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妙心茶粥の神髄を楽しむ 【伝統料理を楽しむⅣ】  [伝統文化]

以前、各分野で活躍されている芸術家や文化人、僧侶の方たちの温かいお力添えをいただきながら日本の伝統文化に触れる「ライブインテリジェンス交流会サロン」を開催していた。
その交流会サロンでは月一回、スペシャルゲストをお招きし、またゲストのサロンやお店などを会場に今までにない体験をさせていただいた。前回紹介させていただいた摘み菜料理研究家の平谷けいこ氏、そしてなにわの伝統野菜の料理研究家の田村佳子氏やそば道場の植田塾長もそうである。

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今回紹介するのは、先日開催した交流会サロンのゲストは、神戸で薩摩道場という会席料理屋さんのご主人、郷原達人師。郷原氏は京都・大徳寺で修行された茶人であり料理人である。
今回の談義のテーマが「妙心茶粥」と称されるシンプルな茶粥。すべての邪物を削ぎ落としたもの。お米とお茶だけの食物である。茶は養生の仙薬なり、茶粥は延命の妙薬なり、と郷原氏は茶粥の本髄を語る。

まず、参加者は茶室でお茶をいっぷくいただいた。作法抜きのお茶談義に華が咲き、茶を賞味した。そのあと部屋を移し、蝋燭の陽炎だけが燈っていた。まさに別世界である。ここでは手作りのゴマ豆腐と白州あえにお漬物に茶粥の膳が運ばれてきた。

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茶粥は、湯を沸かし茶袋に入った茶をいれ沸騰させる。その沸騰したお茶に、簡単に水洗いしたお米を入れる。それから約15分程度炊く。それで出来たものが妙心茶粥である。
茶粥をいただいたあと、お代わり茶粥として、炊いたご飯にお茶をかけたものが運ばれてきた。茶粥の二杯飯である。お新香にあわせると妙味が心に沁みわたっていく。そして白湯をいただいて終了。身体が温まるものであった。
精進料理である茶粥をとおし、日本の食文化の一端を楽しませていただいた。

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※この記事は、2008年12月の「心と体のなごみブログ」に掲載されたものをリライトし転載

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