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鯖寿司で、日本料理の妙味を知る。 【魚のさばき方料理講習会】 [伝統食文化]

昨夜の料理講座は、日本料理の味付けに改めて感動する講習会だった。
「塩」、「醤油」、「酢」、「昆布」、「削り節」、「味噌」、「砂糖」、「みりん」等々は日本の味付け調味素材の代表である。
これらの調味料には当然ながら役割がある。そして意味がある。それぞれの相性もある。すべて日本独特の味付け素材。甘く、濃く、薄く、締める、隠すという味付けになくてはならないものばかり。料理工程でそれぞれの役割と意味が見えてくる。日本料理を引き立てる大事な脇役である。

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前段はさておいて、昨夜行われた料理実習の素材は「鯖(サバ)」。この鯖を使ってメインに作ったのが「鯖寿司」(写真)。そして「柿白和え柿釜盛り」、「鯖の酢洗いトマト和え」、「鯖の茸酢和え」、「鯖の朴葉味噌焼き」、「船場汁」の計6品。

この講習会の大きな目的の一つが「魚のさばき方」。魚の中でも特に難しいのが鯖といわれている。脂がのっていればいるほど柔らかい。身が溶けていく。
ご存知のように青魚は血がよく出る。さばき方を間違うとまな板が血の海状態になる。できるだけ血が出るのが少ないさばき方を習った。エラやお腹に必要な切れ目をいれ、頭を手で引きちぎるように外すと腸も一緒にくっ付いて取れる。

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おろした後の1/2を鯖寿司に使う。切り身に塩を振る(時間があるときは薄塩して2時間)。時間がないので盛り塩に。酒でさらっと洗って水分をふき取る。そして血合い骨をピンセットで取り除いて腹骨をすきとる。皮は、甘酢に30分つけた後にはぐ。
甘酢で煮立ちさせ冷ました白板昆布と寿司飯そして鯖を巻き、酢で整える。(写真)
他の5品も季節のものに合わせ、鯖の美味しさを引き出していた。鯖尽くしの料理になった。船場汁などは鯖とは思えない上品で高級感が漂った。

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日本料理の中でも青魚料理だったので、特にかも知れないが脇役の陰の力が引き立った。日本の絶妙な味をこれらの脇役が支え作り出している。

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※この記事は、10年前に和香の田村佳子先生による「魚のさばき方」をベースにした料理講習会を主催していた時の記事です。


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