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「莫妄想」。妄想すること莫(なか)れ [文化想造塾<社寺>]

感受性の強い人は妄想癖がある、といわれるが、プラス思考で前に進める人と、真逆にマイナス思考へ流されていく人がいる。その負のスパイラルにはまる人は、思い悩みストレスをためていくケースがよくある。
頭の中で、そのストレスがさらに膨らみ体や心に不具合をもたらすことにつながる。そのストレスを溜めない方法はそれぞれにあると思うが、肝要なことは妄想しないこと。禅の教えに「莫妄想(まくもうぞう)」という言葉がある。

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その「莫妄想」の禅語が天龍寺の書院の片方(もう片方は達磨さん)の床の間に掛けられていた。門外漢の私でも力強い素晴らしい書のように思える。「容道」という落款印が押されていた。現在の天龍寺管長の佐々木容道師の書のようである。
この禅語は、中国 唐代の禅僧・無業(むごう)禅師が莫妄想「妄想(もうそう)すること莫(なか)れ」と唱えたのが、この言葉の始まりのようである。

「妄想」は現実からかけ離れた空想や夢想、並びに考えても仕方のないことをあれこれ思い悩むこと。それは、われわれ日常生活で多々あることなので、済んでしまったことは忘れる。今できることに最善をつくし、努力することが妄想からの一番の脱却だと思うが・・。
日頃、生活の中で頭の中を空っぽにすることが大切なことは言うまでもない。そのための良い方法として誰でも実践できる呼吸法や坐禅、瞑想が頭の掃除しクリアにしてくれる。

この日は、「莫妄想」の掛け軸を前に、広い書院に誰一人もいなかったので、ほんの数分対峙させていただいた。一期一会の時間をいただいたことに感謝である。

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