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艶容な国宝十一面観音像の立ち姿。【淡海シリーズⅢ】 [淡海シリーズ]

彦根で用事を済ませ、その足で、長浜市の向源寺に行ってきた。以前から行ってみたいと思っていたお寺である。観音堂に安置されている国宝「十一面観世音菩薩像」を見るために。
日本には十一面観音像はたくさんあるが、国宝に指定されているのは全国でわずか7体だけ。その一つが向源寺の観音様である。ちなみに国宝指定されている十一面観音像は、室生寺、法華寺、聖林寺(以上奈良)、道明寺(大阪)、観音寺(京都)、六波羅蜜寺(京都)、そしてここ向源寺。
高源寺.jpg

その中でも向源寺の十一面観音像は、日本彫刻史における最高傑作といわれているものである。
観音像は、聖武天皇の勅願により、白山信仰の祖である泰澄大師が彫ったといわれている。戦国時代に織田信長と浅井長政による姉川の戦いで、堂宇は焼失したが、観音様だけは、住職と門徒たちにより土に埋められて守られた。その場所が表示されていた。
十一5.JPG

十一面観世音菩薩は、頭上に十または十一の小面をもち、十一の観音の働きを一身に具現したものである。この十一面観音像は、見てのとおり(写真)、頭の上にある菩薩相と後頭部に暴悪大笑相なるお顔が掘られてあるのが特徴。密教像特有のインドの仏像の感じを伝えていると言われている。日本ではこのような十一面観音像は少ない。
十一7.JPG

どの十一面観音像は立像がほとんどで、その立ち姿は美しい。よく見ると、腰がほんの少しくねっている。このくねりが十一面観音像の艶姿をさらに際立たせている。

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