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中国茶は淹れる人の個性が色濃くでる 【伝統料理を楽しむⅤ】 [伝統文化]

昨夜は、煎茶仲間のプロデュースで「中国茶会」が行われた。その茶会をライブインテリジェンス交流会サロンの特別講座として共催させていただいた。

午後6時に始まり、会場を出たのが10時前。講座は3時間半近くに及んだ。先生の喋り好きに輪をかけて、私たちの質問が膨らんだ。面白いトークタイムが1時間半も。このトークタイムが実のある濃い内容だった。

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今回登場いただいた先生は、香港の中國茶倶樂部「龜僊人窟」主人である池谷直人氏。池谷氏は二十数年ジャーナリストとして香港に滞在。その傍ら中国茶を研究。中國茶倶楽部を主宰しサロンを運営されていた。
その池谷氏の交流会トークは、香港を中心とした「茶の歴史」や「茶のシンジケート」、さらには「茶のビジネス」から「茶のある暮らし」に至るまで話が弾んだ。香港で生活し、中国茶とともに生活してきた方だけに、その言葉には説得力があった。

以前からくすぶっていた疑問をぶつけてみた。
中国から輸入される生産物には、とにかく防腐剤がやたら混入されているというイメージがあるが、ということに対して、お茶は基本的にオーガニックである、という一言が返ってきた。
良質な茶葉は香りや味を大切にする嗜好品であるので、無農薬で有機栽培でされている。そして昔の農家は農薬などを買うお金もなかったから質の高いものを生産する農家は人力で丁寧に育て生産していたようだ、と。
昔は、台湾や中国本土で生産され、それを香港から世界に広げていくという仕組みがあった。しかし、その後中国の経済成長の波にのり、本土の人達が投機目的でお茶を買い占めお茶が高騰した。それが"お茶バブル"という現象に繋がっていった。

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こんなお茶こぼれ話を聞きながら楽しみにしていたお茶タイムへ。
今回試飲させていただいたのが、下記の4種である。珍しいもの(高価)ばかりである。
杉林渓(台湾烏龍=青茶)※09年冬茶 
鳳凰蜜蘭香単叢(=青茶)※09年秋茶
福建省武夷山(=岩茶) 
プーアル(=黒茶)※1978年

一つ一つにコメントはようしないが、私でもお茶も香りのよさ、味の旨さがわかる。いまの気候にあった、その時に使用する水にあわせ淹れ方を調整する、と先生はいう。
急須にいれる茶葉の量はほぼ決まっているが、見た感覚が何よりも大切という。右脳でその量を見極める。そのためにはできるだけ左手を使う、という一風変わった淹れ方も披ろう。すべて決め事はあるものの、自分の感性を大切にしている。そうすることによって淹れる人の個性がお茶に出るというわけである。それが、池谷先生のお茶に対するマナー礼儀のようである。
中国茶の深さを理解するのも、また興味をもたせてくれるのもすべて「人」である。この出会いも生涯の人財産として大切にしていきたいものである。

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この記事は2010年4月の「心と体のなごみブログ」に掲載したものをリライトし転載

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