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等伯の本物を観たく智積院へ [伝統文化]

全国的に穏やかな大晦日の朝。朝陽が心地よい。だが、関西では昼から気温がグングン下がるらしい。元旦の朝には0℃くらいになる予報だ。寒暖差に体がついていくかどうか心配であるが、いいお正月を迎えたい。

先日、葉室麟氏の絵師 海北友松を題材にした「墨龍賦」を読み、そこに登場する同じ時代に生きた狩野永徳や長谷川等伯らの小説を連読した。最後に読んだのが安倍龍太郎氏の「等伯」。小説家は異なるが戦国時代に生きた絵師の生き様が三者三様に描かれていた。
その等伯を読みながら、長谷川信春(後の等伯)が当時描いた本物をみたく智積院を訪ねた。智積院の宝物館には、信春の「楓図」、信春の子である久蔵の「桜図」(共に国宝)をはじめ「松に秋草図」や「松に立葵図」など、長谷川派の障壁画が展示さている。

安倍龍太郎氏の「等伯」を通してではあるが、これらの絵を描いたときの心情や状況を絵から少しでも感じられればと思った次第である。しかしながら、美術の専門家ではないので細かいことはわからないが、本物を観ながらその時空を楽しませてもらった。

よい年をお迎えください。

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聞こえてくるのは水音と鳥の鳴き声 [日本の美]

おはようございます。

先日訪ねた智積院の庭は美しい。見事に整っている。この時期は参拝者がほとんどいないので、方丈書院から眺める庭園を独り占めできる。
聞こえてくるのは流れ落ちる水音と野鳥の鳴き声のみ。書院の縁側に座り、時の流れに身を寄せるとこの佇まいの一部になったかのような錯覚を覚える。

令和元年は残すところあと4日。やることは年賀状の宛名書きに大掃除。しかしながらお尻が重い。
よい一日でありますように。

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全人類が笑顔に [雑感]

おはようございます。
早朝に雨は上がったものの曇天。冷えびえとした空気に包まれている。
この布袋唐子嬉戯の図は、真言宗智山派 智積院の正面玄関に掲げてある。布袋さんも子どももみんな微笑んでいる。この世の全ての人類が笑顔で暮らせますように、と。

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小説に図鑑を重ねていくと臨場感が増幅される [伝統文化]

11月に発刊さればかりの葉室麟氏の「墨龍賦(ぼくりゅうふ)」を読んだ。桃山時代に活躍した絵師「海北友松」を題材にした小説である。それに連鎖され、友松の師匠である狩野派を率いた"狩野永徳物語"である「花鳥の夢」(山本兼一氏著書)を読破。絵師として同じ時代を生き闘った人生が克明に描かれている。異なる小説家が、それぞれの力強い個性と絵師技倆を見事に表現されていた。
そして狩野永徳が、絵の大胆さや技倆に嫉妬した長谷川等伯を題材にした、安倍龍太郎氏の「等伯」を引き続き読んでいる。

同じ時代に腕を振るった著名な絵師がそれぞれと深く関わり、その時の葛藤と嫉妬と強烈な個性を前面に押し出すその様相を、現代の作家が三者三様に巧みに表現されている。
当時のその絵を図鑑を通してであるが、観ながら小説を読んでいくとその時の臨場感が増幅され絵の奥行きが見えてくるようである。

戦国時代の戦火の中、残され継がれた絵が国宝として、重要文化財としていまの世で見ることができるのは無上の喜びである。
今回、歴史上の人物を絵と文字で数倍楽しませてもらった気がする。

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小説と美術図鑑を照らしあわせると [伝統文化]

冬本番といわれる時期になると、毎年恒例の"風邪ひき合戦"を展開。今年こそは風邪ひかずに過ごしたかった年末だが、先週から崩し病院通いが続いた。昨日あたりから通常の生活に戻ってきた。

先日から借りていた海北友松を読み、いまは狩野永徳を題材にした「花鳥の夢」を再読。延長に延長を重ね読破にチャレンジしている。
おもしろいことにこれらの本を読みながら、「永徳・等伯・友松」の美術図鑑を参照すると想像力がさらに湧き上がってくる。安土桃山時代の戦国の世の文化世俗がより強く感じられのがなんとも妙である。

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一期一会の風景 [雑感]

冬本番を迎えている。北海道、東北、そして日本海側は雪景色に一変した。
今年、令和の時代になり夏、秋、そして冬と季節が移ろい、元年もあと残すところわずかになった。
この令和元年の秋の栞を捲ってみると、心に響く景色に出逢っていた。いく枚かを拾ってみると、
"静寂"と"幽光"の風景を切り取っている。ご縁があった一期一会のものばかり。

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町屋の守り神、鍾馗さん [伝統文化]

先日、京都 御池通りを歩いていたら目に入ったのが屋根の上の「鍾馗(しょうき)さん。それも黄金色だから目立っていた。
鍾馗は中国に伝わる道教系の神様。それが、京都に伝わったのが江戸時代と言われている。当時は、疱瘡(天然痘)除けなどに効果がある"守り神"として屋根に備え付けられたものである。
その風習がいまも厄除けとして町屋、花街界隈ではよく見られる。写真にある黄金色の鍾馗は珍しい。なぜ黄金色なのかは不明ではあるが、この輝きが魔除けに絶大なる力を発揮するのかもしれない。

※瓦製鍾馗はネット画像を転載
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大河ドラマ「明智光秀」のゆかりのお寺、西教寺 [歴史遺産]

先日、比叡山延暦寺を訪ねた帰りに西教寺を参拝した。
ご存知の方も多いと思うが、同寺は来年から始まるNHK大河ドラマ『麒麟がくる』の主人公「明智光秀」ゆかりの地である。1571年、織田信長の比叡山焼き討ちの際に焼失した西教寺を復興したのが、坂本城主だった光秀ということで、光秀一族の墓がある。

静寂さ中に天台真盛宗派本山として凛と佇んでいる。この西教寺には「手白のましら(猿)伝説」があり、上人の御徳は鳥獣にも及ぶほどである。
こうして寺を護る猿として「護猿[ござる]」となり、縁がござる、福がござるといって親しまれ、ごえんと呼んで「五猿」と書き、五匹の猿が念仏を唱えている姿が語り継がれている。
その五猿をシンボライズして猿瓦が随所に見られる。鬼瓦の横にお猿さんが座り見守り続けている。

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TAKUMI PROJECT 、匠の技を未来へつなぐ [文化想造塾【逸品殿堂】]

「TAKUMI CRAFT CONNECTION[>]?KYOTO by LEXUS NEW TAKUMI PROJECT」というクラフトの祭典を見に行ってきた。
総合監修に小山薫堂氏、展示企画プロデューサーに建築家の隈研吾氏、展示構成に錚々たるアーティストが名を連ね、情報発信力を強め盛り上げを狙った一大イベントの様相になっていた。

京都新聞ビル地下1階の会場は、全国の若き匠たち150人の作品が一堂に並ぶ"JAPAN connection"。そして平安神宮 額殿では5人のトップクリエイターと若き匠のコラボ展、そして京都の文化創造の担い手と5人の若き匠のコラボが建仁寺両足院で週末の3日間3会場で開催された。

京都新聞ビルへ行き、印刷工場だった地下のどデカイ空間に全国からの匠150人の工芸品が並んでいた。この企画構成には驚かされた。入口でペンライトを渡され薄暗い足元を照らす役割意外に作品を鑑賞するためのものと理解した。
照明といえば、展示台の中にライトがあるのみ。上からのスポットもない。この不思議な演出には見る側、作品を手がけた匠にとって戸惑いは隠せなかったものの新しい試みに圧倒された。

匠はほとんど30、40代のみなさんで、地域の伝統産業をクリエイターとしての感性や技で作品をつくり全国に発信している。
その中で手作りランドセルはキット販売になっている。購入者が最後に手縫いしてプレゼントするというものだった。また草履下駄などは興味を惹く作品もあった。

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