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肉弾戦車は自分をよく知っている。だから、自分を信じられる。 [文化想造塾【逸品殿堂】]

河口正史。彼に会って久しぶり心が高ぶった。
この名前、聞いたことがある。知っている。という人がいたら、かなりのアメフトマニアだろう。

1994年、立命館大学(パンサーズ)を、天才QBと呼ばれた東野稔らと共に初の甲子園ボウル優勝に貢献。そういえば、なんとなく覚えている、という人もいるかも知れない。
大学卒業後、NFLヨーロッパへ参戦。アムステルダム・アドミラルズのラインバッカーとしてプレー、3年目には「オールNFLヨーロッパ」に選出される。このときに、スポーツ紙は大きく取り上げた。

アメフトの聖地、アメリカでプレーすることを目標に、その途上としてヨーロッパを転戦した。そして、2002年、2003年、NFLのサンフランシスコ・フォーティナイナーズのキャンプに招集された。
このとき、日本のスポーツ紙は一斉に日本初の本場NFLの選手になれるか!と報じた。しかしながら、開幕ロースターには残れなかった。2002年8月4日に大阪ドームで開催されたプレシーズンマッチNFL OSAKA 2002(サンフランシスコ・フォーティナイナーズ対ワシントン・レッドスキンズ戦)で、スペシャルチームのメンバーとして数プレーに出場。日本人で初めてNFLプレシーズンマッチに出場した選手となった。

2003年秋以降はXリーグ西地区のアサヒ飲料チャレンジャーズに所属。2007年シーズンは主将を務めた。2008年シーズンはポジションをセイフティに変更。社会人リーグ西地区優勝に貢献。2008年シーズンを最後に現役引退。

引退して、関西の大学のヘッドコーチに就いた。そのとき、アメフトは戦術のスポーツということに改めて気づいた。選手をどう動かすかはコーチが決める。楽しくておもしろいスポーツだ、とコーチの立場になって初めて見えてくるものが山ほどあった、という。

昨日、その河口氏に会った。今回で2回目であるが、1時間ほど熱く語ってくれた。
熱く語る中で、彼の生き方が見えてくる。「変人」。「自閉症」。この言葉がよく出てくる。いい意味で自分がそうだから、という。海外で一流といわれるスポーツ選手の中で闘ってきた体験がそういわせるのだろう。

負けたくない。自分を信じる。楽しい。考え込む。練習する。などなどの言葉が、カラダに染み付いているように見えてくる。ぶっとい腕、ぶ厚い胸部。盛り上がる肩肉。これでも、現役のときに比べたら、半分くらい落ちた、と言った瞬間、ほんのちょっと寂しそうな顔をした。別れ際に、彼はこうも言った。昔のことは、もう覚えていない。とにかくいまやっていることがめちゃ楽しくて仕方ない、と。

筋肉と一緒で、使い果たすとまた再生する。そのときに新しいより弾力性にとんだ筋肉が生まれてくる。そうするためには努力は惜しまない。とにかく内に向く。内に向いて積み込んだ爆弾を外に発射する。そして自分を信じて前に進む。
そんな人間戦車と、8月に公で対談することになっている。楽しみである。
だか
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