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西本願寺の魅力。 “調心” “調息” の場として。 [文化想造塾<社寺>]

和顔愛語(わげんあいご)。西本願寺の門表の看板にこの言葉が掲示してあった。
和顔愛語とは、「大無量寿経」にある言葉で、おだやかな笑顔と思いやりのある話し方で人に接する、ということのようだ。

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ご存知ように、西本願寺は、国宝である阿弥陀堂と御影堂を核に数々の国宝や重要文化財の建物が多い。西本願寺は、浄土真宗の本願寺派の大本山である。私の生家も浄土真宗の宗派の末席に属している。そのためか、西本願寺にはよく参拝させていただく。

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西本願寺へよく出かけるもう一つの理由が、広々とした本堂(阿弥陀堂・御影堂)で寛げるからである。行かれた人はお分かりいただけると思うが、大自然の中に包まれているかのような清々しい空気を体感することができる。そこで、ただ単に寛ぐことが、私にとっては大変貴重な時間なのである。私なりに"調心""調息"の時間として楽しませていただいている。

参拝させていただいた際に、よく法要がいとなまれている。僧侶の方たちの読経が本堂に響きわたる。この音が妙に心と体に馴染む。中身はわからないが、調心には妙薬のように思えてくる。

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壽量院に伝わる精進料理は、まさに日本のおもてなし最高傑作。 [伝統文化]

壽量院での「文化想造塾<壽量院>-精進料理を楽しむ-」イベント当日はあいにく朝から雨になった。前回、壽量院を訪れ、ちょうど二か月後である。
姫路の書写山ロープウエー乗り場に11時30分に集合、雨に濡れる書写山に登った。雨のせいか人出は少ない。ロープウエーを降り圓教寺大講堂までの道程で、最初の塔頭が今回の訪問地「壽量院」である。

前回紹介したように、壽量院は圓教寺の迎賓館の役割を果たすお寺である。壽量院は国重要文化財の一つで、当時全国から集まる高僧や公家の宿にもなり、おもてなしをする場所として栄えたお寺である。その役割としてその当時の接客用の精進料理がいまに伝わったといわれている。

精進料理といえば、想像するのが一汁一菜、二菜というイメージがある。僧の日頃の食事を精進料理と思い込んでいた。写真にあるこのような華やかな料理も接待用の精進料理である。正確には精進本膳料理というらしい。今回、楽しませていただいた精進本膳料理は、第一膳、第二膳、第三膳が目の前に並んだ。膳に入りきれないお品もその都度運ばれてきた。食前酒の梅酒を入れると全部で19品である。品数もさることながら驚嘆の見栄えである。薄味もあれば、梅酒に合う少し濃味も全体にそれぞれの味がバランスよく調えられている。盛り付けられている器や膳はすべて書写塗りである。その器に旬の野菜類が色とりどりに添えられている。

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料理をいただきながら、料理長から精進本膳料理について、そしてメニューや食材、さらに “寺院と食” について聞かせていただいた。
一品ずつの説明はまたの機会にして、この壽量院に伝わる、500年前に書かれたといわれている古文書で伝承されている調理法に基づき作られた料理を堪能させていただいた。作り手の思いが見事に表現され、最高の精進料理を楽しませていただいた。これぞ、おもてなし料理の最高傑作。
霞かかる山々、雨に濡れる木々を眺めながらいただく食事は俗世を忘れさせてくれる時間となった。

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圓教寺「壽量院」の精進食に魅せられ・・。 [伝統食]

先日、アマゾンプライムで「ラストサムライ」を観た。ご存じトム・クルーズ主演で脇に渡辺謙を配し全世界に配給されたハリウッド映画。そのロケ地として話題になった兵庫県姫路市にある天台宗書寫山圓教寺(えんぎょうじ)を改めて懐かしく思い出し、以前に訪ねた時のことを書いた記事をリメイクした。

当日は、山登りに最高の天気だった。少し額に汗をかき、息を荒げながら20分程度歩いた。これでも私にとっては山登りである。姫路からバスに揺られ30分、書写山ロープウエー乗り場に到着。それからロープウエーで書写山へ。この書写山自体が圓教寺の境内になる。
圓教寺は、一千年の歴史を持つ、西の比叡山と呼ばれる天台宗の霊山で由緒ある寺院である。世界に注目されたのが、冒頭に書いたラストサムライのロケ地になり、かなりの場面に登場してからは海外からの観光客が一気に増えたという。

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今回、書写山に行く目的は、圓教寺参拝と、圓教寺の塔頭「壽量院」を訪ねることだった。ロープウエーを降り参道を登って行くと最初に見えてくるのが壽量院。ここは精進料理で有名な寺院である。その料理人さんを訪ねた。

壽量院には食器が院内に展示されている。一つのお寺にお茶事に必要な器が数多く展示されているのも珍しい。それは圓教寺だけで使用するお客様用の器や膳すべて「書写塗」という漆仕上げがされている。それだけにお茶事には造詣が深く、お茶事の歴史に圓教寺の存在は大きく刻まれているようだ。
壽量院は国重要文化財の一つで、その昔、全国から集まる天台宗の高僧や公家の宿にもなり、おもてなしをする場所として栄えた。その役割としてその当時の接客用の精進食がいまに伝わったといわれている。

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その圓教寺の壽量院で『精進食』を体験する講座を計画している。作るのはできないにしても、お膳を前に器を楽しみ、精進食を賞味し、料理人の佐藤さんから精進食のうんちくを聞かせていただく、という企画を進めている。
精進食講座については、次回で紹介する予定である。

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「考える人」は単に迫力の造形美。観る努力を強いる 【京博Ⅱ】 [雑感]

数年前、「琳派 京を彩る」特別展覧会を京都国立博物館に観に行って際に、いつも敷地内にある明治古都館などいくつかの気になる建造物などに立ち寄る。その一つが「考える人」のロダン作の銅像。いつ観ても"なにを考えているのだろう" と想像を巡らす。

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先日は、いつもよりちょっと異なる視点で観た。右肘が左脚膝に置かれ、左手が同じく左脚の上に置かれている。ちょっと複雑なポーズである。その理由がおもしろかった。博物館のHPの解説に下記のように書かれていたので紹介する。
「"考える人"は考えるというポーズをとっているだけで、本当にロダンの表現したかったことは、傾けた上体を支える右手と足の上にのせた左手という複雑な体の構成、もりあがった筋肉や異常に大きな手足などの力強さ、美しさ・・・」という。

そうなると作品は、「考える人」の考えるポーズは、単に筋肉の美しさを表現したものになる。背景となる意味よりも、純粋に形のもつ迫力だけを追い求めた彫刻ということになる。深い次元での芸術としての背景は何処に。
それは、鑑賞者の独自の視点で、それぞれの感じるアングルを見つけて想像してください、という、つまり観る側に努力を強いる彫刻だということのようである。
彫刻だけに限らず、芸術作品はそれが本位なのであるから、鑑賞者の想像力を試しているかのよう。

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「亰都國立博物館」で見えてくる時代の変遷。  [雑感]

京都国立博物館には、興味がある特別展等が開催される際によく出かける。出かけていつも想うことに、片山東熊氏設計の明治古都館に目が惹きつけられる。この建築物が京都国立博物館本館で、1895年から120年余り博物館の顔としてその名を世界に轟かせていた。

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正門から見る明治古都館の佇まいは、造形美の粋を極めた建築物であるのは門外漢の私にもなんとなく理解ができる。そしてその正門の銘板には「亰都國立博物館」と書かれている。お気づきのとおり、この文字を見て違和感をもった。目に留まったのが京都の「亰」の漢字である。なべぶたの下に、通常なら「口」だが、「日」が書かれていた。いまでは見ることがなくなった旧漢字である。
この「亰」を調べてみると、中国では漢・唐時代のころの中国の筆跡は、ほとんど、この字体を用いていたようである。その傾向が明治時代の日本までにも続いていた。その当時の書籍の表紙や扉などには、「亰都」、「東亰」と書かれていた、と記してあった。
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時代の変遷でいろんな事柄も変わるが、昔のモノが今の時代新しくも見えてくることもある。それは時代によってすべての価値観が変わってくるので、古いモノが新しく見えるのも不思議ではない。そう思わせる新しい工夫(創造)が施されてあるから歴史がまた築かれていく。



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彩りの思いが天に届け! [雑感]

滋賀県のある高校の校庭風景。
全校生徒のクリエイティブ共同作業である。
体育祭や文化祭が無くなったから、変わりのものと生徒会が考え実現したとのこと。

コロナ収束への願いを込めて。彩りの思いが天に届け!

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