SSブログ

春の花「ウメ」を愛でる想いが膨らむ。 [文化想造塾<易社/煎茶>]

日本では、江戸時代以降、春の花といえば「サクラ」を連想させるが、奈良時代以前は花といえば「ウメ」だったようだ。
そんな「ウメ」を題材にした詩が中国でも日本でも多く詠われている。
中国では、北方に住んでいた、後漢書の作者として有名な范曄(ハンヨウ)に、江南に住んでいた陸凱(リクガイ)が、
ここ江南には、なにも贈るものがないので、とりあえず梅の一枝とともに春を届けた、という詩がはるか昔に詠まれ残っている。
その「一枝之春」の詩を紐解きながらいち早く春を楽しませてもらった。その詩が

折花逢驛使  ひと枝折って 駅使に託す
寄與隴頭人  隴山(ロウザン)のふもとのあなたへ
江南無所有  江南に良きもの無し
聊贈一枝春  ただあるは「一枝の春」、いま贈らん。

稽古の題材になった日本の歌は、紀貫之の「古今集」。
人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける

あなたは、さてどうでしょうね。他人の心は分からないけれど、昔なじみのこの里では、梅の花だけがかつてと同じいい香りをただよわせている。

お軸にある「ふる里の 梅なつかしき 渡り鳥」の歌は、人を渡り鳥に例えながら、生まれ育った故郷の梅を思い出しながら懐かしむ歌である。
雪に埋もれた白梅の香りで春を想像する。その連想に欠かせないのが春の花「ウメ」のようだ。
立春も過ぎ、春の香りを「煎茶」と「雁がね」で楽しんだ。

立春3.jpg
立春4.JPG

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0