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カワセミを眺めながら、冷水で淹れる煎茶を愉しむ [文化想造塾<易社/煎茶>]

「翡翠」と書けば、誰しもが宝石の “ヒスイ” と読む人が多いだろう。この漢字は別の読み方がある。水鳥の “カワセミ” とも読む。

煎茶席で掛けられていたお軸(写真)には、カワセミが一羽絵描かれていた。背中の羽の部分が鮮やかな水色、お腹部分がオレンジ色で、ブルーのくちばしが長いのが特徴の鳥である。羽は光によってエメラルドグリーンのように輝くブルーに変化するのも魅力で、 宝石の翡翠にたとえ “水辺の青い宝石” と呼ばれている。
カワセミ1.jpg

煎茶サロンでは、そのカワセミをテーマに話が進んだ。席では、このような日本画的な絵のお軸が掛けられているのは珍しい。だいたい墨画のものが多い。カワセミは、色合いがとても鮮やかなのでよく写真の被写体にもなっている。川で見かけるとだいたい二羽でいる場合が多い。つまり、オシドリ同様、つがいで行動する鳥である。

翡翠1.jpg
二羽いるはずのカワセミが一羽しか描かれてない。それもよく観れば、なんと悲しそうな表情になっている。文学的に言うと、カワセミは ”愛の象徴” を意味する。それが一羽で、悲哀感が表現されている。ということは、待てども来ない愛しい人を想い悩む描写ということになる。
こんな悲哀の絵を鑑賞しながら、冷水で煎茶を六煎まで淹れ、一煎ごとに渋く変わっていく味を愉しんだ。
たなごころ+.jpg

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