海北友松の雲龍図に魅せられて [文化想造塾【逸品殿堂】]
惹かれる理由はやはり「龍」である。それも下間二の間(方丈)の襖に描かれた「雲龍図」。この龍は見る者を威圧する迫力がある。しかしながら美しい。襖八面に対峙する阿吽二形の双龍。海北友松の渾身の作品として生き続けている。(本物は京都国立博物館に所蔵され、建仁寺の方丈の襖絵は高精密複製画ではあるが、本物を体感でくるほど/綴プロジェクトより)
そして、拝観の最後は阿吽双龍図の天井画。108畳分の広さ迫力に圧倒される。日本画の小泉淳作氏が2年の歳月をかけて5年前に完成した、壮大な昇り龍神の姿が堪能できる。
紅に染まり、そして季節が移ろい雪明りの建仁寺もまた龍の美しさが映える。
洋画家の伊藤弘之先生が西宮市「市民文化賞」を受賞 [文化想造塾【逸品殿堂】]
今年、その個人として受賞されたのが洋画家 独立美術協会の伊藤弘之先生である。長年、西宮市の芸術文化に貢献され、また芸術分野で後進の指導などに尽力されたことの受賞。この市民文化賞は西宮市でもっとも権威ある賞である。
伊藤先生は馬をモチーフに描き続けている画家さんである。世界の大空を翔る馬やメリーゴーランドの回転木馬などで夢の世界を表現。近年は、地元西宮の歴史風景にスポットをあて精力的に画題テーマを広げておられる。その題材に西宮の桜や灯台を独自の世界観で描き多くのファンを魅了している。
いままでに描かれた作品のいくつかは社寺、学校、そして大型施設等に奉納、寄贈されている。この名誉ある賞をいただいた機に、今後も西宮に貢献でき多くの人たちに見ていただき喜んでいただくなら惜しみなく自作を贈らせていただく、と熱い思いを語っておられた。
白隠と仙厓の画と賛の妙味 [文化想造塾【逸品殿堂】]
禅画の妙味を「白隠」と「仙厓」を通し堪能させていただいた。
秋雨に霞む美術館の景色も見応えがあった。
座り続け40年、アンティークの領域に [文化想造塾【逸品殿堂】]
長い年月、ドールケースにいくつも人形さんと寄り添い座り続けている。
made by Chikako's
大仙院で枯山水庭園を堪能 [文化想造塾【逸品殿堂】]
30坪の小さな庭園だか室町時代を代表する枯山水庭園である。本堂(方丈)の書院の間の北から東にかけて築庭されている。中国の蓬莱山から流れ落ちる滝が大海に流れ込む様を表現し、滝、橋、舟などをすべて石で表している。狭い面積に広大な景観を表現したもの。禅庭の全てが凝縮されている特別な庭である。
蓬莱山からの水を修行僧にたとえ、堰を超え中海を通り大海にそそぎ入り、悟りの境地へ入る様を表している、といわれている。
われわれには見えぬ世界が、庭園を通し果てしなく広がっていく。
北前船とともに進化した「船箪笥」 [文化想造塾【逸品殿堂】]
先日、阪急百貨店で開催されていた職人展に行った。いくつか驚く匠の技が施されたものに出会った。
その一つが、写真にある「船箪笥」である。聞きなれない箪笥に興味をそそられ、また見て通り金具で覆われているアンティークな形に足が止まった。さらに北前船の進化とともに、というフレーズに惹かれて。
さてさて、わからないことだらけである。北前船とは?船箪笥とは?それにまつわる歴史は?など好奇心を駆り立てる言葉が溢れていた。わからないことは聞くに限る、と匠工芸の村田社長にぶつけてみた。
すると懇切丁寧にご説明いただいた。それを咀嚼すると、船箪笥とは、江戸中期から明治末期にかけ、大阪や富山など日本海を往来した北前船に積まれ、多くの船にはなくてはならない道具箪笥として役割を果たした。
何故こんな重い箪笥が船内に必要であったのか、大阪から荷を積んで蝦夷地(北海道)まで荷を運ぶ船を北前船と呼ばれていた。その船主がモノを買い蝦夷地で売るという商売人。
船がお店となるわけである。そこに箪笥が必要不可欠なものになる。つまり金庫である。
説明をうけた帳箱といわれる箪笥は、7つのカギがある。それぞれの扉に、また内部の箱のカギがそれぞれある。さらに奥にはからくり箱がある。これでは盗んでも密箱にはたどり着かない。これぞ比類なき独自の構造が匠の技で施されている。
そして、気になった船箪笥といわれる所以は、この重い箪笥が水に浮き水が中に入らない、という最大の特徴をもっている。
当時、これを造った職人の技と知恵が注ぎこまれ、いまにそれが伝承されているわけである。この匠の技が伝承され製造されているのが、福井にある匠工芸。日本で唯一の会社になっている。
youtubeでも紹介されているので、ご興味がある方は、ぜひ。
可憐で無垢な市松人形 [文化想造塾【逸品殿堂】]
力感みなぎる龍姿 [文化想造塾【逸品殿堂】]
絹糸が奏でる日本刺繍の美しさ [文化想造塾【逸品殿堂】]
大きなモノはパーツごとに刺し、それを一枚の厚めの布地にまとめる。写真のものがそうである。同工房は修復がメイン、長年使うと糸が擦れ切れてしまうのでお寺からの修復がひっきりなしという。たまに祇園祭などの美術品などの修復も手がけている。
ひと針ひと針刺す作業は気が遠くなる。それをコツコツと丁寧に仕上げていく。昔も今も変わらない匠の技があって伝統が受け継がれていく。
達磨さんの表情っておもしろい。 [文化想造塾【逸品殿堂】]
子どもころにこう言いながら遊んだことを思い出す。
そのダルマさんと言われる大師(お坊さん)の画を初めて見たときは、"こわ〜" と思ったことを覚えている。
彫りが深く目に特徴がある。インド人だから顔も髭も濃い。中国禅宗の開祖といわれているお坊さんだから日本の禅寺系の寺院にいくと達磨画をよく見かける。
そんな怖い顔でも描いた人によって表情がさまざま。その違いを見るのが楽しい。
右下の写真は宮本武蔵作