円熟した芸に、見事に応えた5歳の太郎冠者 [伝統芸能]
七夕の午後、「萬狂言 大阪公演」を大阪能楽会館に観に行った。
萬狂言を率いるのが和泉流狂言師で人間国宝の「野村萬」氏。日本を代表する狂言師の一人として、日本の正統派狂言を確立した人である。
その萬狂言の関西支部の支部長として活動しているのが小笠原匡氏。彼は野村萬氏の直弟子。東京出身の彼が10年前にここ大阪に住み根を下ろし、萬狂言関西支部の土台をしっかりと築いている。
その10年の節目として行われた大阪公演では、関西にゆかりのある演目を披露。
大名を演ずる野村萬の「蚊相撲」。
大小の鼓と笛の饗宴 素囃子「男舞」。
名絵師を演じる小笠原匡の「金岡」。
小笠原匡の長男、5歳の弘晃クンが太郎冠者を演じる「しびり」。
大阪公演フルキャストによる「茸(くさびら)」。
実に楽しい狂言をみせていただいた。
私が言うのもおこがましいが、その中でも特に野村萬氏の円熟した芸は、すべてがそぎ落とされている。
そしてもう一つ印象に残ったのが、舞台の隅で微動だにしない小笠原匡氏の厳しい目。それは野村萬氏と掛け合いする5歳のご子息「弘晃クン」への眼差しである。
弘晃くんは、親の厳しい眼差しに見事に応えた。
観客席からの拍手はひときわ大きかった。
写真は上から大阪能楽会館の外観の壁に彫ってある石造。そして内観
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