心を虜にする風景
最近、土曜、日曜と忙しく飛び回っている。
だから、ゆっくりと家でくつろぐことが少ない。
そのぶん、よそさんでくつろがせていただいている。
昨日は、私にとって最高の贅沢なくつろぎをさせていただいた。
大阪の南地域にあたる「河内(かわち)」。河内音頭で有名で、昔ながらの大阪のたたずまいが残っているところである。
その一角に「河内長野」というJR、近鉄の駅がある。
そこから山の中に車で10分いくと「観心寺」というお寺がある。
ここは真言宗のお寺でかなり歴史のあるお寺として名を馳せている。
そのお寺の隠れ茶屋(和室3室に茶室)で厳かに飲めや食えの交流会に参加した。
この交流会を主催したのがここの茶屋に2週間ほど滞在されている「古川三盛」氏である。この方は「庭師」であり、この時期観心寺の庭の手入れに寝泊りしながら仕事され、風流人として暮らしを心から楽しんでおられる方である。
仕事着以外は、すべて着物姿。家ではもちろんだが、外出も着物姿に下駄履き。そんな風情を楽しんでおられる人物である。
その古川氏の仕事は写真集に収められ、それを見る限りでは日本庭園をつくる職人さん。その中でも代表作の一つとして瀬戸内寂聴さんの「寂庵」の庭を造られた方である。
昨夜の夕暮れ時に灯篭に蝋燭の灯をいれて眺める隠れ茶屋で感じたものは、子供のときに過ごした山の暮らしの記憶がよみがえってくる。そんな空気を感じた。
自然のままの美しさを存分に取り入れたお庭が茶屋と一体をなしている。この風景が心を虜にさせていく。
写真左から 古川氏の舞披露、隠れ茶屋 下段写真は寂庵(写真集より)
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