで聞けます、という案内があった。QRコードを読み込めばそれだけでOK。イヤホンを持っていたので作品の前に立ち、スマホに読み込んだ各作品の情報をタップすれば解説が流れてくる。このような操作が得意でない私でも便利機能に助けられ作品を堪能した。

トビラを入った瞬間、「暗ら」という心の声が発せられた。我われ世代(私だけかも)では見えにくい展示室というのが第一印象だった。まず、最初の作品の前に行くと作品にスポットの光があたり耳に作品の音声ガイドが流れる。作品に集中できる雰囲気づくりの演出だったようだ。

展示作品にテーマが掲げられてあった。「緑」「僧」「輝」「装」の4つで、「装」は3月からということであった。テーマによって少し期間が異なる展示スタイルのようである。作品すべてがスマホに限り撮影(フラッシュなし)が可能である。但しガラス張りではあるが、不思議と光の屈折なしで撮影ができる。

すべての作品を紹介したいが、知識が乏しいので何点かに絞って掲載しようと思っている。その第一弾が「僧」をテーマにした作品群の中で、室町時代の後期に活躍した画僧・雪村(せっそん)が描いた「中釈迦左右梅竹図」という三幅対の掛軸。中央幅には釈迦が描かれ、左には曲がりながら鋭く上へ伸びる「竹」、右には「梅」、そして中央幅には釈迦が描かれている。
解説によると、雪村が描いている釈迦は悟りをひらいた姿を描いていると言われている。それは、頭頂部の盛り上がりや、白毫(びゃくごう)と呼ばれる眉間の白い毛、足の甲が高くなっているなど、また、衣が粗放で太い墨線で表現されるのに対し顔は繊細な線で表されている。

悟りを開いたあとに、体にいくつかの悟りの特徴が現れるといわれている。これは古代歴史の中で伝え継がれているものらしい。その真意は全く分からないが、雪村は強調して悟り釈迦を描いている。
鋭く天に伸びる竹に梅を両幅に釈迦の凛々しい姿を描きたかったのだろう、と勝手に推測している。リアリティあふれる釈迦の姿に親しみを覚える。心に残る三幅対の作品であった。


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リポート&写真/ 渡邉雄二

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