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伊藤弘之氏の「渦潮」、世界自然遺産登録に向け一役を果たす [文化芸術]

いまホットな場所として注目されている淡路島。関西からはもちろんだが、関東からの移住者が増えている。それは、言わずと知れた自然の宝庫だからである。海、山、そして青い空が身近な存在として生活に息づいている。そんなアイランドに夢を求めてやってくる。

新しい風が吹き始めている淡路島に、さらに追風になる兵庫・徳島の共有の自然財産である「渦潮」が世界自然遺産の登録に向け動いている。兵庫県としても夢のアイランド構想がより促進される。

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そんな中で、身近で嬉しいトピックを耳にした。
ご近所さんで、令和一年度の西宮市民文化賞を受賞された画家、伊藤弘之さんの絵画3点(写真)が、新築された兵庫県洲本総合庁舎(淡路県民局)ビルに寄贈されることになった。県としても世界自然遺産登録への促進剤につなげたい狙いがあるようだ。この絵画「渦潮」が南あわじ地域のシンボルになっていくはずである。
そして、世界に類をみない渦潮が世界自然遺産に認定されることを心より願っている。

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お釈迦様の悟りのエピソード [文化想造塾<社寺>]

大阪・豊中市にある曹洞宗「梅林寺」のご住職を訪ねた。
このお寺にある『「降魔成道」-菩提樹の下でー』と題した襖絵を見に行くことが目的である。
親しくしている洋画家の伊藤先生の紹介で、水墨画家の篠原貴之さんの個展を阪急百貨店に見に行った。その折に、篠原さんから「梅林寺」の襖絵のことを伺い、どうしても見たくなったので梅林寺さんにコンタクトしていただいた。

襖絵としては少し大胆なテーマだが、この絵からお釈迦様の教えを考察するきっかけになれば、と描かれたのがこの「降魔成道」。この「降魔成道」の場面は仏伝の中でも重要なエピソードの一つで、インドでは仏教彫刻や壁画にはよく表現されているという。

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大きく分けて三つから成り立っている。「誘惑」、「魔軍来襲」、「証言」である。
出家したお釈迦様が6年の苦行を終え菩提樹の下で悟りを開くために瞑想していると欲界の魔王マーラが娘たちを使い「誘惑」させる場面である。
そして「魔軍来襲」は、マーラが今度は暴力で屈服させようと矢を射ち放つが、矢が蓮の花と化しお釈迦様の悟りを阻むことはできなかったという話である。
次に打ちのめそうとマーラは、問答で仕掛けていく。
マーラは「おまえには、おれに証言できる過去の善行がなかろう」と迫ったが、お釈迦様が大地に触れると大地の女神が現れ、「お釈迦様、あなたは過去世で数切れない善行を積まれた。いまこそ最高にして完全な知恵を成就し仏陀になられる」と証言された。それを聞いたマーラは慌てうろたえ退散したというエピソードである。

そのストリーを篠原氏が墨で描いたものである。
この奥の間に座っているだけで背筋がピンと伸びる。お釈迦様の姿で、いまを生きる我々への示唆を分かりやすく表現しているのであろう。

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注) 壷坂寺(奈良)には、お釈迦様の誕生から涅槃までの一生を浮き彫りにした10面の石仏がある。お釈迦様の事蹟のなかで重要な意味をもつ石仏である。
トップの写真は、その第6面の石仏で、菩提樹の下で結跏趺座し右手で大地を指す「触地印」、つまり「降魔印」を結んで不動の心を示すお釈迦様の姿を中心に、左右から襲いかかる魔軍、官能的ポーズでせまる3人の女性像が描かれている。

※この記事は、2008年4月の「心と体のなごみブログ」に掲載されたものを加筆し転載

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停雲思親友也。友を想う! 【一茶庵稽古追想】 [文化想造塾<易社/煎茶>]

コロナ禍で仲間や友人に会うこともままならない。また、好きなところに出かけるのも控えている。
こんな時期だから改めて、以前に体験したことや教えていただいたことを思い起こすと、その時は感じ取れなかったものが、不思議と見えたり感じたりする。

煎茶稽古も、その一つ。
毎回、稽古に行く前にいつもながら頭を巡らすことがあった。それは、どんなお軸がかけられているのだろうか。またどんなお茶が楽しめるのだろうか、と。
その時は、氷水で淹れる玉露。玉露は喉を下るほどの量はないが、口の中にキレのある玉露独特の味が広がる。夏の夜に、ひとりで想いにふけるのには堪らないお茶である。
その想いに合わせたかのような、この水墨画。中国の険しい山々の景色が描かれている。山から流れ下る川沿いの家では人の営みが見える。
この画を見ていると、陶淵明(とうえんめい)の「停雲」の詩に引き寄せられていく。

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停雲思親友也 
樽湛新醪園列初栄 
願言不従歎息弥襟

という一節がある。
雲たちこめて懐かしき友を思う 樽には新酒が満ち庭の花は咲きそめている 君と会い語ろうと思うが叶わない、ため息で胸がいっぱいだ…
という訳になる。

停雲靄靄 時雨濛濛 八表同昏 平陸成江 
有酒有酒 閒飲東窓 願言懐人 舟車靡従

たちこむる雲は靄靄(あいあい) 春の雨は濛濛(もうもう) 八方すべて暗く 平地は川となって水があふれる 酒がある、酒があるではないか 東の窓にもたれてゆったりと杯を傾ける 友と旧交を温めたいと願っても (この雨では)舟も止まってしまっているだろう

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これらの詩が今週の稽古の題目だった。
遠くの友がどうしているだろう、と思いを馳せるが、この雨では会いにいくのもままならない。その心情を詠んでいる。
目の前の爽やかな冷たい玉露が、苦く渋い味に一変してしまいそう。

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音と舞で小宇宙の世界がー [伝統文化]

初めてブログを開設したのが16年前の2005年11月5日。ネットでの情報配信ツールとしてブログが人気になりかけたころ。それを使い、イベント情報や取材記事の配信を始めた。
通常の広告、宣伝、広報、イベント等々の業務に便利なツールとして活用し、個人的な活動として「心と体のなごみブログ」をスタートさせた。

その第一回目がタイトルにあるように「音と舞で小宇宙の世界が―」の記事。当時、知人であった京都の市比賣神社の飛騨富久宮司の影響で雅楽に興味をもち、雅楽イベントを企画。その雅楽を兵庫県西宮市の大谷美術館に提案させていただき、「雅楽会」の開催につながった。その報告としてブログを活用した。
その第一回目の記事をリライトし今回掲載させていただく。

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大谷記念美術館は洋風建築の外観ではあるが、中に入ると 正面ロビーの奥は日本庭園が広がり、その横には日本建築を代表するかのような部屋が庭に面している。その空間を活用し、世界最古といわれているオーケストラ 「雅楽」を披ろう。雅楽の音、舞が融合すると小宇宙を思わせるような雰囲気に包まれた。

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演奏は管弦2曲。曲の間に、飛騨宮司が楽器や音の解説を交えお客様を雅楽の世界へいざなっていく。馴染がない雅楽を知っていただくよい機会となった。
続いて「舞」が披ろうされた。小学生の女の子2人の「童舞」。子どもながら見ごたえのある堂々たるもった。

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最後に、ご来場いただいたお客様が楽器体験にチャレンジ。 子どもや若い方たちが敷物の中央に座り(雅楽は正座ではなく、 楽座(らくざ・あぐら))龍笛に挑戦。
その中に混じって、私の、南武道の先生である ステファンも子どもたちと一緒にチャレンジ。彼は、来日して2ヶ月あまりであるが、日本文化に傾倒しているせいか、感激もひとしおだったようである。

ちなみに、「雅楽」を少し説明すると
雅楽は1200年以上の歴史を持ち、日本の古典音楽として、また世界の古典音楽としても高く評価されている。
雅楽は中国大陸や朝鮮半島から伝えられた音楽や舞と、平安時代に日本独自の様式に整えられた音楽とが融合し儀式音楽として伝えられた。奈良時代から雅楽の演奏は、宮廷はもちろん寺院や神社において盛んに演奏されている。そして1000年以上、京都・奈良・大阪の専門の演奏家によって伝承され続けてきた。明治時代に入り、宮内庁式部職楽部が創設され雅楽を伝承している。楽器のみの演奏を管絃と言い、主として屋内で演奏され、舞を伴う演奏を舞楽と言い、主として屋外で演奏される。 (日本雅楽会HP参照)

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※この記事は2005年11月の「心と体のなごみブログ」に掲載されたものを転載

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地域に根付く「心安らぐ寺小屋」コミュニティ、仏画曼荼羅アート教室が再開 [文化想造塾[曼荼羅絵図]]

仏画曼荼羅アート教室の6月の後半の日程が決まりましたのでお知らせいたします。

今年の4月から「仏画曼荼羅アート教室」の新たな場として寺院での開講を進めていました。しかしながら、新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言が発令され4月、5月の開講は中止させていただきました。
落ち着いてきたので、6月15日の大阪府池田市の佛日寺、22日の大阪市淀川区の福泉寺、そして25日の明石市のウィズあかしの新会場は開講いたします。

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新たに加わった寺院での開講は、仏画曼荼羅プロジェクトとして新しい展開です。
地域に根付く寺院で「心安らぐ寺子屋」的なコミュニティになればと思っています。

どの教室の皆様さまからも「描きたい」「書きたい」「写したい」、そして「生きる力にしたい」と思っていただけるように努めてまいります。
仏様を描き般若心経を書くことで得られる心の平穏を楽しみ、さらに心と頭をつかう想像力や独創力も高まります。ご興味があれば、ぜひご参加ください。
私も、皆様と一緒に続けられることが何よりの楽しみです。

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渡邉雄二 合掌

■2021年6月後半 各地教室のスケジュール

●6月15日(火) 佛日寺教室 (佛日寺/大阪府池田市)
午後1時30分~3時30分 (通常開講/第3火曜日)
●6月22日(火) 福泉寺教室 (福泉寺/大阪市淀川区)
1時30分~3時30分 (通常開講/第4火曜日)
●6月25日(金) 明石教室 (ウィズあかし/7月未定)
午後2時~4時
●6月26日(土) 神戸教室 (スタジオ・アジュール)
午後1時~3時 (通常開講は第4土曜日)

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佛日寺

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福泉寺
 
 ※体験会は随時行っています。ご希望の方は下記の または でご連絡ください。
 ※体験会の参加費用は、一律1,000円(材料費込)
 ※自分の地域でも開講をご希望される方はご連絡をください。
 ※お問い合わせ並びにご予約は、
  090-3658-7804  ipc@wa2.so-net.ne.jp 「仏画曼荼羅アート事務局」渡邉まで

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春といえば、鶯  【一茶庵稽古追想】 [文化想造塾<易社/煎茶>]

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稽古が始まるいなや宗匠から、あのお軸に描かれている鳥は何ですか? という質問が私に投げかけられた。
速攻に聞かれても、私の豆知識では答えが出てこない。確か、昨年くらいに見たお軸を思い浮かべた。
あの鳥は"鶉(うずら)"でしょ! と答えたが、宗匠や仲間からの笑いが漏れている。
宗匠から鶉なら季節はいつ頃?という質問が逆に飛んできた。
えぇ〜と、またまた頭を抱え込んだ。大伴家持の、鶉を詠んだ悲哀の和歌を思い出した。
この春に、悲哀はないでしょう、と宗匠に突っ込まれ、そりゃ、そうだ!と納得。
なら、表装の色は何色?
薄いブルーである。

この色から連想すれば分かるでしょ!とさらに突っ込まれた。
春の鳥といえば、この鳥をまず連想しない、と。
ホーホケキョと鳴く鳥は? といわれ、そうか!と。
やっとここで"鶯(うぐいす)"が頭に登場した、情けない話から始まった。

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テーマは"鶯"。となると、国語の教科書にも登場した「江南の春」。
もちろん頭からすっかり消え去っている。
ご存知の方も多いと思うが、「杜牧」の詩である。晩唐の政治家であり詩人としても有名だった。天才詩人と世に知れ渡ったのが20代のとき。26歳で科挙(かきょ)の一つである進士となり、江蘇省の楊州に赴任した時代には名作を多く残している。その代表作が「江南の春」である。

その詩を宗匠の後に続き朗読。声を出して読むと不思議なものであるが、情景が浮かんでくる。江南地域の村や山々の古里に酒屋の旗が春風にたなびいている。そこに多くの仏教寺院が点在する。そして鶯の鳴き声が聞こえてくる。こぬか雨でその風景は霞む。懐かしの古里の風景が想像できる。

千 里 鶯 啼 緑 映 紅
水 村 山 郭 酒 旗 風
南 朝四 百 八 十 寺
多 少 楼 台 煙 雨 中

千里鶯啼いて 緑紅に映ず
水村山郭 酒旗の風
南朝 四百八十寺
多少の楼台 煙雨の中

せんりうぐいすないて みどりくれないに えいず
すいそんさんかく しゅきのかぜ
なんちょう しひゃくはちじゅうじ
たしょうのろうだい えんうのうち

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春夜の稽古場で繰り返し朗読した。声を出して読むと不思議と情感が高まってくるものである。
この鶯を見ながら「雁が音」を淹れた。まろやかで優しい、春の味であった。

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白い仔犬と白い象の、微笑に魅せられ 【京さんぽシリーズⅠ】 [京さんぽ]

相国寺 開山堂は春の特別拝観で公開されていた。
入口からお堂に入ったところの
隅っこの杉戸に白い仔犬が描かれていた。
円山応挙筆とあった。
白い毛でなんとも言えない可愛らしさ、
いまにも扉から抜け出してくるかのような絵である。

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また、方丈の廊下の杉戸には
原在中の白象が優しく微笑んでいる。

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ともに江戸時代に活躍した絵師で、
大典禅師のお気に入りの絵師として相国寺と深くかかわった。
相国寺には、伊藤若冲はもちろん二人の絵も多く所蔵されている。

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雑穀は、日本食文化の原点 【伝統料理を楽しむⅦ」 [日本の食文化]

昨年から続いている「伝統料理を楽しむ」料理講習会は、参加していただいている方たちに好評を得ている。
今回で5回目、限られた人数で行っているので参加者もほぼ同じ顔ぶれ。和やかな雰囲気に包まれながらみんな笑顔で楽しめているのがサイコ~。

昨年の10月から魚のさばき方を中心にした料理実習がスタート。1回目は「さんま」を食材に、2回目は「しゃけ」と続き、3回目は保存食づくりに挑戦、オイルサーディン、アンチョビをつくった。
今年に入り、1月が「なにわの伝統野菜の講座」。実習なしで先生の講義と、講義を受けながら試食する講習会を行った。

そして先週、「雑穀」を食材にした講習だった。いままでの雑穀のイメージが覆させられるほどの内容であった。雑穀は、昔から主食のお米(白米)にあわせるだけの食材としてしか認識がなかった。この時代の健康ブームで「雑穀」がよく紹介されている。その健康食として大いに人気が高まっている。

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講習のスタートは、赤米、黒米、あわ、ひえ、きび、大麦、そばの実、たかきび、アマランサスなどを試食しながらそれぞれの特徴や使い方などを習った。
そのあと、先生が実際に雑穀を使ったレシピに基づき調理。レシピや調理方法を聞きながら一つ一つを試食。こんなにも雑穀がバラエティにとんだ料理に使えるのか、と思うほど。しかも栄養価が高い。料理ファンの間では人気がでるはず。

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手間を惜しまず暮らしを楽しむのには最高の食材である。大切にしたい日本の、暮らしの知恵や工夫を料理を通して学んだような気がする。
これぞ、日本の食文化である。大切にしたい、日本の財産である。

メニューとして

■赤米寿司(左端)

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■ハンバーグ

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■椎茸のおこわ詰め

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■雑穀炒め物

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■ポテトサラダ

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■雑穀サラダ

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■雑穀サラダ(ワイルドライス)

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この記事は、2009年2月「心と体のなごみブログ」に掲載したものをリライトし転載

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薬膳は万人受けする料理ではない。体質や季節に合わせ健康を食でサポートする [日本の食文化]

薬膳料理をひと言で語るのは筆舌に尽くしがたい。
筆者が知る限り、また補足できる情報を加味して言うならば、薬膳とは中医学理論(中国伝統医学)にもとづいて考案された、食材と中薬(生薬)と組合せた料理。栄養、効果、色、香り、味、形など、すべてのバランスが揃った食養生の方法ということになろう。
食養生とは、病気の予防と治療、健康保持、体質改善などを目的としており、その人の体質や体調に応じて栄養を考え調整することである。

薬膳料理は「この料理が効果的」といった万人受けするものという考え方ではなく、季節や食べる人の体調に合わせて作られる。冷え症が気になる人に体の熱を逃がす効果のある薬膳料理を組み合わせると、保温に必要な熱まで奪ってしまう可能性があるので体質に合っているとは言えない。同じ料理でも体質によって合う・合わないがあり、それを見極めて料理を作ることが大切だといわれている。


また季節に合わせた旬の食材を使うことで、気候に合った食材のパワーを体内に取り入れられるとも大事。そして冬の時期の旬の食材には体の中から温まる効果があるものが多く、春にかけてはさまざまな刺激から体を守ってくれる免疫力の高まる食材や苦みのある食材が多くなる。体質や季節に合わせて料理を行うことも、健康を食でサポートする「薬膳料理」の考え方である。

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薬膳は食べておいしさを楽しむだけの料理ではない。エネルギーを摂取するための食事とまた少し違いう。冷えや食欲不振など、その人がもつ体質自体を改善へ導くための食事が薬膳料理ということである。薬膳は生薬を使わなくても、体質に合った身近な食材を使うことで症状の緩和を目指すことができる。

日頃、料理するたびにこんなことを考えると、楽しい料理も好きな料理もそうでなくなってしまう恐れがある。やはり、日頃の生活のなかで作りやすいものでなければ続かない。
それで、今回暮らしの中で作れる薬膳料理の講習会を行った。
講師は、滋賀県大津市の「薬膳館」の館長さんである横田佳子さん。横田先生はもちろん
お料理の専門家であるが、 薬膳には欠かせない生薬の先生でもあり、 中国健康法の専門家である。

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まず、五行説の話から始まり、上記記載の薬膳についての話を聞き、自然と食物のかかわりの大事さを改めて認識し、料理実習に入った。

メニューは下記のとおり
■黒い肉まん
材料は、白菜・黒きくらげ・干しエビ・干し椎茸・白ねぎ・豚ミンチ・生ピーナツ・葛根(かっこん)・小麦粉・ベーキングパウダー・黒粒胡麻・黒すり胡麻・水

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■黒米とたいそう(なつめ)のお粥
材料は、白米・黒米・黒餅粟・なつめ・黒砂糖

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■芹菜と銀耳のサラダ                              
材料は、芹菜・林檎・銀耳(きくらげ)・白ねぎ・塩・酢・サラダ油
の3種類です。

この季節は身体に良いとされる「黒」の料理ということである。
薬膳料理は体質に合わせて、使用する食材・調理方法を選ぶ。たとえば手足の冷えが気になっている人には、体を温める効果が優れている生姜。そして胃腸を温める効果のあるレンコン、鮭、大根などを組み合わせるのも良いとされている。
体調にあわせ、どんな食物が効果的なのかをまず知っておくことが肝心のようである。機会があれば是非勉強されることをお勧めする。

※この記事は、2005年11月の「心と体のなごみブログ」に掲載した内容をリライトし転載


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青もみじの輝きが、新しい始まりを予感 [雑感]

この季節ならではの美しさ、といえば「深緑」。
春の山の草木が一斉に若芽を吹いて山笑う情景から、葉が生い茂り濃い緑になって
いく。夏に向かうちょうど今頃である。

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草木の中でももみじの深緑は、眼に眩しいほど美しい。いわゆる「青もじみ」である。
もみじは枝が流れるように伸び、そこに小さな葉をつける。葉に切れ込みが深く入るので、さらに鋭い形をつくる。枝葉一体で美しさをかもし出す。

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先日、相国寺に参拝した折に、境内に群生するもみじの美しさに目が留まった。
自然光でキラキラする青もみじの輝きが妙に新しいことの始まりを予感させた。

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