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東寺の二つの顔。真言密教と真言宗。 [文化想造塾[曼荼羅絵図]]

東寺は、平安京鎮護のため嵯峨天皇が弘法大師 空海に下賜したお寺である。
その空海が唐から持ち帰った真言密教を、この東寺で開示した。

真言密教は「大日如来」が本尊。にもかかわらず、何故、東寺の本尊が「薬師如来」なのだろうか、と疑問をもつ。

修行場としての講堂には、真言密教の本尊である「大日如来像」を中心に、如来、菩薩、明王、天部の21体の仏像が安置され立体曼荼羅で悟りの世界を現している。
本堂である金堂には、東寺の本尊「薬師如来像」を中央に、右に日光菩薩、左に月光菩薩が鎮座している。

金堂と講堂では異なる仏像がある。少し違和感を覚えるが、それは、密教が日本で本格的に普及し始める前から「雑密」という形で薬師如来は人気があったようである。
当時、病気の苦しみから救ってくれる現世利益として多くの人の心の支えとなっていたようだ。いまのように医療の無い時代には、薬師如来の御利益は絶大なる希望の薬だった。
それに加え、空海自身も薬師如来を個人的に好んだと言われている。そのために、真言宗の本尊にしたのではという説がまことしやかに伝わっている。
ということで、ご存じのとおり、高野山 金剛峰寺の本尊が薬師如来である。

どの宗派に関わらず、時勢や、寺の目指す方向によってメーンキャラクターとして仏像を選択したということのようである。

写真は、写真集「東寺のみほとけ」と「pinterest」より転載
大日如来.JPG

薬師如来.JPG

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