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狩野光信の蟠龍図の龍が睨みをきかす。「龍をたずねて―」シリーズⅢ ―相国寺― [伝統文化]

京都御所の北の門、今出川御門の前の通りを北へ行くと相国寺がある。正式名称は萬年山相國承天禅寺(まんねんざんしょうこくじょうてんぜんじ)という。十四世紀末、室町幕府三代将軍の足利義満により創建された禅寺。境内には本山相国寺をはじめ、十三の塔頭寺院と、山外塔頭に鹿苑寺(金閣寺)、慈照寺(銀閣寺)、真如寺がある。さらに、全国に百カ寺の末寺を擁する巨大禅寺である。
相国寺.jpg

余談であるが、京都の禅宗系には五山之制というものがある。京都五山の寺格を表すものらしい。その第一位が天龍寺、第二位が相国寺になっている。ちなみに第三位が建仁寺、そして東福寺、万寿寺と続く。では、あの南禅寺は?というと「寺格五山之上」ということらしい。つまり、最上級位にあたる禅寺になる。

さて、本題の相国寺の天井画は蟠龍図である。慶長10年(1605)相国寺の法堂が創建されたときに、安土桃山時代の狩野派総師、狩野光信によって描かれたものである。本図は、円相内に龍の全容をくっきりと描き出されていて、彩色も綺麗に残っている。しかしながら、円相外に雲が描かれていたようだが、剥落し、今は僅しか残っていない。
堂内中央付近で手をたたくと、天井に反響してカラカラという音が返ってくるので、別名「鳴き龍」ともよばれている。訪れた折にはぜひ手をたたき楽しんでいただくのもよい。
※蟠龍図は、雲龍図の中の双龍図、蒼龍図のひとつで、とぐろを巻き天に昇らない龍を描いた図
相国寺龍.jpg

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