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湖東三山、西明寺の国宝、本堂と三重塔の重さ。【淡海シリーズⅣ】 [淡海シリーズ]

滋賀県は、京都、奈良に並ぶ文化財の宝庫である。淡海(琵琶湖)の水脈と水路は都を支え、都からの移動の拠点であったこと。さらに西に比叡山や、東に岐阜、石川にまたがる日本の名山といわれる白山の信仰を受けた場所として淡海の周辺に数々の文化が育まれた。
とくに、湖東には平安時代、鎌倉時代、室町時代に建造された寺院が至る所にある。その中でも鈴鹿山脈の連山のなかに「湖東三山」のひとつが龍應山西明寺(りゅうおうざんさいみょうじ)は、鎌倉時代の初期に建立された由緒ある寺院である。

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国宝に指定されている本堂は、屋根が檜皮葺きで、蟇股(かえるまた/和様建築で,梁や頭貫 ( かしらぬき) 上にあって上の荷重を支えるもの/カエルが脚を開いたときの形)等、鎌倉時代の建築様式が保存されている。本堂の前に立って眺めていると歴史の重みと時代の移ろいを感じる。本堂内は、残念ながら見ることはできなかったが、本尊薬師如来立像(重文/平安時代)、十二神将など多数の仏像が安置されている。

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国宝の三重塔は鎌倉時代後期に建立され、本堂と同じく釘を使ってない純和様建築。パンフレットによれば、内部には大日如来座像があり、堂内一面には脇侍仏として三十二菩薩、法華経の図解が岩絵具で極彩色に描かれている。これらは鎌倉時代の壁画としては国内唯一のものとされている。
さらに目を惹いたのが庭園「蓬萊庭」。薬師如来、日光・月光菩薩の三尊仏を現す立石や、十二神将を現す石組みがあり、また心字池には折り鶴の形をした鶴島と亀の形をした亀島がある。コンパクトにまとめられた庭園に魅了された。 京都や奈良もいいが、湖東の山の中に佇む寺院を観るとその淡海の歴史の深さがみえてくるようである。


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