おやじの琴線を揺らすのは「港の風景」 【尾道風景Ⅱ】 [地域発展]
尾道。瀬戸内で有数の観光地として人気を博している。観光に訪れるのは女性が多い。女性にとって見どころが多い町なのだろう。昔と今が適度に混在し “オシャレなまち” として心に響いているようだ。女性に限らず、男性にも魅力的な町として存在が高まっている。
それは、アクティブな活動から芸術文化の探訪、そして自然の恵による尾道グルメと郷土料理のコラボ。それに情緒観あふれる瀬戸内風景などあらゆる観光要素がつまっている。とくに女性の心を捉えてやまないのが「猫ちゃん」。狭い坂道に猫の風景が女性の “かわい~” の琴線を響かせている。
観光名所・名物にこと欠かない尾道であるが、おやじの切れかけた琴線を揺らすのが「港の風景」。むかしと変わらない風景にどうも引き寄せられてゆく。思い出に浸ることができる昔のままの風景を、時をへて楽しむのも観光の目玉になるような気もしたが・・・。
リポート&写真/ 渡邉雄二
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尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/
ほそ路 【尾道のまちかどシリーズⅠ】 [地域発展]
JR尾道駅前の南側に、東へ約1.2㌔つづく尾道本通り商店街。
100年を超える老舗のお店に、
若者たちの情報発信基地のような現代感覚のユニークなお店などが混在する。
この本通り商店街の北側は国道2号線、
そして国道に沿ってJR山陽本線が走っている。
その北が千光寺山。南側に目を向けると海。
山と海の狭い間に店舗や住宅がひしめきあっている。
東西に走る国道、本通り、海岸通りに対し南北を行き来するのは細い路地。
その路地裏を歩いてみた。
リポート&写真/ 渡邉雄二
100年を超える老舗のお店に、
若者たちの情報発信基地のような現代感覚のユニークなお店などが混在する。
この本通り商店街の北側は国道2号線、
そして国道に沿ってJR山陽本線が走っている。
その北が千光寺山。南側に目を向けると海。
山と海の狭い間に店舗や住宅がひしめきあっている。
東西に走る国道、本通り、海岸通りに対し南北を行き来するのは細い路地。
その路地裏を歩いてみた。
リポート&写真/ 渡邉雄二
いまも変わらぬ渡船の灯り [地域発展]
「尾道映画祭2022」が17日から3日間開催された。今回、映画祭にあわせ尾道を訪れている。尾道を訪れた際は、私の中ではこの光景なしで尾道紀行は始まらないという変な観念が頭にこびりついている。尾道から目の前の向島にわたる交通機関である「渡船」のある風景。半世紀以上も前に通学で使っていた渡船が、私の尾道への郷愁ストーリーの根幹をなしているといっても過言ではない。歳を重ねるごとに根っこがどんどん太くなっていく。
今回、まずは尾道駅に着いての第一歩が、渡船に乗ることだった。着いてそそくさと桟橋にむかい渡船の到着を待った。7、8分の乗船時間ではあるが向島に渡った。そして向島の桟橋の風景を撮影し帰りの船を待った。これで満足なのである。
夕方からの映画鑑賞を終え、会場を出たときはすでに陽が沈ずみ空も海も藍色に染まっていた。その夕暮れに灯を照らしすすむ渡船は、海に浮かぶ火垂のように見えた。「海・空・山」が織りなす瀬戸内・尾道ならではの景色が広がっていた。
お寺を核に、心と体を動かすイベントを開催 [地域発展]
これからの季節は心や体を動かす催しやイベントが多く企画されている。今朝のニュースではハワイなどへの海外旅行が復活するようなことを伝えていた。コロナ禍ではあるが、経済へのプッシュアップが本格的に始動するようだ。
コロナ禍で遅延していた「尾道映画祭」が6月に開催される運びとなった。映画好きな者には嬉しいことである。そして、以前から企画し進め、楽しみにしていた地域に密着したイベントが5月に開催される。
その一つが、宝塚市の平林寺で開催される「ひらりんフェスティバルin平林寺」というイベント。落語をメインに、写経や写仏の体験会や三味線演奏そしてバイオリン漫談など盛りだくさん。寺院イベントということで僧侶による仏教を分かりやすく説いた紙芝居や説法なども聞けるといった地域に密着したお祭りが開催される。筆者も写仏体験会をさせていただく。
5月22日(日) 宝塚市・平林寺のイベント「ひらりんフェスティバル in 平林寺」
もう一つが、これも寺院での落語会「佛日寺寄席」。こちらは落語のまち・池田市ならではの「社会人(アマチュア)落語会」。池田では毎年、「社会人落語日本一決定戦」が開催され、そのチャンピオンやファイナリストの経験者が高座をつとめる落語会である。佛日寺を開山した隠元禅師の350年大遠忌を記念して行われる。
5月29日(日) 池田市・佛日寺のイベント「佛日寺寄席」
地域活性化の進めていくには、その地域の歴史や文化をひも解くことが必要である。そのカギを持つのが「神社」と「寺院」。それを核に地域の慣習や成り立ちなどを掘り起こすことによって地元地域への関心が深まり、 “我がまち” としての愛や誇りが生まれてくる。
そんなことを思いながら寺院や地域の活性化につながればと期待している。
リポート/ 渡邉雄二
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コロナ禍で遅延していた「尾道映画祭」が6月に開催される運びとなった。映画好きな者には嬉しいことである。そして、以前から企画し進め、楽しみにしていた地域に密着したイベントが5月に開催される。
その一つが、宝塚市の平林寺で開催される「ひらりんフェスティバルin平林寺」というイベント。落語をメインに、写経や写仏の体験会や三味線演奏そしてバイオリン漫談など盛りだくさん。寺院イベントということで僧侶による仏教を分かりやすく説いた紙芝居や説法なども聞けるといった地域に密着したお祭りが開催される。筆者も写仏体験会をさせていただく。
5月22日(日) 宝塚市・平林寺のイベント「ひらりんフェスティバル in 平林寺」
もう一つが、これも寺院での落語会「佛日寺寄席」。こちらは落語のまち・池田市ならではの「社会人(アマチュア)落語会」。池田では毎年、「社会人落語日本一決定戦」が開催され、そのチャンピオンやファイナリストの経験者が高座をつとめる落語会である。佛日寺を開山した隠元禅師の350年大遠忌を記念して行われる。
5月29日(日) 池田市・佛日寺のイベント「佛日寺寄席」
地域活性化の進めていくには、その地域の歴史や文化をひも解くことが必要である。そのカギを持つのが「神社」と「寺院」。それを核に地域の慣習や成り立ちなどを掘り起こすことによって地元地域への関心が深まり、 “我がまち” としての愛や誇りが生まれてくる。
そんなことを思いながら寺院や地域の活性化につながればと期待している。
リポート/ 渡邉雄二
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瀬戸内海の絶景を楽しむ展望台が尾道千光寺公園にオープン [地域発展]
この桜の季節に、尾道出身のカメラマン・栗山主税氏と広島ニュースから尾道情報が届いた。
全国的に知られているかどうかわからないが、中国地方では知名度抜群の眺望スポット「千光寺公園」。山陽本線・尾道駅の北側にある標高約144メートルの小高い「千光寺山」山頂から中腹にある。瀬戸内の景色をのぞむ最高のロケーション地である。
この季節は、山の中腹から斜面にかけ咲く桜は見応えがある。全国の「さくら名所100選」にも選ばれ花見客でにぎわう。そんな写真や動画が届いたので紹介する。
千光寺公園から見える傾斜に咲く桜
その千光寺公園に、尾道水道や瀬戸内海を360度見渡せる頂上エリアの展望台が65年ぶりに建て替えられた。新たな眺望スポット「千光寺公園視点場」として2022年3月11日にオープン。その展望台の名称は「PEAK(ピーク)」。展望デッキの大きさは、東西63メートル、幅3.6メートル。展望デッキまでは緩やかならせん階段を上る。またエレベーターを新設しバリアフリーに対応している。
展望台に上るらせん階段
360度のぞめる展望台
千光寺公園内にかつてあった城型の博物館「尾道城」の場所に土台部分になっていた石垣や、入口、階段などはそのまま生かされ、尾道城の面影が残している。
昔を懐かしみ、新しい時代に対応した尾道の重宝がまた一つ増えた。
展望台の側面に尾道城の石垣を利用
リポート/ 渡邉雄二 広島ニュース参照 写真/ 栗山主税・広島ニュース
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西宮オリジナルサクラ3種の共演 !! [地域発展]
西宮オリジナルサクラ3種 (左から今津紅寒桜・西宮権現平桜・夙川舞桜)
ここ阪神間は、すでに気温16℃まで上昇、ポカポカ陽気。今週から20℃前後の日が続くという。
今年の春の私的話題10選の一つが「西宮オリジナルサクラ」。西宮・夙川は「日本さくらの名所100選」の一つら選ばれている所なので、毎年夙川沿いの桜を楽しんでいる。その桜のほとんどが「ソメイヨシノ」。桜の品種の中でも花の美しさは最上級だろう。
西宮には「西宮市植物生産研究センター」という機関が桜をはじめとする植物に関する品種改良や花木生産などをサポートしている専門研究機関がある。
そのセンターが西宮市の花が「さくら(桜)」ということもあり、とくに桜の研究には熱心である。
先日紹介した「今津紅寒桜(いまづべにかんざくら)」と「西宮権現平桜(にしのみやごんげんだいらざくら」」、「夙川舞桜(しゅくがわまいざくら)」の3種は西宮市オリジナル「さくら」として限られた場所で育成されている。
今津紅寒桜は、名前通りに今津町の大東公園の一角で、早咲きのサクラとして2週間前に満開を迎え、いまは散ってしまっている。それに比べ、西宮権現平桜と夙川舞桜は、ソメイヨシノより少し遅れ満開を迎えた。いくつかの場所で育成されているが、市役所の南側の六湛寺南公園では並木に植えられている。ヤマザクラ系で、花は今がちょうど見ごろで白色の一重、成長が早く潮風にも強い品種といわれている。
今津紅寒桜
西宮権現平桜
そして、夙川舞桜は平成11年に市内雲井町で確認されたもので、夙川周辺のサクラから自然交配によってできた西宮生まれ。センターは平成14年より増殖に取り組み、平成17年に市民の投票で「夙川舞桜」と名付けられた。
花は八重咲きで、はじめは淡紅色でだんだんと白色に変化する。成長は権現平桜と同じように成長は早く、苗木を植えてから開花まで2~3年と期間が短い。
夙川舞桜
この3種が「西宮オリジナルサクラ」として育成され、ソメイヨシノなどに匹敵する美しさを備え、多くの人を楽しませてくれる日々もそう遠くはないだろう。
一足早く、この3種の桜を並べてみた。お楽しみください。
リポート&写真/ 渡邉雄二
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夙川、桜前線だより [地域発展]
夙川オアシスロードの桜は見事というしかない。
43号線より北側は夙川沿いの両岸に、川を覆うように咲き乱れる。
一方、南側はオアシスロードの両横に道を覆いアーチ状の桜が楽しめる。
サイコ~の季節を迎えている。
オアシスロード桜アーチ
夙川沿い桜
リポート&写真/ 渡邉雄二
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43号線より北側は夙川沿いの両岸に、川を覆うように咲き乱れる。
一方、南側はオアシスロードの両横に道を覆いアーチ状の桜が楽しめる。
サイコ~の季節を迎えている。
オアシスロード桜アーチ
夙川沿い桜
リポート&写真/ 渡邉雄二
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西宮オリジナルサクラ、「今津紅寒桜」に続き、「西宮権現平桜」と「夙川舞桜」を紹介 [地域発展]
兵庫県西宮市の市花は「さくら」。阪神間のサクラの名所としてよく知られている夙川公園は「日本さくらの名所100選」に選ばれ、「さくら」は西宮市の象徴となっている。
どこの市町村にもあるのだろうが、西宮市も植物バイオテクノロジーを活用し、西宮市における特色ある緑化を推進するためのサポート機関「西宮市植物生産研究センター」というのが存在する。
そのセンターが「さくら」の研究に取り組んでいる。先日紹介した「今津紅寒桜」と、「西宮権現平桜」と「夙川舞桜」の3種が西宮市オリジナル「さくら」として限られた場所で育成されている。今津紅寒桜は、名前通りに今津町の大東公園の一角で、早咲きのサクラとして一足早く満開を迎えている。
そして、西宮権現平桜と夙川舞桜は、市役所の南側の六湛寺南公園と、夙川の羽衣橋南東の一角で見ることができる。この2種類は並んでいるので比較しながら楽しめる。
トップの写真/ 市役所をバックに「西宮権化平桜」 写真上/ 西宮市役所前の公園に「西宮権現平桜」と「夙川舞桜」が重なり合っている
西宮権現平桜は、水上勉氏の小説「桜守」のモデルにもなった桜博士・故笹部新太郎氏が樹形、花のよさ、成長の早さなど日本一と称えたヤマザクラ「権現平桜」の実生苗をセンターが植物バイオ技術を使って増殖した品種である。
ヤマザクラ系で、花は4月上旬に咲き白色で一重、成長が早く、潮風にも強い品種といわれている。
市役所南側の南六湛寺公園に並ぶ「西宮権現平桜」
一方、夙川舞桜は平成11年に市内雲井町で確認されたもので、夙川周辺のサクラから自然交配によってできた西宮生まれ。センターは平成14年より増殖に取り組み、平成17年に市民の投票で「夙川舞桜」と名付けられた。
花は八重咲きで、はじめは淡紅色でだんだんと白色に変化する。成長は権現平桜と同じように成長は早く、苗木を植えてから開花まで2~3年と期間が短い。
上の写真/ 阪急夙川駅前の羽衣橋南東に並んで植えられている「西宮権現平桜」と「夙川舞桜」
この2種類のサクラはまだ蕾を膨らませている状態 (3月27日現在) なのでもうすぐ開花する。日本テレビ系の朝の情報番組「スッキリ」で阿部リポーターが行っている「開花宣言」ではなく、真似ギャグで「満開宣言」をしてみようと思う。その際は、今津紅寒桜の写真と合わせ西宮オリジナルサクラの三桜そろい組の写真を紹介するのでお楽しみに!
リポート&写真/ 渡邉雄二
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西宮の固有種「今津紅寒桜」、ただ今満開中! [地域発展]
今日は春分の日。昼と夜の長さが同じになるとされている(厳密には昼の方が少し長い)。
秋分の日と同じように、「此岸(しがん)と彼岸(ひがん)が最も通じやすい日」と考えられたことから、この日に西に向かって拝むと功徳が施されるとも信じられている。ということで、春分の中日(祝日)に供養を行うようになったといわれている。
春分は二十四節気の一つで、寒さに耐えて草木が徐々に芽を吹き、春の到来を感じさせてくれる。自然をたたえ、生物をいつくしむ日でもある。
昨日、一足先に誇らしげに咲いている桜を見に行ってきた。西宮市今津町にある小さな公園に一本、お彼岸の中日に合わせたかのように満開だった。
わざわざこの一本を見るために自転車を走らせた。
この桜は、西宮市の固有の桜。今津の小さな市民の憩いの公園で見つかった桜が、西宮の固有種として認定され、2020年、市民公募で「今津紅寒桜(いまづべにかんざくら)」と名付けられた。3月上旬から中旬の早咲きで、お椀状の大きな花びらが特徴でつぼみの時は濃いピンク色である。
西宮は桜の名所として有名だが、数多く存在する桜の中でも西宮には3種の固有種(オリジナル種)がある。この「今津紅寒桜」をはじめ「西宮権現平桜」と「夙川舞桜」。今津紅寒桜は早咲きであるが、あとの2種はこれから。満開の折は、3種の美の共演を紹介する。
リポート&写真/ 渡邉雄二
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お好み焼き村上は地元に愛されてこそ 【名物伝Ⅱ-お好み焼き】 [地域発展]
前回の「名物伝-尾道ラーメン」で紹介した朱さんが尾道名物グルメの東の横綱としたら西の横綱はやはり「お好み焼村上」。筆者の偏見の番付であるが、誰もが認めるところではないだろうか。
そのお好み焼き村上は、どこにでもある小さな店である。鉄板を囲んで大人4人が座ったらいっぱいになる。その席の後ろに3人程度が座れる待ち席があり、さらに店外のベンチは猫たちと戯れることもできる特等席になっている。
我々が行ったのがお昼過ぎ、すべての席には人が座り、店先には持ち帰りを含むお客さんの行列ができていた。待っている間、観光客らしき人もいたが地元のお客さんの方が多かったように思う。有名になれば不思議と地元客は遠のくが、ここ村上では地元に愛されているのが伝わってくる。
久しぶりに会う友人とのランチとしてはいささかせせこましいが、話の花を咲かせるには絶好のステージにように思えた。その友人はふるさとUターン組の一人で昨年帰省し、尾道で起業し活躍している。その友人は、お好み焼き村上の息子さん(大阪キタ新地でお好み焼き村上を開業)と幼馴染の同級生とあっていろいろ話を聞かせていただいた。
待ち時間を忘れるほど話が盛り上がっていると声がかかり店内へ。初めて行くお店なので興味津々で見回すと家の一階を店にしたどこにもあるような店だった。60年程前に学校の帰りにいつも立ち寄っていたお好み焼き屋さんを再現したかのようだった。あまりの懐かしさにびっくりしたほどである。
この店が広島焼き(尾道焼)の名物(?)と思わせるものは見つからない。鉄板を前にお好み焼きを慣れた手つきで焼いているのはおばあちゃんと、その横にサポートする女性が一人、ようは二人で切り盛りしている店である。
ご注文は、という声に「尾道焼き」と答えた。友人曰く、一番人気のメニューらしい。関西ではあくまでも「広島焼き」という名称になっているので、あえて「尾道焼き」と表示されていたので気になった。むかしを思い出すと「お好み焼き」といえば、そばかうどんが入っているものと記憶している。
さて、どんなのが尾道焼きなのかを注視していると、広島焼きと変わらないが、鉄板の上に砂ずりが焼かれていた。粉をといたものを鉄板の上に薄くひき、その上に花がつおの削り粉を振りまく。その上に粗目に切られたキャベツを山盛りにのせ、さらにイカ天を手でさいてのせる。その上に、前もって鉄板で炒めていた砂ずりをのせた。
慣れた手つきでコテを操る様子は、さすがの熟練技と思わず見入ってしまった。
子供の頃の記憶では砂ずりを具につかうのは見たことがなったので、おばあちゃん、なぜ砂ずりを具につかうのですか?と。
こむずかしい説明がかえってくると思いきや優しい顔で「先代が入れていたので」と。この一言が妙に心に響いた。
酸味あるソースがたっぷりと塗られキャベツがざっくりと大きく切られているのでところどころ硬いところも混ざりそれがまたいい食感になる。広島焼きは箸を使わない。鉄板からじかにコテで切り分けながら食べるのである。
ここでは上品さはいらない。コテにのせたお好み焼きをフーフーしながらほうばるのである。これが広島焼きを食べる醍醐味である。
実は、このおばあちゃんは、ご存じの方も多いと思うが、2010年~2011年に放送されたNHKの「連続テレビ小説 てっぱん」のモデルになった女性である。ドラマの内容は、お好み焼き屋を開業することになったヒロイン村上あかりの奮闘を、大阪と広島・尾道を舞台に、笑いと涙で綴る「鉄板繁盛記」。イケズなばあさんから学ぶ“知恵”と“情け”、ガンボな孫娘を通して知る“夢”と“愛”、そして一枚の鉄板がふたりの世界を広げていく、といった筋立てのドラマ。
そのドラマのお陰で、全国的に有名になり一気にお客さんが増えたという。それが今もなお人気のあるお店として定着している。その理由の一番は地元に愛されている “おふくろのお好み焼き” なのかもしれない。飲食店は、なんといっても地元に愛されてこそ継続するもの。
それに加え観光客にとっても尾道を訪れたら一度は食べてみたい村上のお好み焼きになっている。地方の小さな店ではあるが、人を介してよき情報が拡散されていく。
尾道・文化紀行ブログ/ https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/
そのお好み焼き村上は、どこにでもある小さな店である。鉄板を囲んで大人4人が座ったらいっぱいになる。その席の後ろに3人程度が座れる待ち席があり、さらに店外のベンチは猫たちと戯れることもできる特等席になっている。
我々が行ったのがお昼過ぎ、すべての席には人が座り、店先には持ち帰りを含むお客さんの行列ができていた。待っている間、観光客らしき人もいたが地元のお客さんの方が多かったように思う。有名になれば不思議と地元客は遠のくが、ここ村上では地元に愛されているのが伝わってくる。
久しぶりに会う友人とのランチとしてはいささかせせこましいが、話の花を咲かせるには絶好のステージにように思えた。その友人はふるさとUターン組の一人で昨年帰省し、尾道で起業し活躍している。その友人は、お好み焼き村上の息子さん(大阪キタ新地でお好み焼き村上を開業)と幼馴染の同級生とあっていろいろ話を聞かせていただいた。
待ち時間を忘れるほど話が盛り上がっていると声がかかり店内へ。初めて行くお店なので興味津々で見回すと家の一階を店にしたどこにもあるような店だった。60年程前に学校の帰りにいつも立ち寄っていたお好み焼き屋さんを再現したかのようだった。あまりの懐かしさにびっくりしたほどである。
この店が広島焼き(尾道焼)の名物(?)と思わせるものは見つからない。鉄板を前にお好み焼きを慣れた手つきで焼いているのはおばあちゃんと、その横にサポートする女性が一人、ようは二人で切り盛りしている店である。
ご注文は、という声に「尾道焼き」と答えた。友人曰く、一番人気のメニューらしい。関西ではあくまでも「広島焼き」という名称になっているので、あえて「尾道焼き」と表示されていたので気になった。むかしを思い出すと「お好み焼き」といえば、そばかうどんが入っているものと記憶している。
さて、どんなのが尾道焼きなのかを注視していると、広島焼きと変わらないが、鉄板の上に砂ずりが焼かれていた。粉をといたものを鉄板の上に薄くひき、その上に花がつおの削り粉を振りまく。その上に粗目に切られたキャベツを山盛りにのせ、さらにイカ天を手でさいてのせる。その上に、前もって鉄板で炒めていた砂ずりをのせた。
慣れた手つきでコテを操る様子は、さすがの熟練技と思わず見入ってしまった。
子供の頃の記憶では砂ずりを具につかうのは見たことがなったので、おばあちゃん、なぜ砂ずりを具につかうのですか?と。
こむずかしい説明がかえってくると思いきや優しい顔で「先代が入れていたので」と。この一言が妙に心に響いた。
酸味あるソースがたっぷりと塗られキャベツがざっくりと大きく切られているのでところどころ硬いところも混ざりそれがまたいい食感になる。広島焼きは箸を使わない。鉄板からじかにコテで切り分けながら食べるのである。
ここでは上品さはいらない。コテにのせたお好み焼きをフーフーしながらほうばるのである。これが広島焼きを食べる醍醐味である。
実は、このおばあちゃんは、ご存じの方も多いと思うが、2010年~2011年に放送されたNHKの「連続テレビ小説 てっぱん」のモデルになった女性である。ドラマの内容は、お好み焼き屋を開業することになったヒロイン村上あかりの奮闘を、大阪と広島・尾道を舞台に、笑いと涙で綴る「鉄板繁盛記」。イケズなばあさんから学ぶ“知恵”と“情け”、ガンボな孫娘を通して知る“夢”と“愛”、そして一枚の鉄板がふたりの世界を広げていく、といった筋立てのドラマ。
そのドラマのお陰で、全国的に有名になり一気にお客さんが増えたという。それが今もなお人気のあるお店として定着している。その理由の一番は地元に愛されている “おふくろのお好み焼き” なのかもしれない。飲食店は、なんといっても地元に愛されてこそ継続するもの。
それに加え観光客にとっても尾道を訪れたら一度は食べてみたい村上のお好み焼きになっている。地方の小さな店ではあるが、人を介してよき情報が拡散されていく。
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