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文人生活に欠かせない「書斎」とは!? [伝統文化]


先週の日曜日のテレビ番組、情熱大陸は元総理大臣「細川護煕」さんだった。政治家をきっぱりやめ芸術家に転身。それで未だに注目を集める。画家、書家として、そして陶芸家として大作を世に出しているからだ。世間の声には耳を傾けず、世俗を離れて我が路をいく平成の文人として生きておられる。

その日の午後に、京大名誉教授の西垣安比古先生の講演テーマ「18ー19世紀の朝鮮における文人の書斎とその世界」を聴いたばかりだ。そしてその夜に、細川護煕さんの文人生活をテレビを通してだけどほんの少しかいま見たが、非常に共通する暮らしスタイルが見えた。
その共通項といえるのが「書斎」である。朝鮮時代の文人の書斎は「書堂」といわれていた。その書堂には、中国でも日本でも女性は立ち入りできなかったようだ。その反面、男性は、女性の職域である台所には入らなかった。
細川さんは、日頃家族から離れ湯河原の別荘で暮らしておられるようだ。広大な敷地内に工房と住まいがある。その一室が寝室兼書斎。本を読んでいる時間が何よりも楽しいという。テレビからその感性のようなものが伝わってきた。

そういう世俗から離れた文人生活には小さくても書斎という空間があって、そこには本があり、書を嗜む道具一式が揃っている。そんな空間での生活に、むかしから「煎茶」は欠かせないものだった。喉を潤すこと以上に心の渇きを癒すものとして必須のものだった。その書斎に人を招き入れおもてなしするなんて考えられないのである。独りの世界に浸る、それが書斎なのである。

いまの時代に、そんな暮らしはなかなか出来そうにもない。自分の生き方がない限り落ち着く世界ではない。周りを気にせずに、経済的にも余裕があって、自身の生き方に揺るぎない考えをもってないと出来ない暮らしなのだろう。妄想の中でもそんな暮らしを描くと日頃も楽しくなるのではないだろうか。

書斎.jpg
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