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大阪の、不滅の証 『綿業会館』から学ぶ。e-よこソーシャルカレッジ [e-よこソーシャルカレッジ]

大阪の、大阪たる所以を見せていただいた。
先週の4日(土)、午前中の木津市場のオープン式典を終え足早に「e-よこソーシャルカレッジ」に駆けつけた。
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今年度の第一回目のカレッジである。昨年の10月から始まり、今回で7回目になる。
今回の講師は、大正銀行前取締役社長で、現株式会社みどり会取締役社長の「石川芳男氏」を迎え、『綿業会館と大大阪時代』と『昨今の金融の諸問題』の2つのテーマでお話いただいた。

石川氏は生粋のバンカーである。三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)の銀行マンとしていろんな時代を経験されている。そして数年前まで地方銀行のトップを歴任、そして現在は銀行系の人材派遣などの会社の社長さん。

銀行マンでありながら、経財界を通しての歴史の語り部でもある。
石川氏は綿業倶楽部の経済界メンバーなので、今回の会館の見学が実現した。

会館は、昭和3年に倶楽部として創立され、6年に会館が竣工。当時は大大阪を支えたのが「紡績」である。当時の東洋紡績の専務、故岡常夫氏の夫人から日本の綿業の発展に、ということで当時のお金で100万円が寄付され、それに関係業界から50万円が加えられ会館建設が実現した。

かつての紡績業界の繁栄をいまに伝える綿業会館の設計者は渡辺節氏。ヘッドドラフトマンには、あの村野藤吾氏が担当した、とのこと。名実ともに戦前の日本の近代美術建築の傑作といわれている建物である。

各部屋には、その当時の建築技術の粋を集め、各部屋の窓には鋼鉄ワイヤー入りの耐火ガラスを使用していたため戦火を免れた。
デザインの素晴らしさだけではなく、設備においても先駆的な試みが随所に。ダクトも太く建物に内蔵され、井戸水による冷風送気を施し、地下室には将来を見据えて冷暖房設備のスペースをとっておいた、ともいわれている。

すべてが素晴らしいのは、建築のど素人の私にもわかる。その中でとくに目に留まったのが照明。シャンデリアである。荘厳なるシャンデリアもさることながら、各部屋にある照明にあの裸電球が円形をなして飾られていた。それはデザイン的にも見事な形状をなしている。シャンデリアに勝るとも劣らない輝きを照らしていた。

昭和の大阪を支えた繊維の、その力を改めて思い起こさせてくれた。
大阪のエネルギーが随所でくずぶり続けている。このエネルギーがまとまって噴出すことを祈る。きっと、世界に、この「大阪力」を見せるのもそう遠くないはず。

私の拙い文章では語るに技がない。見ていただくのに限る。その機会をまた作りたいと思う。
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