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清凉寺の一切経蔵で気がみなぎる [文化想造塾<社寺>]

清凉寺(嵯峨釈迦堂)の境内には見どころがたくさんあるが、一切経蔵(いっさいきょうぞう)もそのひとつ。トップ写真にあるお堂が「一切経蔵」で、別名「輪蔵(りんぞう)」といわれている。正面に祀られているのは「傅大士(ふだいし)父子像」。「傅大士」は、見てのとおり笑顔の像で別名「笑い仏」ともいわれている。

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一切経(大蔵経)とはある特定の仏教経典を指すのではなく、経・律・論の三蔵を中心としたあらゆる仏典のことをいう。仏典はお釈迦様の没後に書かれたものであらゆる言葉に訳されているが、それらすべての総称が大蔵経といわれている。

その大蔵経の仏典を収納しているのが輪蔵(りんぞう)で、仏教の寺院内等に設けられる経蔵の一種で転輪蔵とも呼ばれている。 経蔵の中央にある、中心軸に沿って回転させることが可能な八角形の書架。いま風にいうと回転式書架ということになる。
一般には、この経蔵を回転させ、読みたい経典を取り出す仕組みになっている。この書架は文字の読めない人物にも、修学する環境のない人物にも広く仏縁があるように時計回りに一回転させることで、一切経全巻を読誦したのと同等の御利益が得られると信じられている。
遠目にしか見ることの出来ない寺院が多い中、ここ清凉寺では自身で回せるのが特徴である。その輪蔵は、傅大士が考案者ということで一切経蔵の正面には、傅大士とその二子の三尊像が奉安されている。
堂内の四隅には四天王像が輪蔵を囲っている。天部の仏神である持国天、増長天、広目天、多聞天の四天王の勇ましい姿が見られる。

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持国天は、東方を護る守護神として造像される場合が多く、通常、仏堂内部では本尊に向かって右手前に安置される。その姿には様々な表現があるが、日本では一般に革製の甲冑を身に着けた唐代の武将風の姿で表されている。
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広目天は、西方を護る守護神として造像されることが多い。仏堂内では本尊向かって左後方に安置される。持国天とおなじように革製の甲冑を身に着けた唐代の武将風の姿で表される。
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増長天は、南方を護る守護神として造像され、仏堂では本尊に向かって左手前に安置される。その姿は、持国天、広目天と同じである。
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そして北方を護る守護神である多聞天は、独尊像として造像安置する場合は「毘沙門天」と呼ばれている。
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多くの寺院では一切経蔵の入堂がかなわないが、ここ清凉寺では自身の手で押して功徳を得ることができる。見るからに時代を経た古い建造物に見えるが、堂内に入ると空気は一変する。本堂に手を合わせると同じように、一切経蔵の輪蔵に触れると気が高揚してくるのがわかる。

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