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大阪の食文化のコアになる「なにわの伝統野菜」に注目 【伝統料理を楽しむⅢ】 [伝統文化]

「伝統料理を楽しむ」第三弾として紹介するのは「伝統野菜」。
どこの地域でも伝統野菜に注目し、各自治体の農業育成の柱にしようとPRを促進している。また、現在ではふるさと納税返礼品等にも活用されている。
伝統野菜といえば「京野菜」がまっ先に頭に浮かぶ。いまは、どこの都道府県でも地元活性化の旗印として「地産地消」を掲げ、各種食材の筆頭にご当地野菜を前面に押し出している。

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大阪でも、二十年前くらいから市内や府下で生産されている野菜のいくつかを「なにわ伝統野菜」としてブランド化を始めた。現在大阪府、大阪市認証としては、令和3年現在では18品目である。
市内では「毛馬胡瓜(けまきゅうり)」、「玉造黒門越瓜(たまつくりくろもんしろうり)」、勝間南瓜(こつまなんきん)」、「金時人参(きんときにんじん)」、「大阪しろな」、「天王寺蕪(てんのうじかぶら)」、「田辺大根(たなべだいこん)」、「芽紫蘇(めじそ)」、「難波葱」の9品目。
府下では豊能町の「高山真菜(たかやままな)」、「高山牛蒡(たかやまごぼう)」。吹田市の「吹田慈姑(すいたくわい)」、茨木市の「三島独活(みしまうど)」、高槻市の「服部越瓜(はっとりしろうり)」、守口市の「守口大根」、摂津市の「鳥飼茄子」、羽曳野市の「碓井豌豆(うすいえんどう)」、そして泉州地域では「泉州黄玉葱(せんしゅうきたまねぎ)」の9品目、計18品目が認定されている。

その一つ一つを先生から解説していただき、その料理方法を教わる興味深い講習会であった。その中からいくつかの食材を調理し試食。食材自体の味を楽しませていただく貴重な講習会だった。


まず、天王寺蕪をペースト状にして火を通したもの
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天王寺蕪を、圧力鍋で15分茹でたもの(型崩れなし)
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天王寺蕪を、圧力鍋で15分茹で自家製の味噌で
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田辺大根、大阪しろな
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大根飯(田辺大根を角切りにし米と一緒に、炊きあがったあと塩もみした葉っぱを混ぜる。塩加減がポイント)
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大阪しろな(出汁と塩で、厚揚げと一緒にあえる)
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金時人参(河内蓮根と素揚げ)
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高山真菜の湯通し
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いまの旬のものを下味だけで賞味した。すべての食材が甘い。旬なものだけに伝統野菜に認定されるだけの特徴を有するものばかりだった。舌を巻く上品な味を堪能した。大事に丁寧に育て生産されているのが伝わってくる。
なにわの伝統野菜は、まだごく一部の地域でしか生産されてない。だからなかなか手に入りにくいものも多い。大阪で言えば木津卸売市場や黒門市場などで手に入るとのことである。

食道楽といえば「大阪」。たこ焼きも、お好み焼きもそれぞれの文化ではあるが、素材にこだわる食道楽として、本来の「大阪食文化」がさらに高まっていくことを期待する。

※この記事は、2009年2月「心と体のなごみブログ」に掲載されたものをリライトし転載

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