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枯山水を紙上で表現。自由な解釈で世界が広がる。【日本庭園】 [文化想造塾[曼荼羅絵図]]

禅寺を訪ねる理由のひとつに庭園がある。日本の四季を楽しめる池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)も美しくて大好きであるが、砂庭式枯山水を眺めていると時が止まっているかのような悠久の美を感じさせてくれる。
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枯山水庭園はご承知の通り、散策が目的の庭ではなく、室内から静かに鑑賞するための庭である。石や砂の配置や組み合わせから、さまざまな風景を想像し自然と自らの存在を一体化し自分を見出すための庭という概念をもつ。だから心も体も自然に整っていく。
白砂の模様は水の流れを表現している。この砂紋が、川に見えたり大海に見えたり雲海に見えたり・・・。人によって解釈はさまざまで、水を使わないのに水を感じさせる。
砂の中にある大きい岩は、不老不死の仙人が住むといわれる「蓬莱山(ほうらいさん)」に見立てたり、複数の岩や石を組み合わせて山が表現されている。

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その枯山水庭園を紙上で表現しようと試みている。砂の紋様は線で表し、山や石は仏様や般若心経、そして墨で創作しようと描き始めた。あくまでも想像の世界なので、いろんなチャレンジが可能になる。それを楽しみたいと思っている。
現代の枯山水庭園は仏教思想的な意味合いは薄く、自然の景観を表現するために岩や石を置く。その配置は、どの部屋からもバランスよく見えるよう設置し、特定の場所からしかすべての岩や石が見えなかったり、また縁側や窓から見るのが一番美しい配置になっていたり、庭によってさまざまのようである。さらに、どの位置から眺めても必ずどこかの一つの石が見えないように配置される場合もあるようだ。
先入観を持たずに、自由に解釈すれば自分の世界がもっと広がり楽しく鑑賞できるような気がする。

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見事な作品が完成。強い思いが筆を動かす【仏画曼荼羅アート】 [文化想造塾[曼荼羅絵図]]

昨日の仏画曼荼羅アート教室は神戸だった。3カ月ぶりの再開である。それぞれの教室とも今月から再開し少しずつ活気を帯びてきた。お陰様で、参加いただく皆さんが元気で参加いただくことが何よりも嬉しいことである。

昨日は、一部の方がこのコロナ騒動でたっぷり時間があったので、率先して仏画曼陀羅を仕上げ持参いただいた。それらを皆さんに披露した。あまりに素晴らしい出来栄えなのでSNSでも公開させていたたく。

■70代女性の作品
 天部像10体と観音像2体を縦35㎝×横300㎝の中に描き、中心に般若心経を配置。丁
寧で微細な部分まで細かく描かれている。
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■50代女性の作品
 胎蔵界曼荼羅の中心部を描き、その周りを雲に舞う飛天を描く。独創性に富んだ作品に。
 縦70㎝×100㎝
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■80代女性の作品
 胎蔵界曼荼羅の中心部をユニークなタッチ表現。中心の大日如来をはじめ仏像の顔の描
き方が独自の表現方法で描かれている。縦40㎝×横50㎝
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初夏の風物詩「蓮」は、寺院の伽藍を彩る。 【蓮シリーズⅡ】  [自然美]

東寺の蓮池のほとりに柳の木がある。平安時代の能書家 小野道風の逸話に、蛙が柳に飛びつこうと何度も繰り返す。このひたむきの蛙の努力を見ていると、努力すれば運も味方する、という話がある。これから季節、東寺の伽藍の深緑も一段と鮮やかになる。
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小野道風が「柳」と「蛙」を結びつけたことにより、その後、柳と蛙が一対で俳句や川柳にもよく登場する。そこに初夏の寺院の風物詩である「蓮」が池を彩る。そんな風景が、寺院の静寂とよくマッチする。

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「柳」といえば、中国の古典によく出てくる。別れの場面で近親者が別れの餞に柳を輪にして手渡す風習があったようだ。そんな数々の風習の素が、空海が唐から持ち帰った行李(こうり/柳で編まれた収納箱)の中に詰まっていたのかも知れない。

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蓮にみる、命の循環。 [蓮シリーズⅠ] [自然美]

蓮は、泥水を吸い上げながらも美しい花を咲かせる様子が清らかに生きる象徴だと称される。
人の手が入らない命の循環の美しさを楽しませてくれる。生きる象徴物に例えると、慈悲なる美的対象物になるが、ご存じのとおり、水面下の茎は野菜の蓮根である。

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写真にあるのは、3年前、兵庫県加古川市に行った際に、移動中に見た蓮である。降りてみると、今までに見たこもない蓮畑が一面に広がっていた。蓮は、若草色の葉っぱの間から顔を出す淡いピンクの花が葉とのコントラストに映えていた。茎の下や根は泥の中に埋まっている。泥水を吸い上げながら可憐で美しい花を咲かせる。このアンバランスが絶妙に美的対象物になる。
仏教では慈悲の象徴とされ、死後の極楽浄土に咲く花とされている。そのためか、如来座像の台座や飾り物にも蓮の花が彫られている。
蓮を眺めているとなぜか穏やかな気持ちになれるのが不思議である。
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風水思想を色濃く反映している中華街の門 [伝統文化]

中国では、城や寺院に必ず「門」が存在する。日本の鳥居や山門にあたるものであるが、その存在感は極めて大きい。それは、中国文化のルーツとして中国人の暮らしに根付いている「風水」というのが大きくかかわっているようだ。

それを見てとれるのが、横浜中華街にある10基の門である。そのうちもっとも風水に影響された主門が、東の「朝陽門」、南の「朱雀門」、西の「延平門」、北の「玄武門」の4基である。
調べてみると、風水思想のベースになっている五行説では、それぞれの方角を表す「色」と「聖獣」が決められている。東は「青」で「青龍」。南は「朱(赤)」で「朱雀」。西は「白」で「白虎」。そして北が「玄(黒)」で「玄武」。これらのモチーフが煌びやかに反映されている見事な主門である。

中国では古来より、皇帝が城を築くとき、城内に入ってくる邪気を見張るために東南西北のみに通路を開き、門衛を置いた。それらは「春夏秋冬」「朝昼暮夜」という陰陽五行に基づく色である「青赤白黒」で彩られ、さらに各方位の守護神として人々に根強く信仰された四神を据えたといわれている。
横浜中華街を大きな城として、関帝廟や媽祖廟を中心に伽藍が形成され、その城内には数多くの中華飯店が軒を連ねている。それらを守る主門4基が東西南北に建てられ、守護神が邪を見張り城内(街)の繁栄と安全をはかるために大きな役割を果たしている。見て(写真)のとおり、門柱が青・赤・白・黒と色分けされている。

朝陽門(チョウヨウモン)
日の出を迎える門。朝日が街全体を覆い繁栄をもたらす。守護神は青龍神。色は青。
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朱雀門(スザクモン)
厄災をはらい、大いなる福を招く。守護神は朱雀神。色は赤。
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延平門(エンペイモン)
平和と平安のやすらぎが末永く続くことを願う。守護神は白虎神。色は白。
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玄武門(ゲンブモン)
子孫の繁栄をもたらす。守護神は玄武神。色は黒。
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きらびやかな横浜中華街のシンボル「関帝廟」【横浜中華街Ⅰ】 [雑感]

横浜の夜を過ごすなら「中華街」というのは定番であるが、コロナ騒動で中華街の夜は閑古鳥が鳴いていたと聞く。緊急事態宣言が解除され、徐々にお客は戻りつつあるようだという。

3年前の話であるが、ちょうどこの時期に出張で横浜に行った。たまたまホテルが中華街の近くということもあり、時間を見つけ散策した。過去に行ったことの記憶はあるが、それがいつだったか覚えていない。ただ記憶に残っていた唯一の建造物が「関帝廟(かんていびょう)」だった。この廟(寺院)は、三国志で有名な関羽が祀られている。

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日本が開国され横浜の港が開かれたのは、ご承知のとおり幕末の1859年。多くの外国人が横浜を訪れ、居留地をつくり暮らすようになった。その中のひとりの中国人が関羽の木像を抱いて、現在の地に祠を開いたのが関帝廟の始まりだとされている。
歳月を経て、1990年に、中国の伝統建築技法を駆使し建造されたのが、現在の第四代関帝廟。このきらびやかさは中華街の中でもひときわ目立った存在である。
なぜ、あの三国志の関羽が祀られているのか? これに疑問を持つのは私だけではないと思う。関羽はご承知のとおり、信義や義侠心に厚い武将であるのは三国志を読まれた方は同意されるはず。ウィキペディアによると、民衆によってさまざまな伝承や信仰がうまれ王朝が関羽を神格化したと。さらに、関羽は塩の販売に関わっていたという言い伝えがあり、その商売に欠かせないそろばんを発明したという俗説までが生まれた。そのために世界中に散らばっている華僑の商売繁昌の神として祀られているということらしい。

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とにかく見てのとおり、牌楼の門をはじめ本殿、さらには本殿の屋根の龍などには中国伝統技法による細かな木彫に鮮やかな色や金箔が施されている。とくに本殿内の装飾品や天井、壁面等々には見るも鮮やかな極彩色で宇宙が表現されている。

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訪ねたときは閉院10分前だったが、外にある大きな香炉からは線香を焚いた煙がもくもくと上がっていた。驚いたことに、匂いがない。地域のことを考慮しての匂いなしの線香かな、と。
横浜は、港のある景色、居留地、近代建築物などなど見応えのあるスポットも多いが、この中華街の景色に改めて圧倒され、中国建造物の趣にあらためて関心を寄せている。再度、ゆっくりこの地を歩いてみたいと思っている。

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茶のあてに、伝説の美女「西施」を語る。 [雑感]

中国の歴史上の四大美女をご存じだろうか。伝説として今に伝えられているのだからよほど美しかったのだろう。その4人とは、春秋戦国時代の「西施(せいし)」、前漢の「王昭君(おうしょうくん)」、後漢の「貂蝉(ちょうせん)」、そして唐の「楊貴妃(ようきひ)」である。

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中国のお茶の歴史を紐解いていく中で、中国春秋時代の話になると必ずと言っていいほど話題に上る美女がいる。「西施」である。その4人の中で最もよく知られているのが、唐代の皇妃、楊貴妃。そして墨画に劣勢の美女としてよく描かれているのが「西施」。この美女がお茶をこよなく愛したということから、当時の文人たちの話題に上り、墨画の題材によくなっていたとう伝えがある。
何度か「西施」の墨や絵の具で描かれたのを見たことがある。ましていまではネット上に美しい西施の絵が山ほどアップされ、どれが本物に近いかは全く分からない。ただ、どれも美しく描かれている。(その二枚を転用させていただいている)

その西施には、いくつかの伝説がある。その一つに、四文字熟語の ”呉越同舟” の熟語の成り立ちになったとされる呉と越の戦いで、西施が「秘密兵器」としつ活躍したという伝説がある。いまでいう”ハニートラップ”役である。
越のハニートラップとして、呉王の妾になり王を骨抜きにせよ、と大指令を受け呉の弱体化を図った。それが理由なのかどうか分からないが、呉は紀元前473年に滅びた。
こんなストーリーが真しやかに言い伝えられている。それほど”伝説の美人”だったということになる。だから、いまでも墨画の題材には最高の美女モチーフになるのだろう。

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日本でも、松尾芭蕉が「奥の細道」で「象潟や雨に西施がねぶの花(きさがたや あめにせいしが ねぶのはな)」と詠んでいる。奥の細道では、芭蕉が松島を明るい美人に例え、一方、象潟は憂いに沈んでいる美女を西施に例えた句碑が立てられている。西施が顔をしかめても、そのしかめ面を女性が真似たほど美しい、という句である。

煎茶の席で、こんな故事噺を茶のあてにしながら語るのも乙なものである。

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茶の効能を詠った茶詩。 一煎ごとの妙味。 [文化想造塾<易社/煎茶>]

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写真にあるお軸は漢字で埋め尽くされている。さっぱり分からんので解説してもらった。
分かったことは中国茶の効能を巧みに詠い上げた茶詩、ということである。中国の茶の歴史の中でもっとも偉大な茶詩の一つということらしい。作者は、唐の時代の「盧同(ろどう)」という人物。書かれている内容は中国茶の効能である。そのごく一部を訳すと

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一碗飲めば、喉を潤し。
二碗飲めば、孤独もなくなる。
三碗飲んで、俺のはらわたの中を探ってみると 文字五千巻が浮かんでくるだけ。
四碗飲めば、軽く汗ばみ 平素の不満も毛穴に向かって散っていく。
五碗飲めば、肌も骨も清らかに。
六碗飲めば、仙人にもなった気分でいられる。
七碗で、もうこれ以上飲めなくなり ただ、両脇からそよそよと清風が起こるだけ。

日本でもこの茶詩に従ったのか、仙人にもなった気分を楽しむために六煎まで淹れることもよくある。 ただ、煎茶会では多くても四煎までだから、平素の不満を解消して帰っていただける、という話になる。
煎茶は、急須に茶葉をいれて湯を注ぐ。湯がなくなれば湯を足す。それを6回も注ぎ足すと想像どおり苦くなる。そして、お茶を淹れる前の気分で 、今日は何煎まで、という淹れ方をする。一煎ごとの味の違いを楽しむものである。これが、妙味。ぜひ、お試しあれ。

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淡海の風景【淡海シリーズⅥ】 [淡海シリーズ]

淡海の風景スナップ

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「仏画曼陀羅アート」体験会、6月20・28日の両日開催。 [文化想造塾[曼荼羅絵図]]

「仏画曼陀羅アート」体験会、6月下旬開催。
西宮香櫨園市民センター [文化想造塾[曼荼羅絵図]]

「仏画曼荼羅アート」教室、西宮 香櫨園市民センターで体験会を開催します。
自分の干支の仏画や梵字で、自分の「守護御札」をつくる講座です。仏画と般若心経276文字を組み合わせ曼荼羅絵図を作成し、それを御札にします。
一見難しそうに見えますが、誰でも簡単に作成できるのが、この仏画曼荼羅アートの特徴です。写経や写仏の好きな方や、いままでしたことがないが興味がある、という人なら、きっと楽しんでいただけるはずです。関西の阪神間に限られてしまいますが、一緒にチャレンジしてみませんか!

体験会概要
■体験会/ 6月20日(土)・28日(日)13:30~15:30
■場所/  西宮香櫨園市民センター2階 集会室5 西宮市川西町4-5
■費用/ 500円 (見学のみは無料)
■持ち物/ 不要
■その他/ 体験会参加は5人限定

お問い合わせ & ご予約
TEL 090-3658-7804 Email ipc@wa2.so-net.ne.jp 渡邉まで

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